あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

トーマス・スタンコの新譜

2024-07-28 | JAZZ
ポーランドのトランペッターであるトーマス・スタンコのECMからの新しいアルバムを聴きました。
新譜とはいえ、彼は2018年7月に享年76で他界しており、凡そ20年前の独ミュンヘンでのライブ音源です。

「September Night」 ECM 2650
  
1. Hermento’s Mood
2. Song For Sarah
3. Euforia
4. Elegant Piece
5. Kaetano
6. Theatrical
Tomasz Stanko (tp) Marcin Wasilewski (p) Slawomir Kurkiewicz (b) Michal Miskiewicz (ds)
録音 2004年9月9日

トーマス・スタンコのアルバムは、過去に70年代のトーマス・スタンコ・カルテットとして取り上げていて、この時は全てピアノ・レスでしたが、今回はピアニストであるマルチン・ボシレフスキ・トリオとのセッションです。
トーマス・スタンコのトランペットの音色は、アート・ファーマーのようにソフトでありながらも独特の音色を持っており、それは「Song For Sarah」のような美しいバラード演奏に表われています。
また、ピアニストのマルチン・ボシレフスキは、いかにもヨーロッパ的な音色であり、スタンコのラッパに上手く溶け合っています。
その中で、「Euforia」はベースのソロにドラムスが絡むところからスタートし、このアルバムの中では4人による一番力強いプレイで、スタンコらしさが良く出た演奏となっています。

なお、このアルバムのエンジニアは、ステファーノ・アメリオで、ECMのサウンドが彼の手によってどのように響くかも興味がありましたが、以前掲載したアレッサンドロ・ガラティの新譜を踏襲している音作りのように感じました。
しかし、このレコードの唯一の不満は、片面の収録時間が21~25分あるにもかかわらず、音溝の刻まれていないデッドワックス部が幅広く取られていることから、もう少し盤面を広く使ってカッティングしていたら、より素晴らしい音が再生出来たのではと思わざるを得ません。

 


このアルバムを聴いた後、手元にあったマルチン・ボシレフスキ・トリオ(シンプル・アコースティック・トリオ)の2枚のCDも久しぶりに聴き直してみました。

「Habanera」(MW712-2)    「Simple Acoustic Trio」(Z091)
 

「Habanera」は1999年9月の録音ですが、当時は日本でヨーロッパのジャズ・ピアノ・トリオが流行っていた時期でした。
また、「Simple Acoustic Trio」は、1996年にスペインで開催された「20th GETXO INTERNATIONAL JAZZ FESTIVAL」の模様を収録しており、2枚のCDには「Habanera Excentrica」が共に入っています。
よって、改めてこの曲の演奏を比較してみましたが、ハバネラの方はベースとドラムスの2人による眺めの演奏があり、幻想的なイントロからスタートしており、ライブの方は、ベースがまるでギターのような音色でハバネラのリズムを奏で、それに乗ってピアノが力強いメロディを奏でていました。

そして、ハバネラの方はトーマス・スタンコの作曲による「Green Sky」が美しいバラードで、全曲を通して美メロによるヨーロッパのジャスを感じさせていました。
一方のライブの方は、同じポーランド出身の医者で、作曲も行い更にジャズ・ピアニストでもあるクシシュトフ・コメダの曲を3曲取り上げていて演奏にも現代的な息吹を吹き込んでおり、また、カーラ・ブレイの「King Korn」では、ゴツゴツした特徴あるメロディをベースと対話しながらの演奏していて、これも一聴の価値ある内容となっていました。

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2024東京インターナショナル オーディオショウ(2/2)

2024-07-27 | 日記
昨日投稿したオーディオショウの続きで、ガラス館4階とD棟5階、それに1階の1社を報告します。
 

ガラス館4階の最初はアキュフェーズのブースで、入室した時は、インテグレーテッドアンプのE-700を使ったシステム構成の紹介がありました。
 
そして、2種類のスピーカーでのデモを行っていました。
色々なジャンルのCDを間近で聴くJBL4349からの音は素晴らしく、中でも山本剛のピアノをバックに「 I Let a Song Go Out of My Heart」を歌う韓国のHaewon Moon (ヘウォン・ムーン 文慧媛)の再生音には惚れ惚れしました。
 

