あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

エリック・アレキサンダーの初期の演奏集(CD)

2024-09-01 | JAZZ (CD)
エリック・アレキサンダーのデルマーク・レーベルに続く、クリス・クロスからのCD(2+1枚)を取り上げてみました。

「In Europe」 CRISS CROSS CRISS 1114     
 
録音 1995年4月10日
この録音前には、オランダのツアーを行っていて、その関係から同地のスタジオで録音されたもので、オルガンはウェス・モンゴメリーとの共演で知られるメルヴィン・ライン、ギターは名手のボビー・ブルーム、そしてドラムスは先のデルマーク盤にも参加していたジョー・ファーンスワースという豪華メンバーで、エリック・アレキサンダーにしては珍しい編成となっています。
デビューから3年、テナー、オルガンとの相性も良く、「What A Difference A Day Made」(縁は異なもの」や、自作の「Trippin’」の様なアップ・テンポにおける演奏や、「Good Morning Heartache」のバラードにおける堂々としたプレイが素晴らしいです。


「Two Of Kind」 CRISS CROSS CRISS 1133

録音 1996年12月15日
ピアニストのデヴィット・ヘイゼルスタイン・トリオをバックに5曲、そして親子ほど違うベテランのセシル・ペイン (bs) を加えてのクインテットによる4曲が収録されています。
エリックの自作で、同じテナーサックス奏者であるエディ・ハリスに捧げた「Mr. Harris」は好演しているし、「Angel Eyes」は、予想に反して優雅なメロディがかき消されてしまうようなアップ・テンポで突っ走っています。
セシル・ペインをフューチャーした「I Can’t Get Started」の他、2人の共演としては、セシル・ペインの作曲による「Kick-A-Poo」がアップ・テンポによる演奏ですが、テーマ部の2人のハモリがかっこよく、最後まで痛快な演奏となっています。


そして、番外編の1枚は、ベーシストのアトロ・ミッコラの自主制作盤への参加アルバムです。

「On The Way」 AMK 1000

録音 1995年10月2日
3曲のスタンダード以外は、リーダーのミッコラによるものですが、演奏の主体はエリック・アレキサンダー・カルテットの様に聞こえます。
その中で、ジョージ・ガーシュインの名曲である「How Long Has This Been Going On?」は、おおらかでゆったりとした吹奏で、大ベテランのような風格さえ感じます。(アイク・ケベックのBlue Note盤「With A Song In My Heart」の中の同曲の演奏を聴いているようです)
リーダーのミッコラは、エリントン・ナンバーの「In A Sentimental Mood」においてヴォーイングでメロディを、続くピアノをバックにピチカット~テンポを早めて再びヴォーイングで絶妙なソロを取っていてこれまた名演です。(ここでのエリックはお休みです)

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Haewon MOONの歌の再現

2024-08-07 | JAZZ (CD)
先日のインターナショナルオーディオショウのアキュフェーズのブースで聴いた韓国のHaewon Moon (ヘウォン・ムーン 文慧媛)の歌とJBL4349から出てくる音に惚れ惚れしたので、自宅の装置で聴いてみようと思いCDを購入ました。

「MIDNIGHT SUN」 SOMETHINCOOL SCOL - 1072
 

我が家の再生装置は、プリメインアンプがMclntosh MA6900、CDプレイヤーがPioneer PD - 70AE、スピーカーがJBL S4600です。



「MOON Haewon with 山本剛」のCDについて、最初に会場で音出ししていた「 I Let a Song Go Out of My Heart」を聴いてみましたが、我が家の装置では会場で聴いたほどのカチットしまった音のインパクトはありませんでした。
しかし、ヴォーカルは特有の暖かさがあり、バックのベース音の再生と共にこれはこれで満足でした。
また、2曲目の「Midnight Sun」は、ピアノとのデュオで歌詞を大事に歌っており、続く「In The Middle of a Kiss」も同じ雰囲気で続いていました。
「Autumn Leaves」になると、MOONは歌詞を崩して自分のペースとしていて、山本剛の十八番の「Misty」ではストレートに歌っていて、ここでの山本は何時ものペースでトレモロを使い、中間部ではイパネマの娘の数小節を入れたりで余裕たっぷりの演奏となっていました。
「Send in the Clowns」はミュージカルからの曲で、MOONの歌い上げが見事な1曲ですが、一方で、ジュディ・コリンズの歌や、フランク・シナトラがギターを伴奏に歌うのも良いです。

