あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

アーサー・ブライスの1枚

2014-01-30 | JAZZ
アーサー・ブライス(Artuur Blythe) 1940.5.7 -  ロサンゼルス生まれ

この人も、ニューヨークのロフトで注目され、そこからメジャーになった一人です。
ジャズ界へのデビューは1969年頃と言われています。
下記は、リーダー・アルバムの中での初期の1枚で、これまでに紹介したデイヴィッド・マレーや、ハミイット・ブルーイットと同じレーベルです。

「THE GRIP」 INDIA NAVIGATION  IN 1029
   
1. THE GRIP
2. SPRITS IN THE FIELD
3. SUNRISE SERVICE
4. LOWER NILE
5. AS OF YET
6. MY SON RA
ARTHUR BLYTHE(as) AHMED ABDULLAH(tp) BOB STEWART(tuba) ABDUL WADUD (cel) 
STEVE REID(ds) MUHAMAD ABDULLAH(perc)  録音 1977年2月26日

上記アルバムは30代後半の録音であり、遅咲きのミュージシャンということになります。
録音はニューヨークのブルークでのライブです。(恐らくロフト)
編成については先の2人と同様、これもピアノ・レスで、チューバやチェロの参加が珍しいですが、トラップス・ドラムス(薄型・簡易型ドラム・セット)やパーカッションを加えています。
このことについては、ブライス自身が「アフリカの伝統に倣った初期のリズムや、ニュー・オリンズのブラス・サウンドを取り入れている」と語っています。
従って、これまでのロフトで誕生した音楽とは異なり、一風変わった尖がった音作りとなっています。
このレーベルには、同時期に録音された「Metamorphosis」というアルバムもありますが、その後はメジャー・レーベルであるCBSと契約し、多くの人に知れ渡ることになります。
この結果、徐々にアクが取れて普通のサックス奏者になってしまいました。
この人の演奏も、これまで一通り聴いて来ましたが、現在手元に残っているのは、上記アルバムの1枚だけになってしまいました。

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私の愛聴盤 (第32回)

2014-01-28 | 私の愛聴盤
第32回は、パット・マルティーノの「イクジット」です。
パット・マルティーノ (Pat Martino) 1944年8月25日 -  フィラデルフィア生まれ

イタリア系アメリカ人のジャズギタリスト、作曲家で、12歳でギターを始め、15歳でプロとして活動を開始し、18歳でレコーディング・デビューを果たしています。
初期のレコーディング(67年~)はプレスティッジ・レコードに数多く残されていて、エリック・クロス(sax)や、ジャック・マクダフ(org)等と共演をしています。
パットのギター奏法は、超絶技巧のテクニックと、美しい音色に特徴があります。
1976年に脳動脈瘤で倒れ、一時は活動を中断しましたが、87年に奇跡の復活を果たし、現在も演奏活動を続けています。

今回紹介するのは、発売当時にチョッと話題となったレコードで、アルバム・タイトルの「退場」の如く、このレコーディングの後は暫らく演奏活動が中断されます。
「EXIT」 MUSE RECORDS MR 5075
   
1. EXIT
2. COME SUNDAY
3. THREE BASE HIT
4. DAYS OF WINE AND ROSES
5. BLUE BOSSA
6. I REMEMBER CLIFFORD
PAT MARTINO(g) GIL GOLDSTEIN(p) RICHARD DAVIS(b) BILLY HART(ds)
録音 1976年2月10日  

このアルバム、2曲のオリジナル(1,3)の他は耳慣れたジャズのスタンダードですが、真骨頂はやはりオリジナルの2曲です。
タイトルにもなっているイクジットは、リチャード・デイビスのベースに導かれ、パットが硬質・硬派の刺激的なアドリブを展開しています。
中でもシングル・トーンで小節を埋め尽くすようなスケールを弾くところは圧巻です。
続くゴールドスタインのピアノも、パットにインスパイヤーされたのか、速いスケール演奏でそれに応えていますが、加えてリチャードの8分音符による急速のバッキングは、イクジットに続いて、ここでも素晴らしいです。
もう一方のオリジナルであるスリー・ベース・ヒットは、テーマ部分でパットがウエス・モンゴメリーの信望者であることを証明するような、オクターブ奏法も披露し、
アドリブ部分ではスケールを散りばめた演奏となっています。
他のジャズ・スタンダードにおいても、パットの独自解釈によるプレイを聴くことができます。