ノアのブースには、多くの海外からの数多くのスピーカーの他、レコードプレイヤー、レコードクリーナーの展示がありました。
 


続いてラックスマンのブースへ、
ここでは、和田博巳さんがアナログのソースについて力説しており、フランス製スピーカー「FOCAL」で音出しが行われていました。
 
入口にはターンテーブル(PD-191AL)とトーンアーム(LTA-710)が展示してありました。
係員の方に訪ねたところ、PD-171については、トーンアームやモーターを製造するメーカーが無くなってしまって、サポートが出来なくなっているとのことでした。


珍しいところでは、アークジョイアからエストニア製のスピーカー「Estelon」でデモが行われていました。


また、PROSTO社からはデンマーク製のスピーカー「PEAK」による音出しが行われていました。


その後、ブリッジを通ってD棟へ行きました。
エイ・アンド・エムのブースでは、写真を1枚撮っただけでした。
  

らせん階段を上がって、5階のヨシノトレーディング(福岡県のメーカー)のブースへ、
ここでは運良くマイルスの「RELAXIN'」のオリジナル盤の紹介があり、最近のオリジナル盤の入手事情についても話されていました。
音出しは、1曲目の「If I Were A Bell」でしたが、コルトレーンのサックスの音が余り尖らずに心地良いサウンドとなっていました。


今日歩いた中では、最大のコストと仕掛けだったのがこのアクシスのブースで、米国とEUからのユニットを数多く展示・紹介していました。
掛かったプログラムは、マーラーの交響曲第3番で、冒頭のブラスの響きが壮大で、まるで演奏会場にいるようでした。

下のレコードプレイヤーはデンマーク製のBergmann、インテグレーテッドアンプとプリアンプは米国製のDan D'Agostino、そしてスピーカーはスコットランド製のFyne Audioです。


オーディオショウ見学の最後は、D棟1階のハーマン・インターナショナルのブースで、JBLの小型モニターである4309とサブウーハーの組み合わせでの音出しで、ここでもエレクトリ社にあった音響効果を上げるといわれるAcoustic Grove Systemを採用していました。
その中で、最初に聴いたイーグルスの「Hotel California」のライブ・バージョンにおけるイントロ(アコーステック・ギター)の再生は、素晴らしい音がしていました。
 

午前11時過ぎから午後4時まで駆け足で回りましたが、海外の優良製品の多さが目につきました。
そして、次回は2日間掛けてめぼしいブースでじっくりと聴いて見たいと思いました。
平日でありながら大勢の人が来場していましたが、私を含めてロートルが多く若い人は少なかったです。(殆ど見当たりませんでした)

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2024東京インターナショナル オーディオショウ(1/2)

2024-07-26 | 日記
7月26日(金)から3日間、東京フォーラムでオーディオショウが開催されるので、初日に行ってきました。
時間的な制約もあり、5階、4階、それに1階のお目当てのメーカーを中心に回りました。

  

最初に入ったのは5階のディーアンドエム ホールディングス(マランツ)のブースで、入室した時はネットワークオーディオのデモ中でした。
同じソースをアナログと光入力、それにAmazonのインターネット回線からで比較していて、光入力による音源はアナログに比べて音が際立っていながら膨よかな音でした。
英国製のフロア型スピーカー(Bowers & Wilkins)もセットされていましたが、タイミング悪く聞くことは出来ませんでした。
 

続いてのトライオードのブースでは、山崎社長の姿もありました。
最近発売されたEVOLUTIONシリーズの紹介において、MUSASHIのパワーアンプ部と真空管プリアンプの組み合わせで鳴らしていて、CDによるドビッシーのピアノ曲「月の光」は良かったです。
正面には、JUNON845SEが参考出品として展示してありました。


オルトフォンのブースでは、カートリッジを交換しながら同じ曲を聞き比べていました。
ジャズのソースは、オスカー・ピーターソン・トリオの「WE GET REQUESTS」のレコードで、SPU GTXSとSPU GTXE、そして特別にMC Diamondでも鳴らしていましたが、ジャズのソースにはSPUの音の方がガッツがあって好みでした。
また、全カートリッジを一同に集めたパネルは壮観でした。
 

協同電子エンジニアリング(フェーズメーション)は、現在このメーカーのカートリッジを使用していることもあり興味を持って入りましたが、客はまばらで、パッとしませんでした。
PPシリーズのカートリッジとアンプ類が全機種展示してありました。


