あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

富樫-山下デュオ

2013-10-30 | JAZZ
前回のコーナーで富樫雅彦と山下洋輔が登場したので、続いて2人が共演したアルバムです。

日本ジャズ界が誇る2人の天才が初めて行った歴史的レコーディング、
2人は60年代初頭の銀座「銀巴里」の「フライデイ・セッション」に参加していた間柄で、当時山下洋輔は、まだ国立音大在学中でした。
その後山下は、富樫雅彦のカルテットに参加しますが、間もなくカルテットは解散してしまいます。
また2人は、1966年の渡辺貞夫の帰国により、彼のセッション・バンドに参加しますが、山下は2か月で退団し自己のトリオを結成しています。
このように2人は幾度となく共演していますが、互いに個性が強い故、一緒の演奏はいずれも長続きしませんでした。

そのような経緯があった中で、元SJ編集長の児山紀芳氏により2人の共演話が進み、およそ15年ぶりに録音がなされました。
この話が持ち上がったのは、春の兆(きざし)もまだ遠い1980年2月中旬であったことから、タイトルを「兆」としたとされています。

「KIZASHI」 TOGASHI - YAMASHITA DUO  NEXT WAVE 25PJ - 1001
   
1. ACTION (富樫)
2. MAY GREEN(富樫)
3. NOSTALGIA(山下)
4. FEELIN’ SPRING(富樫)
5. DUO DANCE(山下)
6. WE NOW SINGING(山下-富樫)
山下洋輔(p) 富樫雅彦(Perc) 録音1980年4月15~17日

このレコードは80年7月25日に発売と同時に大きな話題となり、後に、SJ誌主催の1980年度日本ジャズ・ディスク大賞(日本ジャズ賞)を受賞しています。

同年の暮れには、デュオ・コンサートが新橋に近いヤクルト・ホールで開催され、再び発売されました。
「KIZASHI LIVE」 TOGASHI - YAMASHITA DUO  NEXT WAVE 28PJ - 1001
   
1. SECOND BRIDGE(山下)
2. ON THE POEM(山下)
3. DRIVING YOU(山下)
4. JUNE(富樫)
5. LIKE FREEDOM WALTZ(富樫)
山下洋輔(p) 富樫雅彦(Perc) 録音1980年12月15日

私はこのコンサートに行ったので、当時のパンフレットを探したところ、チケットと共に残っていました。
ということは、このレコードの中に、私の拍手も入っていることになります。
パンフレットには著名な2人の評論家の記事がありましたので、これを掲載しました。
  
このライブも印象深いものでしたし、その時の感動が今でも忘れずに記憶として残っています。

2枚のレコードの後、CDも発売されています。
兆ライブの解説書に当時の2人の活動状況と、曲に関するコメントが付いていました。
  

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富樫の2枚のバラード・アルバム

2013-10-27 | JAZZ
私の愛聴盤(第25回)にて、富樫雅彦のバラード・アルバムを取り上げましたが、他にも「バラード」を題材にしたものがありました。
いずれも推薦できるアルバムあり、コメントは付属の解説書に任せたいと思います。

「THE BALLARD」 KING K28P-6118
 
1. MEMORIES OF YOU
2. IT NEVER ENTERD MY MIND
3. SHENANDOAH
4. NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE
5. NATURE BOY
6. TOO YOUNG
7. MY SHIP
8. WHAT KIND OF FOOL AM I
佐藤允彦(p) 高水健司(b) 富樫雅彦(ds)  録音1981年7月13日、14日

「BALLARDS FOR YOU」 Trial Records ETR-003
  
1. FEEL’IN SPRING
2. MY FOOLISH HEART
3. WALTZ STEP
4. I CAN’T GET STARTED
5. MY ROMANCE
6. NOSTALGIA
7. TRAUMEREI
山下洋輔(p) 井野信義(b) 富樫雅彦(ds)  録音1998年9月29日

