あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

昨夜のトーク・イヴェント

2015-05-31 | JAZZ
昨夜は、都内のレコード・ショップ主催による古庄さんと中平さんの二人によるトーク・イヴェントに行ってきました。
当夜のお題は「RIVERSIDEレーベルを語る」でした。
 

トーク・ショーの開催前に、お断りしてお二人の写真を撮らせて頂きました。
次の写真からは、ノー・フラッシュのため、写真がブレていますが、ご容赦を。
古庄さんからはレジメにより、レーベルの生い立ちやオフィスの変遷について、丁寧にお話しくださいました。
一方、中平さんが持参したレコードは、全てミュージシャンのサイン入りで、これに纏わる経緯もお話しくださいました。
    

当日、会場で紹介されたレコードの一部を紹介します。
最初はビル・グロウアーと、オリン・キープニューズが協力して手掛けたRCAの X レーベルからの1枚(“X”LX-3000)、
内容はラグタイム風のピアノ・ソロでしたが、古庄さんのおっしゃる通り素晴らしい録音でした。

次はこのレーベルのモダン・ジャズ第1号であるランディ・ウエストン(p)と、サム・ギル(b)のデュオ、
一聴するとセロニアス・モンクの様でもありました。
(写真はいずれもピンボケですが、貴重なお話と演奏だったため、あえて掲載しました)
 

そして12インチの本格的なモダン・ジャズの名盤へ・・・
*CANNONBALLとEVANSの「Nnow What I Mean?」から「Waltz for Debby」
*BLUE MITCHELLの「Blue’s Moods」から「I’llClose My Eyes」(ジャケットにはDIGのトレード・マークの「耳」が)
*WES MONTGOMERYの「FULL HOUSE」からタイトル曲
*BARRY HARRISの「at The Jazz Workshop」から「Is You or Is You Ain’t My Baby」
   
 
お二人が揃ってベスト1に挙げたThelonious Monkの数々は、上手く写真が撮れませんでしたが、
当日は「With John Coltrane」と「Monks Music」の2枚から、同一曲の「Ruby, My Dear」を、
これに関するお二人の感想は、若造のColtraneと、貫録のHawkinsだそうで、会場の皆さん方も納得のご様子。
その他、レジメに掲載されているEVANSや、CANNONBALL等のレコードも紹介いただきました。


イベントも予定時間の2時間に近づき、少し延長しても良いと会場側から許可を頂いたので、ということで、
BARRY HARRISの演奏の次に掛ける予定の曲(レジメの最後の2枚)を準備していたところ、
〝グラ~〟と、大きな揺れが2回ほど続いて・・・ 
残念ながら、ここでお開きとなってしまいました。 (自然には勝てなく、ちょっぴり残念)

その後、急いで新宿駅まで出たところ、全ての列車が止まっていて、大混乱状態・・・
やっと家にたどり着いたところで、昨夜の報告をしています。

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にっぽん縦断 こころ旅から

2015-05-30 | 日記
現在NHKBSで放送中の番組「にっぽん縦断 こころ旅」
下のポスターは、なぜか栃木県小山駅で見つけました。


これは俳優の火野正平さんが、視聴者の手紙を元に、自転車で日本全国を駆け巡るものですが、
先週は埼玉県の所沢~鶴ヶ島~東松山~本庄の紹介でした。
その中の第2回、430日目、ついに我が家のご近所までやってきました。
NHK BSの「とうちゃこ版」の放送内容を紹介します。
  

当日は、高倉在住の方の手紙を元に、鶴ヶ島中学校裏から見る「田園風景」と「おっぱい山」の紹介でした。
  
   


そこで、やじうま根性を出した私は、どれどれと同じ場所を巡ってみました。
  

夕方になると、夜景と共に「おっぱい山」はこのように見えます。
14年9月5日の「夕日と夕陽」のコーナーでも紹介していました。
    

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阿部 薫の「演奏」(その2)