エレクトリのブースは、なんと言っても「MclNTOSH」のアンプ類で、フロントパネルのブルーライトは壮観でした。

デモは2種類のスピーカーで行っていて、小型の「ATALANTE 5」がヨーロッパらしく落ち着いた音で気に入りました。
また、スピーカーの後方の壁には、部屋の音を整える効果(音響効果)があるという棒状の衝立(Acoustic Grove System)が配置され、これの有無の比較も行っていました。


リジェール(スフォルツアート)は2009年創業の新しい会社で、ネットワークオーディオを中心に開発・製造・販売を行っているのだそうで、その辺の経緯は小俣社長が説明されていました。


以上が、ガラス館5階の主なブースであり、残りは次に続きます。

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2024年7月の富士山

2024-07-23 | 富士山
連日、登山客で賑わう富士山、
深夜2時過ぎに、たまたま外を見たら山頂付近に月があり、吉田口の山小屋の灯も綺麗に見えました。
1枚目の写真を撮った時は山頂に雲が掛かっていましたが、直ぐに消えてしましました。

  

下の1枚目は、午前5時前の朝日が山に当たった時と、その後です。
今朝は、快晴だったことから、登山者の方たちは素晴らしいご来光を堪能したのではないでしょうか。
連日の暑さで、麓からは残雪が全く見えなくなっています。

  

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私の愛聴盤(第194回)

2024-07-21 | 私の愛聴盤
第194回は、フランク・ウエス&ローランド・ハナによるニューヨーク・ジャズ・カルテットです。

「FRANK WESS - ROLAND HANNA」 AMIGA 855 718
  
1.Surge
2. Placitude
3. Big Bad Henry
4. 87th Street
5. What, Dose It Matter?
6. Tee Piece
Frank Wess (fl, ts, ss) Roland Hanna (p) George Mraz (b) Richard Pratt (ds)
録音 1977年2月19日

ニューヨーク・ジャズ・カルテットは、1972年から1982年までの10年間に活動したグループで、創始者はピアニストのローランド・ハナでした。
このレコードは、西独のenjaから発売されている「SURGE」の東独盤で、1980年7月にハンガリーに出張した時に、一緒に仕事をした現地社員のお父様から頂いたもので、毎年この時期になると当時の事を思い出しながらターンテーブルに乗せています。

当時は、ベルリンの壁の崩壊前で、ドイツが西側と東側に分断されていましたが、ハンガリーの人々にはとても親切にして頂いた懐かしの1枚で、毎年この時期が来ると当時を回顧しながら1度は聴いています。
下の写真は3枚を繋ぎ併せたもので、大分古ぼけてしまいましたが、出張時にブタペスト市内を撮ったもので、今でも自宅の壁に掛けてあります。
中央を流れるドナウ川と、夜になると照明が美しいチェーン橋を挟んで、左がブダ地区、右がペスト地区です。




アルバムの内容は、ベテラン4人による充実した演奏集で、フランク・ウエスはサックスとフルートを使い分けており、タイトル曲の「Surge」はフルートで軽快にスタートし、ピアノ、ドラムスとソロがリレーされますが、再びウエスに戻る時はソプラノ・サックスに持ち替えており、全体を通してカチッと締まった録音が何とも心地いい1曲です。
バラードによる「Placitude」はアルトフルートで、広大な大海原を想像するような演奏が繰り広げられていて、それをローランド・ハナのピアノが一層強調しています。
ジャズ・ファンクとも言うべき「Big Bad Henry」は、独特のリズムに乗って、テナー・サックスによるブローと、中間部でソロを取るジョージ・ムラーツのフィンガリングがカッコイイです。

このアルバムでドラムを叩いているリチャード・プラットの作品である「87th Street」は、再びアルトフルートに持ち替えて、ドラムスのジャンプするリズムの上をなめらかで滑るようなソロを展開しており、この対比が何とも言えず素晴らしいです。
「What, Dose It Matter?」は、「You don’t know what love is」の断片が織り込まれたテーマのような部分も散見されますが、ウェスのテナーは、ペタペタと地を這うような独特の音色で、ベニー・ゴルソンがプレイしているような感覚の演奏となっています。
最終曲の「Tee Piece」は、フルートによるアップテンポの演奏でスタートしますが、ピアノ・ソロを挟んでテナー・サックスに持ち替えたかと思うと、最後は再びフルートで締めくくっています。