なお、2005年にはウエスのオリジナルと、ヒット・ナンバーが詰った「ウエス・モンゴメリーに捧ぐ」というタイトルのアルバム(CD)も発売され、これも私の愛聴盤となっています。
「PAT MARTOINO REMEMBER」 BLUE NOTE  ST - 66279 (録音2005年8月9、10日)
 

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続いてハミイット・ブルーイットを

2014-01-25 | JAZZ
ハミイット・ブルーイット(Hamiet Bluiett) 1940.9.16 -

次に紹介するのは、先のデイヴィッド・マレイ同様、ニューヨークのロフトで頭角を現したバリトン・サックス&フルート奏者のリーダー・アルバムです。
ブルーイットはこの録音の後の1977年に、ディヴィッド・マレー(ts)、ジュリアス・ヘンフィル(ts)、オリバー・レイク(as)と結成した、4人のサックス奏者による
ワールド・サキソフォン・カルテット(WSQ)でも活躍しています。

「ENDANGERED SPECIES」 INDIA NAVIGATION  IN 1025
   
1. BETWEEN THE RAIN DROPS
2. SOBRE UNA NUBE
3. THE OTHER SIDE OF THE WORLD
4. AYANA NNEKE (Dedicated to My Daughter)
HAMIET BLUIETT(bs,fl) JUMMA SANTOS(balafon) JUNIE BOOTH(b)
OLU DARE(tp) PHILLIP WILSON(ds) 録音 1976年6月19日 (レディス・フォートにて)

このアルバムは、ハミイット自身の作曲による彼の家族に捧げられたもので、バリトン・サックスは滑らかで、優しい音で、ライブでありながら意外と抑制が効いた内容となっています。
曲は冒頭からの3曲がフリー・リズムによるフリー・ミュージックで、騒然としたギンギンの場面も少しありますが、最後の1曲はゴスペル調の短い曲になっています。

その優しい音で、今度は上記アルバムとはうって変わって、ナット・キング・コールの愛唱曲を題材にしたアルバムもあります。
「MAKIN’ WHOOPEE」 MAPLESHADE MS 04832 (1997年録音)
  

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デイヴィッド・マレイの初リーダー・アルバム

2014-01-24 | JAZZ
 昨年暮れに「ロフト・ジャズの5枚のレコード」を紹介しましたが、その中心人物の一人であったデイヴィッド・マレイの初リーダー・アルバムを取り上げてみました。

デイヴィッド・マレイ(David Murray)1955年2月19日 - カリフォルニア州オークランド生まれ

エリック・ドルフィーが亡くなった1964年にアルト・サックスを吹くようになり、ジョン・コルトレーンが亡くなった1967年にテナー・サックスに転向、当初はR&Bバンドを結成し、サンフランシスコ等で演奏していましたが、1975年にニューヨークに進出し、初録音を行っています。
当時ニューヨークは、ヴィレッジ界隈を中心にアーティストたちが結束し、連携し合って地域の創造的文化活動を推進すべく、運動を展開していて、その活動の舞台となったのが、ヴィレッジやソーホーの無人倉庫を利用したロフトでした。
この時、デイヴィッド・マレイはニューヨークにやってきたばかりでしたが、豪放な質感たっぷりの豊かな音を出すテナー・マンで、自分のヴォイスを持っているということから、一気に彼の名が高まったとされています。

「FLOWERS FOR ALBERT」 INDIA NAVIGATION  IN 1026
   
1. JOANNE’S GREEN SATIN DRESS
2. BALLAD FOR A DECOMPOSED BEAUTY
3. FLOWERS FOR ALBERT
4. ROSCOE
DAVID MURRAY(ts) PHILLIP WILSON(ds) OLU DARA(tp) FRED HOPKINS(b)
録音 1976年6月26日 レディース・フォート(ヴィレッジの外れにあった代表的なロフトでの演奏)