アップ・テンポによる「I Didn'T Know What Time It Was」は、ピアノトリオがしっかりとバックを務めていますが、大半の曲では、MOONのリラックスした歌声と山本剛のピアノを中心としたデュオ部分が多いアルバムとなっていて、英語の発音は、生粋のアメリカンと言うよりは日本人の多くの歌手が歌うイントネーションに似ていて、またそれが私にとってはなじみやすく聞こえました。

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チェット・ベイカーが一番好きだったという演奏集(CD)

2024-03-28 | JAZZ (CD)
雑誌、ジャズ批評の中でのヒロ川嶋氏によると、チェット・ベイカ―自身が最も好きなアルバムだそうで、このアルバム(CD)を取り上げて見ました。

「Broken Wing」 EmArcy UCCM 3003
 
1. Broken Wing
2. Beautiful Black Eyes
3. Oh You Crazy Moon
4. How Deep Is The Ocean
5. Blue Gilles
6. Beautiful Black Eyes (2 takes)
7. How Deep Is The Ocean (2 takes)
Chet Baker (tp, vo) Phil Markowitz (p) Jean-F-Jenny-Clark (b) Jeff Brillinger (ds)
録音 1978年12月28日

アルバムのタイトルとなっている「 Broken Wing」はミュートによる演奏で、ピアニストのフィル・マーコウィッツの端正なピアノが、チェットのミュート・プレイにうまく合致しています。
続く「Beautiful Black Eyes」は、彼が亡くなるまでに幾度もレコーディングしている曲ですが、こちらはジャン・F・ジェニー・クラークのズシーンと響くベースが全体を支配しており、陰影を付けた演奏で素晴らしいです。
「Oh You Crazy Moon」は最初と最後の夫々1コーラスを歌たっていますが、後半のコーラスはスキャットを織り交ぜながらの好演で、中間部のピアノ・トリオの演奏はここだけでも一聴の価値があります。
スタンダードが2曲並べられていますが、ミディアム・テンポで軽快に演奏される「 How Deep Is The Ocean」は、チェットのラッパが淡々とメロディを吹く中で、ドラマーのビートがより強調され演奏を鼓舞しており、後半ではジェニー・クラークのピチピチと歯切れの良いベース・ソロと、ドラムスのソロが挿入されています。
「Blue Gilles」はゆったりしたテンポで、チェットのオープン・トランペットによる演奏が奥深さを感じるし、続くピアノとベースのソロもじっくり聴くことが出来ます。

聴き終わっての感想ですが、バックのサポートも良く、チェットのミュート、オープンのラッパと、ヴォーカルが良い出来である演奏集です。

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チェット・ベイカーの諸作を聴く(SEPTEMBER SONGの続き CD)

2024-03-13 | JAZZ (CD)
前回掲載した「SEPTEMBER SONG」ですが、併せて同時期のセッションにおける他の2枚(CD)を取り上げました。

1枚目は、パリでのライブ録音です。
「LIVE AT NEW MORNING」Marshmallow (Century Records CECC 00420)

1. OUT OF NOWHERE(11分20秒)
2. MY FUNNY VALENTINE(12分48秒)
3. I REMEMBER YOU(10分55秒)
4. NEW MORNING BLUES(7分27秒でフェード・アウト)
Chet Baker (tp) Duke Jordan (p) Jesper Lundgaard (b) Leo Mitchell (ds)
録音 1983年11月24日