下は、西独盤の「SURGE」(enja 2094 )のジャケットで、比較的地味な演奏集にもかかわらず、内容は素晴らしいアルバムです。



ちなみに、この年の7月は、社会主義国で始めてオリンピックが開催された年(1980年(昭和55年)7月19日から8月3日までの16日間)ですが、7日にモスクワ経由でローマに行き、そこからハンガリーの航空機でブタペスト入りしました。
トランジットでモスクワに着いた時は、乗客全員が一端飛行機から降ろされてパスポートも取り上げられたため、この先どうなるかと思いました。
このモスクワ・オリンピックは、ソ連のアフガニスタン侵攻により多くの国が、オリンピックをボイコットしたため、日本も金メダル候補であったマラソンの瀬古や、柔道の山下が参加出来なかったことで、今でも語り継がれています。

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ソニー・ロリンズ・トリオ(1967年)

2024-07-14 | JAZZ
ソニー・ロリンズの1967年(5月)の貴重な音源、
IMPULS時代の最終アルバムである「East Broadway Run Down」(1966年)と、Milestoneの「Next Album」(1972年)の間を埋める演奏集で、このアルバムは2020年秋のBLACK FRIDAYで発売されたものですが、ドラマーのハン・ベニンクをリサーチしていたところ、これが目に留まったので、聴いて見たいと思い探してみました。
レコードは3枚組で、同じメンバーによるピアノレス・トリオからなり、オランダでのスタジオ録音とライブ・レコーディングが収録されています。

「ROLLINS IN HOLLAND」KKJ 10002
  
  
1. Blue Room
2. Four
3. Love Walked In
4. Tune Up
Sonny Rollins (ts) Ruud Jacobs (b) Han Bennink (ds)
スタジオ録音 1967年5月5日

1. Sonnymoon for Two
2. Love Walked In
3. Three Little Words
4. They Can't Take That Away From Me
5. Sonnymoon for Two
6. On Green Dolphin Street
7. There Will Never Be Another You
8. Love Walked In
9. Four
Sonny Rollins (ts) Ruud Jacobs (b) Han Bennink (ds)
ライブ録音 1967年5月3日

このアルバムのレーベルは、多くのビル・エヴァンスの発掘音源でも知られているResonanseで、オランダ出身の2人のリズム陣を従えてのもので、演奏は勿論のこと、スタジオでステレオ収録されている最初の4曲が素晴らしいです。
というのも、ロリンズを中央に、左寄りにベース、右寄りにドラムスが配置されていて、豪快で膨よかなロリンズのサックス音がしっかり収録されているからで、往年のロリンズは本当に素晴らしく、このスタジオ録音はその再現演奏となっています。

そのスタジオ録音ですが、ゆったりとしたテンポで、一聴してロリンズと分かるサックス音と、ハン・ベニンクのブラッシュ・ワークが素晴らしい「Blue Room」の演奏からスタートします。
続いて、アップ・テンポでルード・ヤコブスのランニング・ベースが大きくフューチャーされる「Four」に移り、後半ではロリンズとベニンクの4バースを経てテーマに戻っています。
「Love Walked In」はミディアムで、朗々と歌い上げるロリンズの演奏をたっぷり聴くことが出来るし、「Four」は3人の夫々ソロ・スペースが割り当てられていて、特にベニンクはドラムスを駆使して力演しています。

一方のライブは全てモノラル録音で、スタジオ録音に比べて音質は落ちますが、こちらもロリンズのパフォーマンスは素晴らしく、彼のオリジナル曲の断片や、ナット・アダレィの「ワーク・ソング」などを織り交ぜながら、様々なフレーズが淀みなく湧き出てきています。
なお、このアルバムでドラマーを務めているハン・ベニンクは、1960年代後半以降、ヨーロッパの前衛シーンでの活動が注目を集めますが、この収録はその一歩手前の演奏で、これも貴重な一コマとなっています。


アルバムには、演奏時のフォトを多く含んだ英文解説と和訳の冊子が付いているので、フォトの3枚を掲載しましたが、これを眺めながらだと、この演奏集を更に興味深く聴くことができます。