ここに取り上げたバラードの2枚、
1枚目のピアニストは独特のコード感覚をもつ佐藤允彦で、各曲の解釈は並みのバラードと違うところが聴きどころです。
2枚目はこれまた強烈な個性を持った山下洋輔で、やはり彼の演奏するバラードとなっています。
私の好きな富樫のオリジナル(ワルツ・ステップ)を、最後はシューマンのトロイメライを、山下流解釈で演奏しています。

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私の愛聴盤(第25回)

2013-10-26 | 私の愛聴盤
第25回は日本のジャズを取り上げました。

富樫雅彦(ds/1940年3月22日 - 2007年8月22日)が、実質的なリーダーとなった「ジャズ・スピリッツ・トリオ」で、埋もれていた美しいメロディを持ったバラードを取り上げたアルバムです。

富樫 雅彦は日本屈指のジャズ・ドラマーの一人ですが、1970年1月、不慮の事故で脊髄を損傷し、下半身不随となった後は独自のドラムセットを使い、数々の名演を残しました。
中でもピアノ・トリオによるこのアルバムは、バラードでありながら決して甘さに流されることがなく、また富樫の緩急自在のドラミングが聴けると共に、残る2人のレベルも高い一級のジャズ・アルバムです。
当初はCDで1994年8月に発売されましたが、98年7月にレコードとして再発売されています。

「JAZZ SPIRITS TRIO」 VENUS TKCV-79057
 

「JAZZ SPIRITS TRIO」 VENUS TKJV-19703
   
1. WHERE ARE YOU
2. BLAME IT ON MY YOUTH
3. WALTZ STEP
4. CAN’T HELP LOVIN’ DAT MAN
5. DON’T TAKE YOUR LOVE FROM ME (CDのみ)
6. THE THINGS WE DID LAST SUMMER (CDのみ)
7. DESERT WIND
8. A LOVELY WAY TO SPEND ON EVENING
市川秀男(p) 桜井郁雄(b) 富樫雅彦(ds)  録音 1994年7月8日

富樫雅彦はデビュー当初から天才ドラマーとして注目され、ビ・バップやフリー・ジャズも何でもこなし、パーカッションのみで自由自在に豊かな音楽が作れるジャズ・ドラマーでした。
本アルバムについては「バラードもジャズであり、これは自分がやりたかった音楽の一つであり、リスナーの聴きたいジャズの一つであると思う」と自ら語っています。
富樫の作品はデビュー当時のものからずっと聴いてきましたが、こういうタイプのジャズも格別です。
そして収録されている8曲(レコードは6曲)の内、ワルツ・ステップが富樫、デザート・ウインドが市川のオリジナルで、残り6曲はメロディとコードが綺麗なスタンダード・ナンバーが選ばれています。
この中で私のお気に入りは、富樫が可愛がっていた愛犬をモチーフにして書いたといわれる愛らしいワルツで、素直なメロディと共に、彼のブラシによるプッシュが素適です。
富樫は作曲も得意で相当数の曲を書いていて、それらは多くのジャズ・ミュージシャンによっても演奏されていています。

富樫の作品集の中では、彼が亡くなって2年後に、著名なミュージシャン達によってトリビュート作品として登場した「マイ・ワンダフル・ライフ」があります。
   

また富樫は絵画も得意で、盟友の山下洋輔は、2004年11月に釧路芸術館にて、富樫の描いた絵画を前にして彼のオリジナル曲を弾くというライブも残しています。
CDジャケットの絵は、富樫雅彦の作品の内の1枚です。
(10曲目のマイ・ワンダフル・ライフは、上記CDの最後にも収録されています)
  