3枚の中では唯一ドラムスが加わっていることから、「OUT OF NOWHERE」や「NEW MORNING BLUES」の演奏において、よりリズミックで躍動感が感じられるところは良いのですが、少しラフな録音となっていて、ピアノは奥に引っ込んでいるし、ドラムスの音が少し大きく、4人のバランスが余り良くないのが残念です。
ピアノ・トリオの伴奏によりヴォーカルでスタートする「MY FUNNY VALENTINE」は、マイクから遠いこともあり、しょぼくれた弱々しい声で1コーラスを歌っており、続くデューク・ジョーダンのピアノ・ソロもチェットの歌に引きずられたように、ジョーダンらしからぬしんみりとしたフレーズで続いています。
その中で、イェスパー・ルンゴーのベース・ソロが光っており、後半はチェットがこれまた弱々しいラッパで締めくくっています。
続く「I REMEMBER YOU」も、チェットはヴォーカルでスタートしますが、スキャットを交えながらの声は早めのテンポで、まずまずの内容になっており、続くジョーダン、イェスパーのソロ順序も同じですが、チェット抜きのピアノ・トリオ演奏が良いです。


下は、3枚の中で最後となるオランダのクラブでの収録アルバムです。
「STAR EYES」 Marshmallow MYCJ-30090

1. WALKIN(13分15秒)
2. SOLAR(12分05秒)
3. STAR EYES(18分45秒)
Chet Baker (tp) Duke Jordan (p) Jesper Lundgaard (b)
録音 1983年11月28日

チェット・ベイカーにしては手慣れた選曲で、演奏時間はいずれも10分を超えており、この日の演奏はチェットのラッパが一番良く鳴っていることから、体調も良かったのだと思われます。
相方を務めるデューク・ジョーダンも何時になくハードなタッチで好演しており、3人がソロを取る度に聴衆が沸くところが捉えられています。
「WALKIN」でのチェットは、最初のテーマ部でミストーンもありますが、次々と繰り出すフレーズで6分近くを一気に吹ききっており、「STAR EYES」でも、テーマの後と、ピアノ、ベースの後のソロを合わせると11分を超えるワンマンショーを展開しています。
また「STAR EYES」は、ジョーダンが4小節のイントロを弾いた後チェットの出番となりますが、中間部もパラパラとスケールを淀みなく吹いており、ジョーダンはチャーリー・パーカーと演っていた時代のようなフレーズも出てきて、当日の3曲の中では一番張り切っているように感じられます。
また、イェスパー・ルンゴーのベースも骨太の音で2人を支えており、3曲共にソロも充実しています。

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1955年のチェット・ベイカー(CD)

2024-02-14 | JAZZ (CD)
これまで掲載してきたのは1959年から1960年代迄のレコーディング・アルバムでしたが、この先は1970年代後半以降となることから、レコードはここで一端ブレイクし、1955年録音の2枚(CD)を取り上げてみました。

1枚目は、アムステルダム・コンセルトヘボウとスケベニンゲン・クアハウスの2カ所でのライブを収録したもので、ピアニストにリチャード・ツゥワージクが参加していることからも貴重な録音でもあります。

「Concerts in Holland」 55 Records FNCJ-5607
 
録音 1955年9月17, 18日

最初にチェット・ベイカーによるメンバー紹介があり、「Indian Summer」は、2カ所の演奏が収められていますが、トランペットは初日が、ピアノ演奏は翌日の演奏が優れているように感じます。
ヴォーカル入りは、「But Not For Me」「My Funny Valentine」「Someone To Watch Over Me」の3曲となっていて、「My Funny Valentine」はピアノとベースをバックにしっとりと歌っていますが、サビの前で突然録音が切れてしまっていて残念です。
この1950年代当時、ジャズマンとドラッグは切っても切れないところがあった中で、オランダの演奏は、ベーシストを除く3人がドラッガーであったことから演奏にも異様な雰囲気が感じられ、強い個性を発揮するツゥワージクのプレイも聴き所の一つです。
また、一方のチェットは、相変わらずの柔らかい音と強い感情でプレイしており、その対比が演奏によくでています。


2枚目は、パリ録音による8曲のスタンダードが入ったプログラムで、上記のアムステルダムの後、パリで客死してしまったツゥワーディクに替わってジェラルド・グスティンがピアニストを務めています。