2015-05-28 | JAZZ
その2では、阿部薫のレコードを、
一部はCDで再発されたため既に手元から離れてしまい、この4種類だけ残っていました。

阿部の生前に発売された唯一のアルバム「なしくずしの死」と、後年発売された別テイク盤「北 NORD」
    
録音 1975年10月16日 入間市民会館(埼玉県)、10月18日 青山タワーホール(東京)
この2枚は共にホールとライブのカップリングであり、
「なしくずしの死」は非常に素朴な演奏で、全曲通して聴いてみても全く違和感は感じず、
中でもソプラノ・サックスによる2バージョンは、楽器の構造から致し方ないのか全く普通の演奏で、民謡風のフレーズも飛び出して、
一方の別テイク盤の方は、吉沢元治がベースとセロで参加していて、静寂な空間が多い演奏です。


こちらは未だ現役バリバリのドラマーSABUこと豊住芳三郎とのデュオ2枚、
「OVERHANG PARTY」と、その後発売された同タイトル(蝉文字)の共にライブ盤、
録音順からみると、後発の続編のほうが、先に録音されています。
    
録音 1978年2月25日、4月15, 30日 ライブハウス 騒
1978年8月5日 RAOYA、8月13日 GOODMAN
「OVERHANG PARTY」は阿部がこれまでに使用してきたあらゆる楽器が登場、
豊住の切れ味鋭いドラミングと、パーカッションが冴える演奏も、もっとアルト・サックスの演奏が聴きたいのが本音、
一方の「蝉」のほうは、最初から最後までアルト・サックス1本で、豊住と丁々発止のインプロビゼーションが展開される壮絶極まりない演奏です。 


その他、海外のミュージシャンとの即興演奏にも参加しています。
 
左側のミルフォード・グレイヴスのリーダー・アルバムは強者揃いの演奏集、
右側のディレク・ベイリーとのセッションは、2曲で高木元輝との2サックスによるもの、
この2枚は、リーダー・アルバムと違って阿部の演奏を堪能するところには至っていません。


1970年代に突如出現して、急いで生きた阿部薫の数々の演奏、
前回のCDも、このLPもただ彼の発する「音」を聴くだけで、何のコメントも無用です。

なお阿部薫は、ブロバリン98錠を服用して中毒死していますが、その辺のところは騒恵美子さんの著書「騒」に詳細に書かれています。

因みに歌手の坂本九は阿部薫の叔父(母の弟)だそうです。 (世の中狭いね)

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阿部 薫の「演奏」(その1)

2015-05-27 | JAZZ
阿部 薫(1949年5月3日 - 1978年9月9日)
29歳の若さでこの世を去ったフリー・ジャズ・プレイヤー、
アルト・サックスの他、ソプラノサックス、バスクラリネット、ハーモニカ、尺八、ギター等をプレイした録音が残っています。

先頃発売された1枚のCD、
38年前にライブ・スポット「八王子アローン」で録音された阿部 薫を含むセッション、
アルト・サックス1本によるソロが多い中で、井上敬三、中村達也とのトリオによる音源が出てきました。
彼の発する「音」については、これまでその大半を聴いてきましたが、ここに新たに1枚が加わりました。

この音源は、日本を始めヨーロッパのコンテンポラリー・ジャズの企画や評論で著名な副島輝人さんが所有していたカセット・テープからCD化されたものです。
「Live at 八王子アローン」 DIW - 3044

録音 1977年9月3日

中村達也のドラム・ソロの後を受けて、井上、阿部の順で2本のアルト・サックスがさく裂、
2本のサックスを聴き分けるのは、唯一マウス・ピースの違いのみということだそうで、井上がエボナイト、阿部がメタルで共に絶叫・・・
最後は2人の音の絡みがあって、凡そ20分のパフォーマンスが終了。