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珍しいもの、美味しいもの

2013-10-21 | グルメ
珍しいもの、美味しいものが3つ揃いました。

☆ 「ロシア産の蜆」
時々買い物に行く鮮魚センターで、100g 75円也の安価で200g購入してきました。
以前、網走の蜆を紹介したことがありましたが、それ以上に大きい貝で、500円玉にも負けません。
店員さんから「普通の蜆より大味だよ、珍しいので呑み屋さんなどから注文があるよ」、
そして「身が大きいからアサリの酒蒸しと同じように、シジミの酒蒸しとして食べるといいよ」と教えて頂きました。
しばらく冷凍して酒蒸しで頂きたいと思います。
(写真は国産とロシア産のシジミの一部で、トータルはこの4倍ほどの数量です)



☆☆ 「鹿児島産芋焼酎」
原材料 甘藷・米麹(黒)
普通の焼酎のアルコール分は24 ~ 25 度ですが、この芋焼酎は37度です。
製造元は鹿児島県指宿市の有限会社 大山甚七商店で、特別に仕込んで頂いたものです。
 

甘藷(かんしょ)とは   日本酒造組合中央会の資料から
ヒルガオ科の匍匐(ほふく)性植物。サツマイモ・リュウキュウイモ・カライモ・ウム・ハンスなど地域により様々な呼び名がある。暑さと乾燥に強く荒地にも平気で育つ。
原産地は中央アメリカ。
1492年、新大陸を発見したコロンブスがスペインへ持ち帰りこれが世界各地に広まったという説と、フンボルト海流に乗って太平洋を横断したという説がある。
今日ではアジアとアフリカが二大産地であり、中でも中国は世界の全生産量の4分の3を占める。
中国へは1594年、福建省びんの陳振龍が呂宋(るそん)から蔓(つる)を持ち帰り広めた。
琉球への渡来は1605年のことで、尚寧(しょうねい)王の命を受けて明へ渡った野国総官(のぐにつがん)がびんから鉢植の芋を持ち帰った。
儀間親雲上真常(ぎまぺーちんしんじょう)はこの芋を栽培普及させ、琉球での救荒食量を確保した。
薩摩へは17世紀初頭ルソンなどの南方諸国より伝来したと伝えられ、同じころ(1615年)ウイリアム・アダムスは琉球から平戸の英国商館へ芋一袋を送っている。
この当時は栽培や保存の方法が充分に分かっていなかったため、普及には至らず、広く栽培されるようになるのは1700年代になってからである。
元禄一一(1698)年、琉球王尚貞からカンショ一篭(かご)が種子島の領主、種子島久基に贈られ、栽培された。
これより七年後の宝永二(1705)年、南薩摩の揖宿(いぶすき)郡山川郷の漁民前田利右衛門が琉球からカンショを持ち帰り、急速に普及していく。
利右衛門は唐芋翁(からいもおんじよ)と崇められ、明治一二年徳光(とくこう)神社に祀(まつ)られた。
享保二〇(1735)年には救荒作物としての重要性が幕府に認められ、青木昆陽(こんよう)により普及が図られる。
この後、カンショは救荒作物としてではなく、徐々に日常の重要食糧となっていく。
カンショが焼酎原料となるのも1700年代に入ってからのことである。



☆☆☆ 「山梨県産ワイン」
原材料 ベリーA種(赤)、甲州種ぶどう(白)
製造元は山梨県甲州市勝沼町の山梨園のもので、元は園主が晩酌で飲みたいがために、自分の畑で収穫したぶどうを使って
ワインを造ったのが始まりだそうです。
この赤と白、外国産果汁や醸造用アルコールなどは一切入っておらず、純甲州産ぶどうだけで造られたワインです。
ラベルも下記の手書きのものがセロテープでラフに止めてあるだけなので、貼る位置もバラバラです。
 

園主曰く、混ぜ物が入っていないので、いくら飲んでも割れ酔いしないのだそうです。
良いこと聞いたけど、飲み過ぎはいけませんよね…
価格も手ごろだし、ネットでも購入できます。
私はこの連休中に頂いてみたいと思っています。
 

