あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

レコードとCDの聞き比べ

2023-03-29 | JAZZ
2月23日の祝日に、富士吉田市のジャズ・ハウス「ON LAVA」に行ったとき、2枚のTBMのレコードを紹介されたことと、4月からは夜の営業やCDも掛けるとのことだったので、3月21日には持参したCDを、お店で用意していただいたレコードで聞き比べをさせていただきました。

 

当日、CDと比較したのは下記のレコードですが、いずれも優秀録音盤で、演奏も素晴らしいです。
「MIST」TBM - 30         「BLOW UP」 TBM -15
 

また2枚のCDは、1990年代後半に発売されたxrcd盤です。
鈴木勲のアルバム「ブロー・アップ」では、1曲目のアクア・マリンを聴きましたが、レコードの音と比較してベースは地響きがするような太い音で力強く、菅野のエレピの響きも美しかったことで、CDに軍配を挙げました。
一方、山本剛のミスティにおけるピアノの響きは良かったのですが、高音部はデジタル音の刺激が強く、それが少し耳障りに聞こえたことから、こちらはレコードに軍配を上げたいと思い、2枚の聴き比べは引き分けでした。


なお、下記の3枚のモノラル盤も1曲づつ再生していただきましたが、レコードでは中々出せないクリアでメリハリの利いた音が印象的でした。


当日は、素晴らしい装置を使って自宅では出せない「音」と「演奏」を堪能させていただきました。

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私の愛聴盤(第175回)

2023-03-26 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤の第175回は、60年代に残されたエポックメイキングな演奏集です。

「NEW YORK CONTEMPORARY 5(VOL.1)」 SONET SLP 36
  
1. CISUM
2. CREPUSCULE WITH NELLIE
3. O.C.
4. WHEN WILL THE BLUES LEAVE
5. THE FUNERAL
6. MIK
DON CHERRY (cor) JOHN TCHICAI (as) ARCHIE SHEPP (ts) DON MOORE (b) J.C.MOSES (ds)
録音 1963年11月15日

これは、そうそうたるメンバーによるコペンハーゲンのカフェ・モンマルトルでのライブ盤で、2枚に収録された音源の第1集です。
ニューヨーク・コンテンポラリー・ファイブは、1963年に結成され、僅か5ヶ月間の活動で解散してしまいましたが、この間に5枚のアルバムが作られていて、このSONET盤はその3枚目(と4枚目)に当たります。
オーネット・コールマンの出現以降、彼の奏法のコンセプトを受け入れて消化する中で、短期間に最もアグレッシブでスリリングな即興演奏を行ったグループでした。

リーダーは、セシル・テイラーのグループで鍛えられたアーチー・シェップのようですが、オーネット・コールマンの作曲による「O.C.」と「WHEN WILL THE BLUES LEAVE」を始めとして、コルネットでシンプルな音を放出し続けるドン・チェリーの出番が多く、ジョン・チカイはオーネットの様にも聞こえます。
一方のシェップは、サックスから絞り出すような音を発散させながらの演奏を展開していて、ドラムスのJ.C.モーゼスのドラムスが演奏全体を引き締める効果を上げています。
なお、セロニアス・モンクの「CREPUSCULE WITH NELLIE」だけは演奏時間が2分と短く、3人の管楽器を中心としたアンサンブルとして書かれた譜面に沿って演奏しています。

カフェ・モンマルトルといえば、セシル・テイラーもこの場所で演奏した記録が残っています。

この時代、日本ではアート・ブレイキーのグループが来日し、その後は次々と外タレが続き、ナベサダさんが渡米した後であり、このアルバムを取り出す度に、同じ時代にこのような新しいジャズが演奏されていたことを再認識しています。

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セシル・テイラーの初期のアルバム(THE WORLD OF CECIL TAYLOR)

2023-03-22 | JAZZ
セシル・テイラーの初期レコードの最後は、キャンディッド・レーベルの2枚+1です。

「THE WORLD OF CECIL TAYLOR」 CANDID 9006(SMJ - 6204)
  
1. AIR(*)
2. THIS NEARLY WAS MINE
3. PORT OF CALL
4. E.B.
5. LAZY AFTERNOON(*)
CECIL TAYLOR (p) BUEL NEIDLINGER (b) DENIS CHARLES (ds) ARCHIE SHEPP (ts) (*)
録音 1960年10月12, 13日