久し振りの新たな音源の登場なので、ここで改めて現在所有している彼のCDを整理、
録音順に左上から右へ・・・


現在入手可能な最初の音源は、1970年3月15日の新宿ピットイン・ニュー・ジャズ・ホールからのものです。
2列目のカラー・ジャケットの3枚は、1971年10月~12月にかけて東北の3か所(一関ベイシー、秋田大学、東北大学)で行った実況録音で、西田佐知子、ダミア、ボブ・ディランの曲が全く人格を替えて登場しています。
右下のミニCDは、この3枚を購入するとおまけで付いてきたもので、東北大学で演奏された「恋人よ我に帰れ」を収録。
「ラスト・・・」とされる最後の2枚は、78年8月28~29日の文字通り死の10日前の演奏で、少しも衰えをみせていないパフォーマンスを展開。

これらの「音」はスピーカーを通して聴くことはあまり無く、大半がヘッドフォンを利用していますが、一度でも彼の「音」を体験されたことがある人は、その意味がお分かりとお思います。


なお、今は無き初台のライブ・ハウス「騒」でのソロ音源は、10枚組+1として発売されています。
これに関する事情は、ライブ・ハウスのオーナーであった騒恵美子さんが1冊の本にして出版しています。

録音 1977年9月~78年8月
+1のボーナス・トラックのみ豊住芳三郎とのデュオです。

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私の愛聴盤 (第64回)

2015-05-24 | 私の愛聴盤
第64回はフィニアス・ニューボーン・Jrの「ヒアー・イズ・フィニアス」です。

Phineas Newborn, Jr. (1931年12月14日 – 1989年5月26日) テネシー州ホワイトビル出身

ジャズ・ピアニストの中でも、最も正統的で優れたテクニックを持っていたフィニアス・ニューボーンJr.、
左手で右手と同じアドリブが弾け、先輩格のアート・テイタムの流れを組むピアニストとして、デビュー当時から注目されていましたが、不幸にして神経・精神上の病気のため、後年は断続的な活動となっています。
そのような理由から、あまり多くないレコーディングですが、その中で一際輝いている彼の初リーダー作が今回のアルバムです。
「HERE IS PHINEAS」 ATLANTIC 1235
  
1. BARBADOS
2. ALL THE THINGS YOU ARE
3. THE MORE I SEE YOU
4. CELIA
5. DAHOUD
6. NEWPORT BLUES
7. I’M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
8. AFTERNOON IN PARIS
PHINEAS NEWBORN Jr.(p) OSCAR PETTIFORD(b) KENNY CLARK(ds) CALVIN NEWBORN(g)
録音 1956年5月3、4日

このレコーディングは、フィニアスがテネシーからニューヨークへ移って直ぐに、2日間に渡って行われています。
解説によると、全部で12曲演奏されたのですが、フィニアス自身の意見で8曲が選択されたようです。
また、最初の日のセッションにはフィニアスの弟で、ギタリストのカルヴィン・ニューボーンが4曲で参加しています。(こちらは影が薄い)
アルバムの内容は、ジャズ・マンのオリジナル曲とスタンダードの2曲、自身のオリジナル・ブルースで、高音の使い方も上手いです。

このアルバムは、デビューにして完璧な演奏を披露している名演奏集です。

上記はモノラル盤ですが、このレコードのステレオ・バージョンもあります。
「HERE IS PHINEAS」 ATLANTIC SD 1235
  

2種類のレコードを聴き比べた結果、モノラル盤は、ベースの粒立ちが良くしっかり聴こえるのに対し、ドラムスの音が小さめでした。
一方、ステレオ盤はピアノを中央にベースが後ろに配置され音が引っ込んでしまっていて、ドラムスは右寄りでした。
またピアノ音は、ステレオ盤が広がりがあるため線が少し細くなるものの、比べて聴かなければ分からない程で、いずれも優秀録音でした。