   

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中本マリのライブに行ってきました。

2024-07-12 | JAZZ
昨夜(7月11日)、富士吉田市のジャズ・ハウス「ON LAVA」で開催された『中本マリと福井ともみ』のデュオ・ライブに行ってきました。
ライブの後、凡そ100㎞離れた自宅まで戻ったことから帰宅が遅くなったので、今日の掲載になりました。

  

開演は午後7時で、6時30分開場ということだったので、6時40分頃行ったところ、整理券は21番目で既に大勢のお客さんが席に着いていました。(開演時には、40名ほどになりました)
室内の壁には、中本マリのアルバムが6枚と、正面にはTBMの「マリ・ナカモトⅢ」が飾ってありました。
何か1つ飲食のオーダーをということで、車の運転があることからコーヒーとフライド・ポテトをオーダーしました。



当夜は2部構成で、各々7曲(後半はアンコールを入れて8曲)を披露してくれました。
歌い始める前に各々の曲目紹介もあったのですが、聞き取れない所もあったので全曲とはいきませんでしたが、メモした部分だけをピックアップしました。

第1部は、壁に掲載してあったアルバム「Love Touch」の最初に入っている追憶のテーマ「The Way We Were」からスタートしましたが、マイクとの間隔に微妙なズレがあったり、声出しも十分でなかったようで、レコーディングの歌に比べてまだまだという感じでした。
2曲目は「Give Me The Simple Life」で、この曲からは、ピアノと歌のマッチングも上手くいくように思えました。
3曲目は「Come Rain Or Come Shine」で、この歌の歌い方について説明があり、1音のみの同じ音程で続く曲なので歌詞に抑揚を付けて歌うのだそうで、最初の1コーラスは全くのフラットで、2コーラス目はその抑揚を付けてその差を披露してくれました。
4曲目は「Old Devil Moon」をラテン・リズムで、
5曲目は「You'd Be So Nice To Come Home To」を、少し遅いテンポによるパンチの効いた声で、
6曲目はブルースを、(曲目不明)
7曲目は、昨年6月に発売された自身のアルバム「Muse 1」から、「Don't Be Afraid Of Love」(愛を怖がらないで)を熱唱してくれました。

曲の間のトークの中で、40年前に八ヶ岳、南アルプス、富士山の見える小淵沢に家を建てて、4年前からそこに住んでいることや、デビュー当時から一緒にプレイしてきたベーシスト(米木康志)の病気療養への募金の呼びかけがありました。

凡そ20分の休憩を挟んで、第2部が始まりましたが、最初に歌ったのはホーギー・カーマイケルの「Georgia On My Mind」で、“Georgia”と歌い出した後、突然歌が止まり、マリさんが聴衆に向かって「この曲は“Georgia”と歌い出せば、“わぁー”と声が掛かるのに、ここで全く反応が無いのはどうしたことか」とアピールがあり、再びのトライでは聴衆を巻き込んで大いに盛り上がりました。
2曲目はキャロル・キングの「You've Got A Friend」(君の友だち)で、Georgiaの後だったことと、よく知られた曲でもあったことから、聴衆も声を出して歌ったりと、かなりの盛り上がりがありました。
3曲目は「Days Of Wine And Roses」(酒とバラの日々)で、最初のコーラスはゆったりとしたぺースで、ピアノも4小節毎におかずを入れる程度で、殆どアカペラ状態で気持ちよく歌い出していて、2コーラスからはイン・テンポになっての歌でした。
4曲目は、スティビー・ワンダーの「For Once In My Life」(たった一度の人生)で、
5曲目はブルースで、本来この曲は男性が歌った方が良いのだそうですが(曲目は不明)、かなりリキを入れての熱唱でした。
6曲目はポピュラーな曲でしたが、曲目が思い出せませんでした。
この曲を歌い終えたところで時刻は9時近くなり、「何か聴きたい曲はありますか」と、マリさんがアンコール前のリクエストをするというハプニングがあって候補は色々出ましたが、夏なのでボサノバを歌ってということから、急遽「Day By Day」をボサ・リズムで歌ってくれました。
最後は再びのアンコールとなった「All Of Me」を、大ハッスルした歌で、エンディングも決めて大いに盛り上がったところ終了となりました。