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「クール・ストラッティン」セッション

2013-10-20 | JAZZ
ブルーノート・レーベルの中の名盤といわれる「クール・ストラッティン」

今からおよそ45年前に録音されたこのアルバムは、ソニー・クラークがリーダーとなったクインテットの演奏で、今ではジャズ・アルバムの最右翼にあげられるものです。
発売当初、米国での評価は不当ともいえるほど低く、ジャズ雑誌「ダウン・ビート」の採点は5点満点の2点で、極わずかなセールスしか上げられなかったようです。(日本では超人気盤なのにです)
このアルバムが発売された1958年当時、日本では輸入盤は珍しく、且つ高価な時代でした。
そして60年代に入ると大半の外国盤は日本でもプレスが可能となりましたが、このブルーノートだけは外国プレスが許されず、輸入盤で聴くしか方法がなく、ジャズ喫茶のお世話になりました。
その後、日本でのプレスも可能になり、CDの時代になってからは更に容易に聴くことができるようになりましたが、最近都内のレコード店が「ブルーノート復刻シリーズ」として、米国プレスによるモノラル・レコードを発売しましたので、それを取り上げてみました。

このアルバムにはちょっと経緯があり、1958年1月5日に6曲が録音され、そのうちの4曲が「クール・ストラッテイン」としてモノラルとステレオで発売されました。
都内のレコード店では2011年11月に、米国プレスのモノラル・レコードとして発売しています。
「COOL STRUTTIN’」 BLUENOTE BLP 1588 ( BST 81588 )
   

当初のステレオ盤は、モノラルのジャケットに「STEREO」のシールを張り付けただけのものでした。
  
1. COOL STRUTTIN’
2. BLUE MINOR
3. SIPPIN’ AT BELLS
4. DEEP NIGHT
ART FARMER(tp) JACKIE McLEAN(as) SONNY CLARK(p) 
PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)

そして残り2曲はBLP-1592という番号まで取りながら、他のセッションと共にそのままお蔵入りとなりました。
その後、1977年1月に東芝EMIから「ソニー・クラーク・クインテット」として2曲が日の目を見ましたが、ジャケットは文字だけの味気ないものでした。
83年になり、今度はキング・レコードから「クール・ストラッティン 第2集」として、以下のジャケットで発売されています。(LPのB面は57年12月8日の別メンバーによるセッションです)
 

CDの時代になると、全6曲を収めたものも幾度となく発売されましたが、極めつけは東芝EMIが1998年に、この録音の40周年記念特別盤として出したものです。
今までと異なるジャケットで、モノラル・マスターを使用し、しかも録音順に並べるという内容のもので、ここには初期のジャケットに使われた以外のショットも掲載されていました。
    
   

ステレオ・バージョンのCDでは、録音当初のエンジニア(RVG)自らがリマスタリングしたものが廉価盤で発売されています。
 

そして最後は再び都内のレコード店から、この9月に米国プレスとして発売された第2集のモノラル・レコードで、ジャケット写真は東芝EMIのCD盤と同じものが採用されています。
「COOL STRUTTIN’ VOL.2」 BLUENOTE BLP 1592
   
1. ROYAL FLUSH
2. LOVER

全6曲、いずれもハード・バップのエッセンシャルな魅力を持った作品で、ブルージーな一面をも持っており、非常に優れたアルバムだと思います。

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シャンソンの名曲 「枯葉」

2013-10-19 | JAZZ
10月中旬を過ぎて、やっと秋らしくなってきました。
「秋」に相応しい代表曲といえば、ジョセフ・コスマが書いたメロディに、ジャック・プレヴェールが詩をつけたシャンソンの名曲 「枯葉/Autumn Leaves 」が思い浮かびますが、この曲は多くのジャズ・ミュージシャンも演っています。
その中でも名盤の最右翼にあげられるのは、マイルス・デイビスが参加している「サムシン・エルス」ですが、これについては既に数多くの方々が色々な切り口で語っているし、このブログでも「先輩に教えてもらったレコード」として、ここに一度登場しています。
前回ジャズのコーナーで、アーマッド・ジャマルがマイルス・デイビスに影響を与えたことを記しましたので、ここではその証となる両者の「枯葉」の演奏を取り上げてみました。