「Jazz in Paris」 Universal 014 378-2
 
録音 1955年10月24日

こちらのパリ録音盤は、そこにある曲を淡々と演奏しているだけでハッとするような場面は殆ど無く、イージーリスニングを聴いているような錯覚に陥りますが、最終曲の「I'll Remember April」のみがミディアム・テンポによる軽快な演奏となっており、このアルバムの中で一番の聴き所となっています。

この2枚の録音日は、1ヶ月足らずの差ですが、ピアニストが替わっただけで演奏の質が大きく違ってくる一例のようです。

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鈴木良雄トリオ(CD)

2024-01-10 | JAZZ (CD)
井上陽介、稲葉国光に続いて3人目の日本人ベーシストのアルバムは、鈴木良雄トリオです。

「FOR YOU」 ONE FNCJ -1001
 
 1. What Kind Of Fool Am I
 2. Soon
 3. Falling In Love With Love
 4. For You
 5. Roulette
 6. Witchcraft
 7. Summer Night
 8. Triste
 9. I Should Care
10. Darn That Dream
鈴木良雄 (b) 海野雅威 (p) セシル・モンロー (ds)
録音 2006年6月 NYC

これは、鈴木良雄が海野雅威を迎えてニューヨークで録音したもので、このCDの発売当時は、レコード収集が主体でCDはほとんど購入していなかったことから買い逃していて、その後長い間探し続けていたもので、昨年秋に入手しました。
鈴木良雄のベース・プレイは勿論のこと、海野雅威が参加していることで探していた中の1枚です。

このアルバムは、リーダーの鈴木良雄の他、CBSソニーで渡辺貞夫を始め多くの著名なジャズ・ミュージシャンのレコーディングを手掛けてきた伊藤 潔、ポリドール、ポリグラム、ユニバーサルでジャズを担当後、「55 RECORDS」を設立された五野 洋、そしてタモリの4人が設立した「ONEレーベル」の最初のアルバムで、1980年生まれの海野雅威の比較的初期の演奏が聴けます。

最初のコーラスがピアノ・ソロで始まる「 What Kind Of Fool Am I」は、海野がクラシックの曲のような雰囲気でスタートし、2コーラス目に入ってからはドラムスが加わって鈴木のベースがメロディを、その後もピアノとベースが交互にソロを取り合っていますが、鈴木の端正なベースが光る演奏です。
また、鈴木のオリジナルであるタイトル曲の「For You」は、美しいメロディの旋律で、これまた中間部でベース・ソロがありますが、ピアノとのマッチングも聴き所となっています。

ミディアム・テンポの曲は、すべてにおいて小気味よく、鈴木のベースは、木の温もりが感じられるような膨よかでありながらピッチも正確であり、3人のバランスもうまく釣り合っていて、良い雰囲気の演奏集です。


なお、新宿PIT INNの1月のライブ・スケジュール誌を手に入れましたが、ここには「鈴木良雄3DAYS」のライブの案内が掲載されていました。
この案内の写真を見る限り、チンさん(鈴木良雄)の頭髪は随分白いものが増えたように思います。


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稲葉国光のBASSIN'(CD)

2023-12-27 | JAZZ (CD)
稲葉国光は、1960年代後半以降、日野皓正のグループに参加していた頃から注目していたベーシストの一人ですが、これはベテラン・ベーシストが気心知れたゲストを迎えて作ったアルバムです。

「BASSIN'」 LITTLE PUMPKIN INBK - 2010
 
 1. YOU ARE MY EVERYTHING
 2. YOU STEPPED OUT OF A DREAM
 3. HI - FLY
 4. WELL YOU NEEDN'T
 5. YOU GO TO MY HEAD
 6. CONVERSATION #2
 7. A GHOST OF A CHANCE
 8. ESTE SEU OLHAR
 9. SWEET SENSATION
10. IN THE WE SMALL HOURS OF THE MORNING
11. ALONE TOGETHER
稲葉国光 (b) 山本 剛 (p) 岩崎佳子 (p) 
峰 厚介 (ts) 中牟礼貞則 (g) 関根秀雄 (ds)
録音 2010年8月5,6日