このアルバムは、マレイの名を知らしめた初期の代表作で、アルバート・アイラーの再来ではないかと囁かれたことが、タイトルからも伺うことができます。
よってそのサウンドは、トラディショナルな方向に回帰し、精神と肉体から発せられるような音、並びにリズムとなっていて、タイトル曲にその特徴がよく表れています。
また、テーマのソロ部分では、細かいビブラートを利かせ、初期のアイラーに似た奏法を行っています。
この後、マレイはメジャー級となるに従い、コールマン・ホーキンスやベン・ウエブスターを彷彿とさせるような洗練されたサウンドで、スタンダードも良く演奏するようになって行きます。
改めてこのアルバムを通して聴いて見ましたが、今の時点で、この手の音楽は過去のものとなりつつあるようにも思います。

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今年のシクラメン

2014-01-23 | 日々の暮らし
11月から4月の花とされるシクラメン、
我が家の花、昨年は4月中旬に満開になりましたが、この冬は寒かったので早めに室内に取り込んだせいで、ここで満開になりました。
今年は追加で、小鉢のシクラメンと、ポインセチアと共に「」が室内を飾っています。
( 大きいほうのシクラメンは、5~6年前に購入したもので、毎年きちんと咲いてくれています )

    

布施 明が唄う「シクラメンのかほり」に載せて…
   

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大西順子のデビュー・アルバム

2014-01-22 | JAZZ
大西順子は、昨年引退宣言をしたので、残念ながら「生演奏」を聴く機会は無くなっています。
そこで、彼女のデビュー・アルバム「ワウ」を引っ張り出して聴いて見ました。
この作品は、スイングジャーナル誌ジャズ・ディスク大賞(1993年度)日本ジャズ賞に輝いたアルバムでもあります。

「WOW」 somethin’else TOCJ-5547
 
1. THE JUNGULAR (Junko Onishi)
2. ROCKIN’ IN RHYTHM (Duke Ellington)
3. B-RUSH (Junko Onishi)
4. PROSPECT PARK WEST (Junko Onishi)
5. POINT-COUNTER-POINT (Junko Onishi)
6. BRILLIANT CORNERS (Thelonious Monk)
7. NATURE BOY (Eden Ahbez)
8. BROADWAY BLUES (Ornette Coleman)
大西順子(p) 嶋 友行(b) 原 大力(ds) 録音 1992年9月3日~5日

下記はCD発売5年後の1988年に、再びレコードとなり完全限定盤として発売されたもので、CDより2曲少なくなっています。
「WOW」 somethin’else TOJJ-5547
   
1. THE JUNGULAR (Junko Onishi)
2. ROCKIN’ IN RHYTHM (Duke Ellington)
3. B-RUSH (Junko Onishi)
4. BRILLIANT CORNERS (Thelonious Monk)
5. POINT-COUNTER-POINT (Junko Onishi)
6. NATURE BOY (Eden Ahbez)

曲目の後ろに作曲者も記載しましたが、自身のオリジナルの他、エリントン、モンク、オーネット・コールマンの曲が並んでいます。
それは、すなわち彼女の音楽が、彼らから影響を受けていたからです。
それにしても、日本ジャズ界になんの前触れもなく突然登場し「大西ってだぁ~れ」と、芸能界までもが一時騒いだことが、つい最近の様に思えます。
彼女はバークリーを卒業後、暫らくニューヨークに活動拠点を持っていて、当時はその辺りのニュースも入ってこなかったので、このデビュー作が発売された時の衝撃は大きいものがありました。
帰国したのは1992年で、暫らくは向井滋春(tb)のグループに参加していたことがあり、日本ジャズ賞受賞後に、彼のグループで録音されたのが、下記のアルバムです。

「向井滋春 フィーチャリング 大西順子」 somethin’else TOCJ-5557 ( 93.11.25~26 録音 )
  