アーマッドジャマルは1955年10月、この曲を初めて録音していますが、手元にそのアルバムが無いため、1958年9月5日、6日にワシントンのスポット・ライト・クラブでのライブとしました。
「PORTFOLIO OF AHMAD JAMAL」 ARGO LP 2638
(テイチク・レコード/BAYBRIDGE RECORDS UPS-2213-14)
  
1. THIS CAN’T BE LOVE
2. AUTUMN LEAVES
3. AHMAD’S BLUES
4. OLD DEVIL MOON
5. SELERITUS
6. IT COULD HAPPEN TO YOU
7. IVY
8. TATER PIE
AHMAD JAMAL(p) SRAEL CROSBY(b) VERNELL FOURNIER(ds)
(このレコードは2枚組ですが、2枚目の曲目掲載は割愛しました)

お目当ての枯葉は、マイルスのアルバムのイントロで聴かれる独特のリズム・パターンをベースが担当し、アップテンポの演奏となっています。
ジャマルは早いフレーズの中で、しっかり「間」を取ったり、「黒い瞳」のフレーズの一部を引用したりと、ライブならではの7分34秒です。

一方マイルス・デイビスは、この曲を何回もレコーディングしているし、ライブ演奏も行っていますが、このパターンのイントロを使った演奏は、最初のこのアルバムだけです。
そして、アーマッド・ジャマルの独特の間を生かした演奏を気に入っていて、枯葉のイントロ部分は実際にジャマルが演奏しているのを聴いて、更にゆったりしたテンポにして録音したとされています。
「SOMETHIN’ELSE」 BLUENOTE 1595
  
1. AUTUMN LEAVES
2. LOVE FOR SALE
3. SOMETHIN’ ELSE
4. ONE FOR DADDY-O
5. DANCING IN THE DARK
MILES DAVIS(tp) “CANNONBALL”ADDERLEY(as) HANK JONES(p) 
SAM JONES(b) ART BLAKEY(ds) 録音 1958年3月9日


ここで番外編ですが、スエーデンのピアニスト兼音楽監督であるペーター・ノルダール(PETER NORDAHL)が枯葉を演奏しているアルバム(CD)があり、何とこれがピアノ・トリオで上記のマイルスのイントロをそっくりそのまま演っています。
というより、ジャマルのアレンジを使ったというのが正しいのかも知れません。
中の解説によると、アーマッド・ジャマル的であるとも書かれていて、この3枚は「枯葉」でそれぞれ繋がっています。

  

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シカゴのアーマッド・ジャマル

2013-10-18 | JAZZ
アーマッド・ジャマル (Ahmad Jamal) 1930年7月2日 -   ペンシルバニア州ピッツバーグ生まれ

モダン・ジャズ時代に登場したピアニストの中にあって、より少ない音数と休止符を最大限に活用することにより、独特のスタイルを構築し、出ている「音」よりも、「音」が出ていない空間に多くを語らせるところに特徴があります。
このピアノ・スタイルからマイルス・デイビスが大いに影響を受けたことや、日本人ピアニストの上原ひろみの才能をいち早く認め、2003年には彼女のデビュー作をプロデュースしたことでも有名です。

ジャマルはハイスクール時代に早くもプロ入りし、51年に初レコーディングを経験しています。
デビュー当時から既に完成されたスタイルを身に付けており、55年にはアーゴ・レーベルに録音、ついでエピックにもLPを吹き込んでいますが、56年から本格的に録音を開始しています。
シカゴを拠点とした活動期間が長く、1958年に同地のクラブで録音された「バット・ノット・フォー・ミー」が大ヒットし有名になりました。