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前衛ミュージシャンの演奏するニューオリンズ・ジャズ

2015-05-23 | JAZZ
ドイツの前衛ミュージシャン達による古典的演奏集で、タイトルの「ジェリー・ロール」とは、1920年代にニューオリンズ~シカゴ~ニューヨークで活躍したニューオリンズ出身のピアニスト兼作曲家の名前です。
ことの始まりは、イタリアのテレビ局が「ジェリー・ロール・モートン・プロジェクト」の一環として、アレックス(*)にモートン作品のアレンジを依頼したことによります。 (*) アレックス:ALEXANDER VON ScHLIPPENBACH
凡そ35年前にライブ録音したものが、ドイツFMP傍系レーベルのSAJから発売されています。

「JELLY ROLL」 SAJ-31
   
1. BLACK BOTTOM STOMP
2. NEW ORLEANS BLUES
3. KING PORTER STOMP
4. THE PEARLS
5. WOLVERINE BLUES
6. MR. JELLY LORD
7. DEAD MAN BLES
SOLOISTS:
GERD DUDEK(cl) BOB STEWART(tub) ALEXANDER VON ScHLIPPENBACH(p) BRUNO TOMMASO(b) PAUL LOVENS(ds)
録音 1980年5月31日 ROMEでのライブ

ここでの演奏は、いずれもしっかりアレンジされていますが、バックのオーケストラとソロとの調和も見事な演奏で意外と面白いです。
ソリスト達は前衛ミュージシャン、バックのオーケストラはイタリアンとなっています。
クラリネットやチューバを入れた楽器編成で、ソロ奏者のクレジットの他に、曲によってはオーケストラからの奏者も参加しています。
各々ソロを取る奏者は基礎がしっかりしているので様になっているし、時々ピアノでソロを取るアレックスも、ここでは完全にラグタイム奏者に徹しています。
期待したハプニングは皆無で、演奏は全曲に渡りニューオリンズ・スタイルのトラディショナル・ジャズそのものでした。

最終曲の「デッド・マン・ブルース」では、ニューオリンズの伝統であるジャズ葬式で演奏される「ニューオリンズ・ファンクシャン」が最初と最後に演奏されています。
このニューオリンズ・ファンクションは、偶然にもルイ・アームストロングが行った1947年のカーネギーホール・コンサートを収録したイタリア製のレコードの最初にも収められていました。

古典的なジャズを新しい感覚で、いい音で聴く、
こういう聴き方も、気分転換になります。

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森山良子の「日付のないカレンダー」

2015-05-21 | 演歌・ポップス
1976年に製作された、森山良子の1枚のレコード「日付のないカレンダー」

元はと言えば・・・
彼女のデビュー45周年記念作品として、松本隆氏が全曲の詞を書き、著名な人達がそれぞれ曲を付けて出来上がった作品です。
このアルバムは、2011年の秋に開催されたオーディオ・ショーで紹介されて知ったのですが・・・
それはなんとセーラー万年筆株式会社が制作したガラスCDでした。

オーディオ・ショーで紹介されるのだから当然と言えば当然ですが、録音が良かったので一度聴いて見たいと思いましたが・・・
ガラスCDは10万円近くもする超高額品で手がです、それならLP、CDをと探してみたのですが、いずれも既に廃盤でした。
やむなくネットで、廉価盤の再発CDを定価以上の価格で入手し、これまで愛聴してきました。

そして、オリジナルのレコードも好録音盤との評判だったので、その時以来探していましたが、最近になって手元へ・・・

「日付のないカレンダー」 フィリップスレコード FX-6056
   
Side 1
1. 小さな歴史
2. 中央線あたり
3. キングストンの街
4. かなしみの背表紙
5. DISNEY MORNING
6. 子供たちに教えなさい
Side 2
1. バス通り裏
2. いじっぱりな雨
3. グレイの背広
4. 心の休暇
5. 待宵草
6. ある微笑
作詞 松本 隆
作曲 森山良子、森田公一、大野克夫、細野晴臣、岩沢幸矢、財津和夫、尾瀬一三、筒美京平

この1~12曲はそれぞれ1月~12月となっていて、良い曲が揃っています。
このアルバムが生まれた1976年頃は、中央線沿線に住んでいたこともあり、特に2曲目の「中央線あたり」は懐かしい響きです。
曲の最後に入っている列車の通過音も効果があります。
先のオーディオ・ショーでの説明では、ソニーのデンスケで拾った音を挿入しているとのことでした。