このアルバムは、アーチー・シェップの2曲での参加が良い意味での味付けとなっています。
1曲目の「AIR」では、シェップが最初の部分で参加しメロディックでスマートなプレイを披露しています。
それに続くセシル・テイラーのピアノは、高音部を使った早いパッセージで、これにブエル・ネイドリンガーのベースがしっかりと絡んでいて、更にデニス・チャールスのドラムスと丁々発止の場面が登場してくるという展開となっています。
続くハーマンスタインとロジャースの「THIS NEARLY WAS MINE」は、テイラーの従来の演奏とは異なりメロディックで、まるでピアノとべースが対話しているように感じます。
続いての「PORT OF CALL」は、鍵盤を打楽器の如く強く打ち鳴らし、左手でリズムを取りながら右手は早いパッセージの連続でめまぐるしく動き回りますが、ベースとドラムスがパターン化されたリズムを演っているので、意外とスイングしています。
レコードのB面に移って「E.B.」はピアノをフルに鳴らし、エネルギーの塊が10分近く続く演奏で、これにベースとドラムスも応答していてテイラーの本領発揮といった内容です。
最終曲の「 LAZY AFTERNOON」は、最初の「AIR」と同様にアーチー・シェップのメロディックなフレーズと、テイラーの不協和音を使いながらもコードに沿った演奏で好演しています。


下の2枚の内容は同じもので、CBSソニー盤はボーナス・レコードとして世界に先駆けて復刻され、ビクター盤は後に正規ルートで発売されています。
国内盤の解説を担当している岩浪洋三さんと、悠 雅彦さんによるコメントは、それぞれの観点から書かれており、これらの音楽の背景を知るには貴重な資料です。
そして、これはブエル・ネイドリンガーのリーダー・アルバムであることから、1曲目の5管+トリオの演奏などは、セシル・テイラーが参加しているとは言え、アンサンブルを中心とした内容となっています。
このアルバムで、セシル・テイラーを聴くにはトリオで演奏されている「O.P.」と、アーチー・シェップが加わった「I FORGOT」と「THINGS AIN´T WHAT THEY USED TO BE」の3曲となります。

「CECIL TAYLOR ALL STARS feat. BUEL NEIDLINGER」SONF 01107 / SMJ - 6205
   
1. JUMPIN´ PUNKINS
2. O.P.
3. I FORGOT
4. THINGS AIN´T WHAT THEY USED TO BE
#1, 4
CLARK TERRY (tp) ROSWELL RUDD (tb) STEVE LACY (ss) ARCHIE SHEPP (ts)
CHARLES DAVIS (bs) CECIL TAYLOR (p) BUEL NEIDLINGER (b) BILLY HIGGINS (ds)
録音 1961年1月10日
#3
ARCHIE SHEPP (ts) CECIL TAYLOR (p) BUEL NEIDLINGER (b) DENNIS CHARLES (ds)
録音 1961年1月9日
#2
CECIL TAYLOR (p) BUEL NEIDLINGER (b) DENNIS CHARLES (ds)
録音 1961年1月9日

その「O.P.」は、ベーシストのブエル・ネイドリンガーの作曲によるもので、最初と最後にベースによるテーマの提示があり、その後のテイラーは、ベースが刻む4つの音の上を最初から最後まで自由奔放に弾きまくっています。
また「I FORGOT」は、4者のノン・リズムによる幻想的な演奏です。
エリントンの「THINGS AIN´T WHAT THEY USED TO BE」は、全員によるテーマ演奏に続いて、テイラーが絶妙なアドリブを披露した後、ピアノ・トリオをバックに順次ソロを担当する展開となっていますが、ここでもアーチー・シェップのソロが目立ちます。

なお、下に掲載したアルバムの中で、セシル・テイラーが参加しているのはトリオによる「P.O.」のみ(上記アルバムは「O.P」)ですが、当時の演奏をできるだけ多く聴きたいとなればこれも貴重です。
内容は上記のアルバムの#2のテイク違いで、演奏パターンは同様ですが、上記の演奏時間は9分11秒で、こちらは7分30秒となっています。

「READY FOR THE 90´S」 K2B2 2069
  
* P.O.
CECIL TAYLOR (p) BUEL NEIDLINGER (b) DENNIS CHARLES (ds)
録音 1961年1月

ここまで、セシル・テイラーのデビュー時代の演奏を順次聴いてきましたが、後年のヴォイスを交えたりしての完全フリーな演奏に比べ、演奏の構造がはっきりしていて難解には感じないモダン・ジャズであるとの印象を再認識しています。

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セシル・テイラーの初期のアルバム(LOVE FOR SALE)

2023-03-19 | JAZZ
初期レコードの4(5)枚目は、トランジション・レーベルのプロデューサーであったトム・ウイルソンが担当したセシル・テイラーの2作目です。

「LOVE FOR SALE」 UNITED ARTISTS UAL 4046
  
1. GET OUT OF TOWN
2. I LOVE PARIS
3. LOVE FOR SALE
4. LITTLE LEES
5. MATYSTROPHE
CECIL TAYLOR (p) BILL BARRON (ts) TED CURSON (tp) 
BUEL NEIDLINGER (b) RUDY COLLINS (ds)
録音 1959年4月