1曲目の「YOU ARE MY EVERYTHING」から「YOU GO TO MY HEAD」までの5曲と、「A GHOST OF A CHANCE」ではテナー・サックスの峰厚介が参加していて、これらのパートではベース・ソロは僅かとなっていて、まるで峰がリーダーのようなセッションになっています。
そしてサックスの音色はと言うと、アルト・サックスかと勘違いするような中・高音を中心としたプレイですが、リーダーは、といえば、「WELL YOU NEEDN'T」のようなアップ・テンポの曲も、「A GHOST OF A CHANCE」のようなしっとりとしたバラードも、常にペースを保って安定した音程でリズムを刻むところなど貫禄十分です。

ギターとベースのデュオで演奏される「CONVERSATION #2」を始め、8曲目以降はピアノ・トリオやそれに中牟礼貞則のギターが加わったカルテットとなっていて、ベース・パートがクローズ・アップされたり、ソロ・スペースも確保されています。
山本 剛のオリジナルである「SWEET SENSATION 」は、美しいメロディを持った曲でカルテットで演奏されますが、4人にソロ・スペースが与えられて充実した内容となっています。
また「 IN THE WE SMALL HOURS OF THE MORNING」では、山本の透き通る様に美しいピアノと、2コーラス目の前半をソロで受け持つ重厚なベース音のバランスがなんともいえず素晴らしく、その雰囲気を保ったままベース・ソロの「ALONE TOGETHER」へと続いて行きます。

このアルバムでの稲葉国光は、超ベテランらしく落ち着いたフィンガー捌きの中で、重厚なベースの響きが味わえる1枚です。

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井上陽介のBack To The Groove (CD)

2023-12-20 | JAZZ (CD)
レロイ・ヴィネガーに続いて、ベーシストの井上陽介の通算4枚目のアルバムです。

「Back To The Groove」M&I JAZZ MYCJ - 30343
 
 1. HAVANA DERAMS
 2. INTERPLAY
 3. MY FOOLISH HEART
 4. BIRDLAND
 5. MILESTONES
 6. WALTZ FOR DEBBY
 7. RETURNES
 8. SWEET AND LOVELY
 9. BACK TO THE GROOVE
10. WHEN LIGHTS ARE LOW
井上陽介 (b) 石井 彰 (p) 小山太郎 (ds)
録音 2005年3月8,9日

これは、井上陽介のオリジナルと、ビル・エヴァンス関連の曲を中心にしたプログラムとなっていて、彼がディヴ・ホランドを信望していることから、ここでもビートの利いた力強いプレイで通しており、エヴァンスのレパートリーからはスコット・ラファロを彷彿とさせる雰囲気も感じられます。

自身のオリジナルである「HAVANA DERAMS」と「BACK TO THE GROOVE」は、ホップするようなリズムが特徴で、一部ではラテンリズムも取り入れて軽快な演奏となっています。
「INTERPLAY」は、ピアノが先行し、後半でベースがソロを取りますが、小山太郎の4つをブラシでサクサクと刻むことで、演奏がグッと引き締まって聞こえます。
「MY FOOLISH HEART」は、ピアノによる長いイントロを経て、まずはベースがピチカットでメロディを弾き、バックでピアノがオブリガートを付けるという粋な出だしとなっていて、続く石井のピアノのアドリブが素晴らしく、再び井上がベースでメロディを弾いて演奏が終了します。
ザヴィヌル=ショーター・コンビで有名なウエザー・リポートの「 BIRDLAND」は、1曲丸々ベース・ソロでの演奏です。Youtubeには、彼が「Blue Monk」をソロで演っている動画がありますが、このアルバムの演奏はよりハードです。
また、この季節にふさわしい「Christmas Song」をピアノ・トリオで演奏していました。

話を元に戻して・・・、
「MILESTONES」は、ベースが先発で8小節のイントロを弾いた後、ピアノ・トリオによるアップ・テンポで且つ3人が夫々ソロを取りますが、このアルバムのハイライトを示す演奏となっています。
「WALTZ FOR DEBBY」は、ゆったりとしたテンポで最初の1コーラスを弓で弾いた後、テンポを速めてピアノ・トリオとなりますが、エバンス・トリオとは違って粋な演奏です。
「SWEET AND LOVELY」も軽快に飛ばしており、ここではドラムスがリム・ショットを交えながら全体を支配しているように感じます。