演奏中は、撮影、録音が禁止されていたので、演奏が終わった後のトークと記念撮影時に、何枚か写真を撮らせていただきました。




彼女には、2003年4月録音のスタンダードを中心に集めたデュオ・アルバムがありますが、それと比較すると今夜の歌は巧さと表現力が抜群に備わっていました。
そして、今年喜寿を迎えるのだそうで、ある先輩からジャズを50年やるとその後が本物になるといわれ、今が最も充実していると話しており、声は太くなりましたが相変わらずのハスキー・ヴォイスを至近距離で聴けたライブを大いに楽しんだ夜でした。


下の2枚のCDですが、
2003年4月の「NADECICO」は、今回と同じピアノ(3曲は中牟礼貞則のギター)を伴奏に歌っているデュオ・アルバムです。
また、2023年6月に発売され、自身のオリジナルを集めた最新アルバム「Muse 1」は、今回の会場で販売していたので、購入してサインをしていただきました。

 


[ 7月14日追記 ]
中本マリのライブ終了後に、ON LAVAのマスターからこのお店が掲載されている雑誌(JAZ.in 009)を紹介して頂きました。
帰り際でお客様でごった返していたので購入して読むことにしましたが、その本が先ほど自宅に届きました。

 

写真はモノクロで少し暗いですが、3ページに渡ってこのお店の様々な情報が掲載されています。
興味のある方は、是非ご覧ください。

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アーマッド・ジャマルのインパルス盤

2024-07-07 | JAZZ
ここに掲載したアーマッド・ジャマルのインパルス盤は、何時も楽しみに聴いている「Sometimes I'm Happy」さんが、今宵のジャズ 「今宵のジャズ」ノートで4月30日に紹介されていた「DOLPHIN DANCE」の演奏を知って、全曲が聴きたくなったことで購入したレコードです。

「THE AWAKENING」 Impulse AS 9194
  
1. THE AWAKENING
2. I LOVE MUSIC
3. PATTERNS
4. DOLPHIN DANCE
5. YOU'RE MY EVERYTHING
6. STOLEN MOMENTS
7. WAVE
AHMAD JAMAL (p) JAMIL NASSER (b) FRANK GANT (ds)
録音 1970年2月2, 3日

演奏は勿論のことハービー・ハンコックやオリバー・ネルソンのオリジナルをジャマルが如何に弾きこなすかも興味を持って聴いてみました。
特に凝ったアレンジはなく、録音と3人のバランスが極上のアルバムで、ファンキーな部分も陰をひそめ、ピアノに向かって淡々と弾いているように感じました。

タイトル曲でもある「THE AWAKENING」は、2小節毎のパターン化されたリズムの上をスムースなピアノが気持ちよくスイングし、途中4ビートになってからもその雰囲気は変らず、後半は始めのリズム・パターンに戻っています。
ピアノ・ソロで始まる「 I LOVE MUSIC」は、イン・ナ・センチメンタルムードを断片に織り交ぜながら演奏が開始され、トリオになってもソロの雰囲気がそのままに進行していきます。
「PATTERNS」もリズミックな曲で、ジャミル・ナッサーのベース・パターンにピアノが絡む対比が心地良いです。
レコードのB面は、よく知られた曲のオンパレードで、ハービー・ハンコックの「DOLPHIN DANCE」は、フランク・ガントのブラッシュ・ワークによるプッシュが爽やかで、その上をジャマルが気持ちよく演奏していることが分かります。
スタンダードの「YOU'RE MY EVERYTHING」は、アドリブの途中にテーマ・メロディを散りばめながら演奏が進んでいくという粋な奏法を披露しています。
「STOLEN MOMENTS」は、オリバー・ネルソン「ブルースの真実」のオリジナル演奏に忠実に、テーマ部分が演奏されますが、アドリブ部分は4ビートのリズムに対してジャマルのフリーなピアノ演奏がイカしています。
最終曲の「WAVE」は、本来ボサノバの曲ですが、独特なベースラインの上を風を切るような快適な演奏となっています。


なお、アーマッド・ジャマルには1969年にニューヨークのヴィレッジ・ゲイトで録音されたもう1枚のインパルス盤があり、こちらもスタンダードを中心とした演奏集で、愛聴盤の1枚となっています。

「AT THE TOP」 Impulse A-9176
 

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