「BUT NOT FOR ME」 ARGO LP 628
  
1. BUT NOT FOR ME
2. SURRY WITH THE FRINGE
3. MOONLIGHT IN VERMONT
4. MUSIC, MUSIC, MUSIC
5. NO GREATER LOVE
6. POINCIANA
7. WOODY’N YOU
8. WHAT’S NEW
AHMAD JAMAL(p) SRAEL CROSBY(b) VERNELL FOURNIER(ds)
録音 1958年1月16日 シカゴ・パーシング・ラウンジでのライブ

演奏曲目は、ごらんの通りジャズ・スタンダードのオンパレードで、最初に紹介したように、ここでは独特の「間」を生かした演奏を聴くことができます。

そして、上記のアルバムがあまりにも有名になったため、陰に隠れた存在になっていますが、翌日に同じ場所で録音した第2集も発売されています。
この2枚、共に優秀録音盤で、すこぶる「音」が良いです。
「AT THE PRESHING / VOL.2」 ARGO LP 667
   
 1. TOO LATE NOW
 2. ALL THE THINGS YOU ARE
 3. CHEROKEE
 4. IT MIGHT AS WELL BE SPRING
 5. I’LL REMEMBER APRIL
 6. MY FUNNY VALENTINE
 7. GONE WITH THE WIND
 8. BILLY BOY
 9. IT’S YOU OR NO ONE
10. THEY CAN’T TAKE THAT AWAY FROM ME
11. POOR BUTTERFLY
AHMAD JAMAL(p) SRAEL CROSBY(b) VERNELL FOURNIER(ds)
録音 1958年1月17日 シカゴ・パーシング・ラウンジでのライブ

こちらもジャズ・スタンダード満載で、前日の内容と遜色ありません。
この2枚のアルバムをきっかけに、1958年の「ビルボード」誌ベストセラーLPランキングにおいて、ジャズとしては最上位となる13位にランク・インしています。
以後10年間、アーゴ・レーベルから洒落たアルバムを次々に出していくことになります。

1968年にはインパルス・レーベルに移籍し、第2作目では、ニューヨークのヴィレッジ・ゲイトにおいて、アーゴ・レーベルで大当たりした「ポインシアナ」を再演しています。

 

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秋の味覚(松茸)

2013-10-17 | グルメ
秋の味覚の最後は「松茸」です。

この時期になると多くのキノコが登場しますが、「匂い松茸、味しめじ」といわれるように、年に一度はこの匂いを味わってみたいということで、「松茸」を頂きました。
但し国産は、我々庶民には中々手の届かない代物なので、ここは匂いを優先し、格安のカナダ産で我慢です。
国産より色白ですが、加熱すればその雰囲気を十分味わうことはできます。




これを使って「ご飯と、お吸い物」にしました。
松茸ご飯で香りを楽しむには、昆布だしをベースにキノコだけで炊き込むのが一番ですが、今回は油揚げとニンジンも加えました。
一方お吸いものは、だし汁に松茸とお豆腐を加え、お酒、お塩で味を整え、薄口醤油で香付けし、最後に三つ葉を入れました。

先日入手した「辛口白ワイン」は食事の前に頂きましたが、食事が終わるころには飲み干して空っぽになっていました。

   

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秋の味覚(栗としめじ)

2013-10-16 | グルメ
美味しい「栗」と「しめじ」が手に入りました。
栗は日高市高麗川にある「利平」栗園のもので、大きく硬いので虫が付き難く、料理しても型崩れしないのが特徴で、味も良いです。

 

また、しめじは近くの農協で購入しましたが、この時期だけのもので「大凧しめじ」と言うのだそうです。
これらを使って「中華おこわの栗ご飯」と「けんちん汁」を作りました。
「中華おこわの栗ご飯」は、もち米2に対し、お米1の割合で、他に椎茸、人参、筍、豚肉などを使い、栗と一緒に炊き込みました。
「けんちん汁」は、豚肉が鶏肉になり、栗と筍が除かれ、代わりにごぼう、大根、こんにゃく、豆腐が追加されました。
料理は大した時間は掛らないのですが、栗の皮むきが大変でした。

