映画的・絵画的・音楽的

映画を見た後にネタバレOKで映画を、展覧会を見たら絵画を、など様々のことについて気楽に話しましょう。

マルセイユの決着(おとしまえ)

2009年01月14日 | 洋画(09年)
 フランス映画「マルセイユの決着(おとしまえ)」を渋谷のシアターNで見てきました。

 映画館のシアターNは、以前はユーロスペースがあったところに後釜に入った映画館で、随分と懐かしい感じがしました。

 さて、映画の方ですが、昔の映画の完全リメイク版とされています。といわれても、昔の映画(メルビル監督「ギャング」(1966))を知りませんから、ああそうですかといった感じながら、この映画が1960年代のフランスの雰囲気を忠実に再現しようとしていて、その点は大変面白いと思いました。

 ストーリーは、主人公が、手を下した金塊強奪に際して仲間を警察に売ったという汚名が着せられ、それを晴らすべくイロイロ動き回ったあげく、最後は撃ち殺されてしまいます。その間、自分を支えてくれた女性が生活に困らないように措置し、さらには、忠実な仲間をヤクザから抜け出させようと国外に逃亡させようともします。
 こうした傾向の映画はフィルム・ノワールといわれるようですが、むしろ日本のヤクザ映画でしょう。

 それにしても、主演がダニエル・オートゥイュなのには驚きました(題名だけで見ることを決め、他の知識なしに映画館に入りました)。このところ見たフランス映画で実によく登場する俳優です(「ぼくの大切なともだち」とか「画家と庭師とカンパーニュ」)。現代のジャン・ギャバンといった感じながら、決して美男子ではなく、むしろ渋く味のある演技がいいのではと思いました。