LPとCDを聴き比べて評価はしませんが、このレコード、バランスが良い好録音盤です。

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2015年の富士山 (5月第2回)

2015-05-18 | 富士山
先週5月の富士山を掲載しましたが、ある人から「何時もの場所からのススキが邪魔だね」とのお言葉をいただきました。
そんなことから、もう一度同じ場所を中心に撮り直してみました。

何時もの場所から少し前進したところ、田植え前の水を張った田んぼで「逆さ富士」を見ることができました。
  

それならと、もう少し良い構図を求めて数m動いてみました。
  

右上の電線が少し邪魔になりますが、こちらも良い構図・・・ だと思います。
  

まだ少しですが、黄色い菜の花も残っていました。
 

今日は前線の影響で、この後数時間で曇となりました。
今夜から明日にかけては「雨」予報です。

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ホワイノットレーベルのテッド・カーソン

2015-05-17 | JAZZ
「WHYNOT」レーベル第2期のシリーズから、続いてはベテランのテッドカーソンを、
過去にセシル・テイラー、チャールズ・ミンガス、エリック・ドルフィーらとのセッション経験もある進歩的トランペッターで、将来を有望視された人でしたが、64年に渡欧してからはあまりパッとしなくなっていました。
このアルバムのプロデューサーである悠さんのコメントによると、そのカーソンがヨーロッパ生活を経て米国に戻ってきた後、76年のニューポート・ジャズ祭の出演機会を捉えて、彼のリーダー・アルバムを作ることを決意し、ワン・ホーンで、しかもベース奏者にセシル・マクビーを起用することを条件として本人と交渉した結果、このアルバムが出来上がったのだそうです。

これが発売された当時、
久し振りにテッド・カーソンの新譜が聴けるということで話題となった1枚ですが、聴き込むほどに味わいが増す好アルバムでもあります。
「BLUE PICCOLO」 トリオレコード PA-7153
  
1. ALL THE THINGS YOU ARE
2. BLUE PICCOLO
3. PLAYHOUCE MARCH
4. SONG OF THE LONELY
5. DWACKDI MUN FUDALICK(Open The Door)
TED CURSON(tp, flh, pocket tp) JIM McNEELY(p) ECIL McBEE(b) STEVE McCALL(ds)
録音 1976年7月1日 ヴァンガード・スタジオ N.Y.C.

テッド・カーソンはクリフォード・ブラウンを尊敬していたので、一聴するとクリフォード・ブラウンのフレーズに似たところも聞こえてきます。
全5曲において、トランペットの他に、2曲目でポケット・トランペットを、また4曲目でフリューゲル・ホーンを吹いています。
ポケット・トランペットの演奏を聴くのは、このアルバムが初めてですが、4本のバルブがあり、通常のトランペットより上下1オクターブ広域の音を出すことができるのだそうです。
そして、2曲目の「ブルー・ピッコロ」で披露されているその音は・・・、
一般的にトランペットと言われるB♭管の音を潰したような鈍い音がします。
この曲のもう一つの聴き所は、悠さんがあえて指名したセシル・マクビーのピチカットとボーイングのソロであり、深い音のベース音を好録音でたっぷり聴くことができます。
このセッションでは、スタンダード曲が2曲録音されているのですが、本アルバムでは「オール・ザ・シングス・ユー・アー」が収録されていて、カーソンは歌心豊かな演奏を披露しています。

もう一つのスタンダードはセロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」で、こちらは当時3枚購入するともらえたボーナス盤に収録されています。
4曲入りのレコードのトップに配置されていることからしても、このシリーズにおけるテッド・カーソンの位置づけが良く分かります。
そこで、2つのスタンダード曲を比較してみましたが、冒頭に収録されているほうが出来は良く、納得の内容でした。
「WHYNOT SPECIAL」 トリオレコード TD-24
  
