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ポール・ブレイ & 2人のベーシスト

2014-04-20 | JAZZ
ピアノ&ベースのデュオの2回目、
同じステープル・チェース・レコードから、ポール・ブレイ(p)と、2人のベーシストのアルバムです。

カナダ出身のピアニスト、ポール・ブレイは母国カナダで神童ぶりを発揮し、当初はバド・パウエル直系のバッパーでした。
彼のプレイ・スタイルを大きく変えたのは、1953年に米国入りして気鋭の作曲家カーラ・ボルグと出会い、またオーネット・コールマンやジミー・ジェフリーの影響を受けてからで、その後はスタイルを大きく変え、フリー・スタイルまで進んでいきます。
これらの演奏を録音したレーベルも様々で、1967年頃からのおよそ10年間に渡って演奏されたものは自主レーベル(IAI)からも出されていました。
1999年5月~6月にかけて来日した機会をとらえて、私が所属していたジャズ・クラブ主催のコンサートを開催したこともあるので、この時のことも何時か紹介したいと思います。

そこで1枚目は、ケニー・ドリューの相手を務めたニルス・ヘニング・オルステッド・ペデルセンです。

「PAUL BLAY NHOP」STEEPLECHASE SCS-1005
   
1. MEETING
2. MATING OF URGENCY
3. CARLA
4. OLHOS DE GATO
5. PARADISE ISLAND
6. LATER
7. SUMMER
8. GESTURE WITHOUT PLOT
PAUL BLAY(p&elp) NIELS-HENNING ORSTED PEDERSEN(b) 録音 1973年6月1,24日

このアルバムは、ポール・ブレイ自身の作曲の他、彼に影響を与えた2人の女性、カーラ・ボルグ(後の夫人)と、アーネット・ピーコックの作品から成っています。
ポールの特徴である内省的な演奏が大半を占め、全8曲中、ベースが4ビートを刻むのは3曲目のカーラだけです。
また、オロス・デ・ガトー(4曲目)でのペデルセンは、最初から最後までボーイングだけ、しかも使っている音は2音のみで、5分33秒を通しています。
この演奏、最初聴いた時は装置の故障かとも思ったり、適正な針圧でレコードを再生しないと、ポールの強いピアノ・アタックで音割れしてしまう問題のレコードでもありました。
このアルバムの印象ですが、この前後にレコーディングされたソロ・アルバムであるオープン・トゥ・ラブ(ECM/72年9月)と、アローン・アゲイン(IAI/74年8月)のいずれとも同じ雰囲気を持っていて、従来のジャズとは違った趣きの演奏です。
この手の音楽を好きな人と、嫌いな人の好みが分かれるアルバムかもしれません。


2枚目は、同じくデンマークを代表するベーシストのイェスパー・ルンドゴールとの共演です。
イェスパーは1954年6月12日生まれで、ペデルセンより8歳若く、彼の陰に隠れていますが、ヨーロッパの中でも指折りの実力を持ち、米国ミュージシャンとの共演も数多く残しています。

「LIVE」 STEEPLECHASE SCS-1223
   
1. BLUES
2. OSTINATO
3. THE THEME
4. RAMBLIN’
5. MUSIC MATADOR
6. WHEN WILL THE BLUES LEAVE
7. VASHKAR
8. ICTUS
PAUL BLAY(p) JESPER LUNDGAARD(b) 録音 1986年3月26日

コペンハーゲンのジャズ・クラブ、カフェ・モンマルトルでのライブ演奏で、こちらはオーネット・コールマンやカーラ・ブレイの作品を中心とした構成となっています。
ライブということもあり、前作に比較しリズミックな曲も含まれていますが、そこはポール・ブレイの演奏であるからして、2人が相対してやり取りするフリー・フォームの部分も多くあります。

上記のデュオからおよそ13年の年月が経過していますが、相手が異なると全く違う演奏になるという一例でもあります。

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