表題のアルバムについて、1曲目の「ザ・ジャングラー」は、彼女のオリジナルですが、エリントンのジャングル・ムードにインスパイヤーされて書いた曲だそうです。
この他にモンクの曲もそうですが、彼女の演奏はパーカッシブなタッチと、メロディックな部分を上手くブレンドしながら「独自の音楽」を構築しています。
一方、3曲目の「B-ラッシュ」のように、明らかにビ・バップからの影響が感じられる曲もあり、デビューから注目されていたことを改めて認識したアルバムでした。
再びジャズ界に戻ってきて欲しいミュージシャンの一人です。

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チャールス・ミンガスの直立猿人

2014-01-19 | JAZZ
チャールス・ミンガス(Charles Mingus)1922年4月22日 - 1979年1月5日 
アリゾナ州ガルス生まれ

ベーシスト、ピアニスト、優れた作曲家、バンドリーダー、
チャーリー・パーカーや、デューク・エリントンから大きな影響を受け、自身のオリジナル曲の中にも政治思想や哲学思想を取り入れた、強烈な個性を持ったミュージシャンでした。
1950年代に入ってニューヨークに進出し、マックス・ローチ(ds)と共にデビュー・レーベルを立ち上げ、意欲的な作品を残した後、アトランティックと契約しての第1作がこの「直立猿人」です。
この録音が行われた当時のジャズの勢力は、白人中心の西海岸から東海岸へと移り、とりわけニューヨークの黒人中心のジャズが勢いを取り戻した時期に当たります。
このような背景の中で、ミンガスはジャズ・ミュージシャンとして先のマックス・ローチ等と共に、黒人の人種差別反対運動や、公民権獲得へ向けた活動の先頭に立った内の一人であり、それがこのアルバムにも反映されています。
楽曲的には従来のハード・バップから一歩進んで、演奏者同志が互いに刺激し合いながら曲を作り上げていくことで、過去の誰もが演ったことがない集団即興演奏を目指していて、それを実現したのがこのタイトル曲でもあります。
(ジャケット裏面のサブ・タイトルは「ジャズ・ワークショップ」となっています)

「PITHECANTHROPUS ERECTUS」 ATLANTIC 1237
   
1. PITHECANTHROPUS ERECTUS (直立猿人)
2. A FOGGY DAY (霧深き日)
3. PROFILE OF JACKIE
4. LOVE CHANT
CHALIE MINGUS(b) ACKIE McLEAN(as) J.R.MONTEROSE(ts) 
MAL WALDRON(p) WILLIE JONES(ds) 録音 1956年1月30日

1曲目の直立猿人において、2人のサックス奏者は従来のアドリブではなく、アヴァンギャルド的な音を散りばめた奏法を行っており、その後のフリー・ジャズの片鱗を見せています。
2曲目の霧深き日のイントロ部分では、交通マヒや警笛を模倣した音で、同じくフリーな表現を試みています。
3曲目のジャッキー(の肖像)とは、マクリーンのことで、自らがソロを取る短いバラードです。
4曲目のラブ・チャントは一転、最少の和声で自由に発展していく15分にも及ぶ長い演奏です。

なお、これまでこのコーナーに登場したことのある秋吉敏子は、一時的にミンガス・バンドに在籍していたことがあり、渡辺貞夫はボストンのバークリー音楽院に留学する途中、
ニューヨークに立ち寄った際、空港に迎えに来てくれた秋吉さんに連れられてジャズ・クラブに直行し、いきなりミンガスの演奏しているステージに上げられたそうです。
貞夫さん曰く、ステージではミンガスのオリジナル曲ばかりだったので、ミンガスが背後からコードを教えてくれたのですが、ミンガスが「A7」と言った時、曲は既にその先に進んでいて、役に立たず困ったそうです。
また、大西順子のオリジナルにも、ミンガスにちなんだ曲がありました。