*ROUND MIDNIGHT
TED CURSON(tp, flh, pocket tp) JIM McNEELY(p) CECIL McBEE(b) STEVE McCALL(ds)

このアルバム、2000年には更に+3となり、全8曲としてCDで発売されています。
「TED CURSON / BLUE PICCOLO +3」 ブライエイト・レコード P.J.L MTCJ 2011
 
「+3」の追加曲
1. TED TEMPO
2. ROUND MIDNIGHT
3. GARY G
このCDで初出となった「テッド・テンポ」と「ゲイリー・G」、
いずれもアップ・テンポの曲で、ピアニストのジム・マクニーリィも熱演していますが、全体のバランスから考えて、収録時間に制限があるLPでは除外されたのだと思います。


前回のチャールス・サリバンと、ここでのテッド・カーソン、
2人のトランペッターは、夫々個性的でいい味を持っており優劣付けがたいですが、バックを務めるリズム陣はテッド・カーソン・グループのほうが新しい感覚を持っているように聞こえます。

今は無き「TRIO RECORDS」、そして本職は評論家ですが、全アルバムのプロデュースを担当した悠雅彦氏、
このシリーズのセールスは決して芳しくなかったと思われますが、こうして記録として残してくれたことに意義があります。
そして、それぞれ「感謝!」のアルバムです。

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ホワイノット・レーベルのチャールス・サリバン

2015-05-16 | JAZZ
「WHYNOT」レーベルの第2期、
最初のシリーズは、辛島文雄のデビュー作「ピラニア」を除いては味も素っ気もないワンパターンのジャケッドであり、内容が良いだけに購入意欲をそがれた感もありました。
それが第2期のシリーズになると、装いも新にリーダーの写真を中心にしたジャケットに切り替えて発売されました。(お金も掛ったと思います)
   

その第2期のシリーズの中に、前のページで取り上げたソニー・フォーチューンのアルバムに参加していたチャールス・サリバンのリーダー作があります。
これはこのレーベルのプロデューサである悠雅彦さんがストライタ・イースト・レーベルのチャールス・サリバンを聴いて、彼の演奏をもっと聴いてみたいと願い、実現したレコーディングです。
A面(2曲)はカルテット、B面はジャッキー・マクリーンの息子のルネ・マクリーンを加えたクインテットとなっていて、しっかりアレンジされた演奏となっていますが、2種類の違ったサウンドが楽しめる素適なアルバムです。
「RE-ENTRY」 トリオレコード PA-7152
  
1. RE-ENTRY
2. BODY & SOUL
3. CAREFREE
4. WALYZ FOR CRICKET
5. MABE’S WAY
CHARLES SULLIVAN(tp) RENE MCLEAN(as, ts)Only No.3~5  
KENNY BARRON(p) BUSTER WILLIAMS(b) BILLY HART(ds)
録音 1976年8月17日  C.I. スタジオ N.Y.C.

チャールス・サリバンは、他のトランペッターに比較して線が細く、ハイ・ノートを多用するところに特徴があります。
このアルバムは2作目のリーダー作ですが、自身のオリジナルもスタンダードの解釈も、優れたものを持っています。
カルテットで演奏される2曲目の「身も心も」は、無伴奏のイントロからスタートし、徐々にフェイクしクライマックスへと持ち込んでいく演奏は美しく、これを支えているケニー・バロンのピアノ・ソロも見事です。
ミュート・プレイが聴ける4曲目のワルツは、4拍子の曲かと錯覚するようなスムースな流れの演奏で、途中でスタンダードである「ホワッツ・ニュー」のフレーズも挟む余裕さえ持っています。
マクリーンは3曲目でアルト・サックスを吹いていますが、父親に似たフレーズは、ちょっと笑ってしまいます。
5曲目はテナー・サックスに持ち替えてのプレイですが、アート・ペッパーや、リー・コニッツ同様、楽器を替えてもフレーズは殆ど同じであることは、当然の結果かもしれません。

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