全体を通して、ベーシストがリーダーのアルバムとしては3人のソロ部分のバランスが良く、正に“Groove感”を感じられる内容となっており、石井 彰のピアノ・プレイも聞き応えがあります。

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アーメン・ドーネリアンのTRIO ’87(CD)

2023-12-13 | JAZZ (CD)
アーメン・ドーネリアンがノルウェーのミュージシャンとオスロで録音したアルバム

「TRIO ’87」 ODIN NJ 4024 - 2
 
1. SONG WITH NO NAME
2. CONCEPTION
3. BROKEN CAROUSEL
4. SEASONS' CHANGE
5. IN YOUR OWN SWEET WAY
6. SECRETS
7. COCKEYED BLUES
8. ANGEL EYES
9. METROPOLITAN MADNESS
ARMEN DONELIAN (p) CARL MORTEN IVERSEN (b) AUDUN KLEIVE (ds)
録音 1987年7月11日

アーメン・ドネリアンは、70年代末のデビュー当時はビル・エヴァンス派として注目されでいましたが、ここではノルウェーのミュージシャンとの共演で北欧の澄んだ空気感も感じられます。

彼自身のオリジナルが6曲入っており、その中では美しいメロディで北欧の澄んだ風景が感じられる「SONG WITH NO NAME」や、華麗なピアノとベースの対話が見事な「SEASONS' CHANGE」、そしてアップテンポで聴き手に向かってグイグイと迫ってくる「METROPOLITAN MADNESS」などが印象に残り、非常にバラエティに富んだ内容となっています。

また、オリジナル以外では、特徴あるアレンジで3者のインタープレイが見事な「IN YOUR OWN SWEET WAY」、そして、コードを積み重ねながらゆったりとしたテンポで情緒豊かに聴かせてくれる「ANGEL EYES」など、私にとってはこの後にリリースされた彼のどのアルバムよりも好きな1枚です。

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ドリュー・グレスの凡そ20年前の録音(CD)

2023-11-29 | JAZZ (CD)
ベーシストのドリュー・グレスの2004年の2管編成によるアルバムを聴きました。

「7 BLACK BUTTERFLIES」 PREMONITION RECORDS 90767
 
1. RHINOCEROS
2. BRIGHT IDEA
3. NEW LEAF
4. ZAFTIG
5. BAS RELIEF
6. BLUE ON ONE SIDE
7. WING & PLAYER
8. LOW SIUNG / HIGH STRUNG
9. LIKE IT NEVER WAS
DREW GRESS (b) RALPH ALESSI (tp) TIM BERNE (as)
CRAIG TABORN (p) TOM RAINEY (ds)
録音 2004年2月23, 24日

ニューヨークを中心に活躍しているメンバーでのセッションを記録した1枚で、凡そ20年前の録音ながら今聴き直してみても新鮮で、正統派でありながら新しい感覚のサウンドを聞くことが出来るアルバムです。
リーダーのドリュー・グレスは、ソロでもバックでもきっちりとしたビートを刻んでおり、5曲目の「BAS RELIEF」では59秒と短い演奏ですが、絶妙なベース・ソロを聴かせてくれます。
また、ジュリアス・ヘンフィルのDOGON A.D.を聴いてからジャズに傾倒していったと言うアヴァンギャルド・サックス・プレイヤーのティム・バーンは、ここでも随所で吹きまくっていますが、フリーキーな音をまき散らす訳でも無く、高いテンションでのプレイを維持しています。

一方、「WING & PLAYER」「LOW SIUNG 」及び「LIKE IT NEVER WAS」の3曲は、アレンジが施されたスロー・テンポで演奏されており、アンサンブルの部分とクライグ・タボーンのピアノが美しい響きを奏でていて、他の曲の「動」に対し「静」の演奏でうまくバランスを取っています。

なお、ドリュー・グレスについては、辛島文雄と共演したアルバム(CD)を、過去にここで取り上げています。
こちらもこの機会に聴き直して見ましたが、ジャック・ディジョネットとの3者の素晴らしい演奏を堪能しました。

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