余談ですが、ミンガスは自らを「チャーリーと呼ぶな、チャールスと呼べ」と言ったそうで、各々のアルバムでは、そのいずれかが記載されています。
そしてミンガスは、葉巻とチェスの愛好家であり、「生肉」を好んで食べたそうです。(これ本当の話)

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2014年の富士山 (1月第2回)

2014-01-18 | 富士山
何時もの場所から、寒空の中の1月17日の富士山です。

朝7時前、一部は雲に隠れていましたが、20分程で全体を撮ることができました。
日中は再び雲で覆われましたが、午後3時過ぎには再び雲が動いて、逆光の中のお山を撮ることができました。
今朝の気温はマイナス5℃、日中も気温は上がらず寒い1日でした。

     

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私の愛聴盤 (第31回)

2014-01-16 | 私の愛聴盤
第31回はソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」です。
今更ながらとは思いますが、ジャズ・アルバムの中の「不滅の名盤」を取り上げてみました。
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins、1930年9月7日 - )
本名 セオドア・ウォルター・ロリンズ(Theodore Walter Rollins) ニューヨーク州出身

1950年代初頭から一級の腕前を持ち、非の打ち所がない圧倒的な存在感を示していたロリンズの26歳の時の演奏です。
このレコーディング時のメンバーの年齢は、ピアノのトミー・フラナガンが同じく26歳、ベースのダグ・ワトキンスが22歳、ドラムスのマックス・ローチが32歳でした。

長い間、聴き続けてきたこのアルバムを今回取り上げた理由は、ジャズを聴き始めた頃、最初に購入したレコードを早い時期に売却し、国内盤に切り替えて聴いていたのですが、最近ふらっと立ち寄った中古レコード店で、当時手放したものと同じ盤を再び購入し、今度は「音」について納得したからです。
当時輸入盤を売却した理由は、レコード収集を始めたばかりで、再生装置も貧弱なものだったこともあり、オリジナル・デザインのジャケットが欲しいと言う単純な理由だけでした。
このアルバム、名盤故に、各メーカーが手を変え品を変え繰り返し発売していて、その都度購入(売却)してきましたが、現在手元には4枚のレコードがあります。
ジャケットの絵柄は、ロリンズの顔が黒く塗りつぶされたものではなく、うっすらと顔が見えるものがオリジナルの様で、各社はこの状態を再現するのに苦心してきました。
再発盤の中で、最もオリジナル盤に近く再現されているのは、1999年に日本ビクターエンタテイメントとDIWの共同制作による国内盤であり、そのジャケットをここに掲載しました。
バックの「青色」は本来、緑が掛った青ですが、素人写真では上手く表現できていません。
また黄色地のレーベルは、上記盤の他、2009年発売のユニバーサル・ミュージック、及び2013年に米国アナログ・プロダクションから発売された3枚を順次掲載しました。
   

そして最後に登場するのが、最初に売却したものと同等盤です。
「SAXOPHONE COLOSSUS」 PRESTIGE PR 7326 (LP 7079)
     
1. ST. THOMAS
2. YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS
3. STRODE RODE
4. MORITAT
5. BLUE 7
SONNY ROLLINS(ts) TOMMY FLANAGAN(p) DOUG WATKINS(b) MAX ROACH(ds)
録音 1956年6月22日

このジャケット違いのレコード、「音」がすこぶる良いんです!
それもそのはず、デッド・ワックス部にはRVG印と、オリジナル・レコード番号 PRLP-7079-A、B、及び PRLP-7326-A、B が共に手書きで併記されていて、オリジナル・スタンパーからプレスされている可能性があるからです。(オリジナル・スタンパーはRVG、PRLP-7079-A、Bが手書きです)