 

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私の愛聴盤(第24回)

2013-10-15 | 私の愛聴盤
第24回はルビー・ブラフの「ブラフ!!」です。

ルビー・ブラフ( REUBEN RUBY BRAFF)  1927年3月16日 - 2003年2月9日 ボストン生まれ

子供の頃からトランンペットを手にし、奏法についてはボブ・クロスビー楽団のウォード・シロウェイに教えてもらいました。
生みの親は、ニュー・ポート・ジャズ・フェスティバルの親分であるジョージ・ウエインで、ボストンで「ストリーヴィル・クラブ」を経営していた彼は、ブラフの才能を認め当クラブに出演させ、1954年6月には自身のレコード会社に初レコーディングも行っています。
また1969年には、ニューポート・オールスターズとして来日し、日本でレコーディングもしています。
当時のジャズ界は、クリフォード・ブラウンなどの出現により、モダン・ジャズ全盛の中にあって、ルイ・アームストロングをモダン化して、バニー・べりガンの華麗な音をミックスしたような古いスタイルのブラフの登場は、業界の注目を集めるところとなりました。
そして、1955年にはダウン・ビート誌の新人部門で1位となっています。
その後は、同系のミュージシャンとのセッションを中心に活動をしていくことになりますが、この手の音楽がデキシーランドでも従来のスイングでもないところから、日本では「中間派」と呼ばれるようになりました。
(米国ではメインストリームというのがそれにあたるのだそうです)
この中間派という命名は、当時ジャズ評論家であった大橋巨泉氏です。

「BRAFF!! RUBY BRAFF’S ALL - STARS」 EPIC LN3377
   
 1. STARDUST
 2. HEAR’s FREDDIE
 3. INDIAN SUMMER
 4. BLUE TURNING GREY OVER YOU
 5. JUST ONE MORE CHANCE
 6. WHEN MY DREAMBOAT COMES HOME
 7. YOU’RE LUCKY TO ME
 8. MOONGLOW
 9. IT’S BEEN SO LONG
10. TOO MARVELOUS FOR WORDS
11. HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON
12. ’S WONDERFUL
RUBY BRAFF(tp) DAVE MCKENNA(p) STEVE JORDAN(g) BUZZY DROOTIN(ds)
COLEMAN HAWKINS(ts) ERNIE CACERAS(bs) LAWRENCE BROWN(tb) 
DON ELLIOTT(vib) NAT PIERCE(p) FREDDIE GREEN(g) EDDIE JONES(b)
録音 1956年6月26日、28日、7月10日

レコーディングされた曲目はスイング系のもので占められていますが、このLPは何と言っても1曲目のスター・ダストで決まりです。
最初から最後までギターが刻む正確な4拍の上で、朗々と歌い上げるトランペットの音色、途中1コーラスのピアノ・ソロを挟んで前後1コーラスのトランペット・ソロと、最後の短いカデンツァまでの3分5秒、圧巻です。
このアルバムはベース奏者無しの変則カルテットと、大きい編成の2種類の演奏から成っていますが、1曲目のスター・ダストの他、4、9、11の変則カルテットの4曲が特にお勧めです。
なおCDは上記の12曲に加え、4曲追加の全16曲となっていて、この中にも変則カルテットの演奏が2曲入っています。
 

ルビー・ブラフは亡くなる2003年までの間に数多くの録音を残していますが、2002年8月7日に行われたジャズ・フェスティバルから、彼のラスト・レコーディングとなったアルバム(CD)を掲載しました。
その名も「FOR THE LAST TIME」です。
テナー・サックスには、やはり中間派として知られているスコット・ハミルトンが参加しています。
  

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