そして上記4枚を聴き比べた結果、やはりこの盤の「音」がエッジが立っていてキレがあり素晴らしく、本当のオリジナル盤はすごい音がするのだろうなと思いました。
オリジナル盤の価格は6桁もするので、我々には手が出ませんが…
再発盤であるにも関わらず、この音を聴いて、当時のロリンズが本当に豪快な吹き方であったことが良く分かりました。
一方RVGリマスター・コレクションとして、2009年にユニヴァーサルから発売されたものは、ジャケット違い盤の音に似ていましたが、どちらかと言うとCDのようなデジタルに近い感じでした。
残り2枚は似たり寄ったりで、過去に発売されている日本盤のようでしたが、米国製のアナログ・プロダクション盤は、4枚の中で一番カッテイング・レベルが低く、アンプのボリュームを1目盛り以上上げないと同じ音量になりませんでした。
よって「音」だけを論ずるのであれば、間違いなくジャケット違いのモノラル盤に軍配を挙げたいと思います。

このアルバムの内容については「ヴァンゲルダー決定盤101」の記事を掲載しました。
 

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アルバム「アット・イーズ」

2014-01-13 | JAZZ
コールマン・ホーキンスのリーダー・アルバム「アット・イーズ」を取り上げてみました。

コールマン・ホーキンス(Coleman Hawkins) 1904年11月21日 - 1969年5月19日 ミズーリ州出身

コールマン・ホーキンスは、レスター・ヤングと共に、ジャズ・テナー・サックスの奏法を開拓した偉大なミュージシャンの内の一人です。
中でもホーキンスは、1940年代に登場した「ビ・バップ」のスタイルを取り込み、テナー・サックスを初めてジャズ楽器として脚光を浴びさせました。
また、当時無名だったディジー・ガレスピー、セロニアス・モンク、マックス・ローチ等を最初に雇ったり、少年時代のソニー・ロリンスがホーキンスに憧れていたように、ジャズ界への影響は大きいものがあります。
1960年前後には、ピアニストのトミー・フラナガン等と結成したレギュラー・カルテットで活動していた時期があり、プレスティッジ(ムーズヴィル)やヴァーブに、数多くの録音を残しています。
その中の1枚が今回のアルバムです。

「AT EASE WITH COLEMAN HAWKINS」 PRESTIGE / MOODSVILLE  MVLP 7
   
1. FOR YOU FOR ME FOR EVERMORE
2. WHILE WE’RE YOUNG
3. THEN I’LL BE TIRED OF YOU
4. MIGHTY LAK A ROSE
5. AT DAWNING
6. TROUBLE IA A MAN
7. POORE BUTTERFLY
8. I’LL GET BY
COLEMAN HAWKINS(ts) TOMMY FLANAGAN(p) WENDELL MARSHALL(b) 
OSIE JOHNSON(ds)  録音 1960年1月29日

このレコード、録音エンジニアはルディ・ヴァンゲルダー(RVG)で、購入するきっかけとなったのは「ヴァン・ゲルダー決定盤101」という単行本からでした。
    

そして実際にその「音」を聴いてみたいと、数年前に上記の文字イラスト盤を入手したのですが、単行本に掲載されていたジャケットとは違ったものでした。
そこで単行本に載っていたアルバムは無いものか、と探したところ、OJCからの再発盤がありました。
但し、文字ジャケットのオリジナル盤(モノラル)に対し、こちらはステレオ盤ですが、下記の再発ジャケットの方が雰囲気も伝わり、良い感じだと思いませんか。
     
このレコード、ホーキンスはいつもの豪快なトーンを少し抑え気味ではありますが、トミ・フラの端正なピアノ、マーシャルのしっかりしたリズム、ジョンソンのブラシを中心としたサポート、どれをとっても一級品の内容です。
曲目解説については単行本に記載されているので、ここではモノラルとステレオの比較について一言、ステレオ盤は左寄りにテナー、中央にピアノとその後ろにベース、右寄りにドラムスとなっていて、肝心な「音」についてはステレオ盤も好ましいレベルで、これはこれで楽しめるものになっています。
(OJC盤は音でも優れたものが多く、安価で購入できます)

なお、RVGがリ・マスタリングしたCD(モノラル盤)も米国盤で発売されています。
 

最後にプレスティッジの傍系であるムーズヴィルについてですが、その名の通り、バラード集、スタンダード・ナンバー集を中心としたソフト路線系のレーベルで、全部で39作があると言われています。

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