大手レコード会社が付けた陳腐なタイトル盤ですが、内容は一級の演奏集です。
前作の「HARD DRIVING JAZZ」は、ジョン・コルトレーンとケニー・ドーハムが、そしてこのアルバムではビル・バロンとテッド・カーソンが加わり、サウンドがカラフルになっています。
また、これもレコード会社が“売れる(売る)”と考えた意向を示すように、知名度の高いスタンダードを盛り込んでいますが、セシル・テイラーは自身の音楽として取り込んでいるため、心地良いスタンダードのメロディは、単なるモチーフにすぎません。

A面の3曲はピアノ・トリオで連続して演奏され、スタンダードのメロディは殆ど登場しませんが、ベースとドラムスの的確なサポートにより、テイラーの演奏はスイングしています。
B面は2管が加わりますが、「LITTLE LEES」については曲の途中からで、参加したいならどうぞという雰囲気で、テイラーはマイペースのプレイを続けています。
最終曲の「 MATYSTROPHE」になって、難解なメロディとリズムを伴ったクインテットによる演奏が展開され、先発のビル・バロンと、それに続くテッド・カーソンは自分の持ち分のソロを無難にこなしています。その後ろでテイラーが独特のバッキングを付けていますが、これが違和感なく受け入れられるところがこの演奏の聴きどころです。

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セシル・テイラーの初期のアルバム(LOOKING AHEAD)

2023-03-15 | JAZZ
初期レコードの3枚目は、コンテンポラリー・レーベルに録音したカルテットです。

「LOOKING AHEAD 」 CONTEMPORALY M 3562
  
1. LUYAH!
2. AFRICAN VIOLETS
3. OF WHAT
4. WALLERING
5. TOLL
6. EXCURSION ON A WOBBLY RAIL
CECIL TAYLOR (p) EARL GRIFFITH (vib) BUELL NEIDLINGER (b) DENNIS CHARLES (ds)
録音 1958年6月9日

これまでのセシル・テイラーは、既成曲を自己表現の素材として利用していましたが、ここでは全曲自身のオリジナルを並べ、更にヴィブラフォンを加えてサウンドに変化を出しています。
その成果は1曲目の「 LUYAH!」から表われており、ミディアム・テンポによる4ビートの中で、ピアノとヴァイブが同時にソロを取ったり、互いに絡み合いながら演奏が進行して行きます。
「AFRICAN VIOLETS」は、ゆったりしたテンポでヴァイブのソロを前面に出して演奏が進み、続いてピアノとドラムスのやり取りを挟んで再びヴァイブのソロに戻っていますが、テイラーはフツーの演奏に終始しています。
3曲目の「OF WHAT」は、アップ・テンポによるパーカッシヴなピアノ演奏で、これにベースとドラムスが絡み、テイラーも本領発揮の印象を受けます。
レコードでのB面に当たる後半3曲は、エリントンとモンクからの影響が感じられます。
それは、このアルバムの方がレコーディングが早いでのですが、エリントンの「MONEY JUNGLE」や、モンクの3枚目のソロ・アルバムとなる「ALONE IN SAN FRANCISCO」により、そのように思います。


続いて「HARD DRIVING JAZZ (UAL 4014 / 1958年10月録音)」を聴きましたが、このアルバムは以前ここに掲載済みのことから記事は省略します。

なお、岡崎正通さんによると、トラジション・レーベルの創始者で、アルバムのプロデューサーでもあるトム・ウィルソンは、セシル・テイラーの音楽を高く評価していて、自分のレーベルから何枚かのテイラーのアルバムをリリースする予定でいたが、トラジションが経営的な問題から僅か3年足らずで行き詰まってしまったため、ユナイテッド・アーティスツの傘下に入り彼の録音を続けたのだそうです。

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セシル・テイラーの初期のアルバム(THE CECIL TAYLOR QUARTET)

2023-03-12 | JAZZ
初期のレコードの2枚目は、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル´57から、セシル・テイラー・カルテットの演奏です。
掲載したジャケットは、かって日本グラモフォンがジャズ・クラブのメンバーに非売品として贈呈したものですが、レコードは米国ARSからの1枚です。

「THE CECIL TAYLOR QUARTET」 ARS G-437
   
1. JOHNNY COME LATELY
2. NONA´S BLUES
3. TUNE 2
CECIL TAYLOR (p) STEVE LACY (ss) BUELL NEIDLINGER (b) DENNIS CHARLES (ds)
録音 1957年7月

このレコードは、セシル・テイラーのグループと、ジジ・グライス=ドナルド・バードの実験的グループである「ジャズ・ラブ」をカップリングしていることから、セシル・テイラーの演奏は片面3曲です。
オリジナル盤のジャケットに比べ、ここに掲載している図柄の方が雰囲気があります。
またレコードのARS盤は、Verve盤に先行して発売されて一段とクリアな音がします。

最初のレコーディングである「JAZZ ADVANCE」と同じメンバーでの演奏にも関わらず、凡そ1年半を経過していることから、演奏全体のまとまりも飛躍的に高まっており、テイラーは、即興を通してメロディとハーモニーを旨く融合していてエキサイティングです。
また、スティーヴ・レイシーのプレイが素晴らしく、デニス・チャールスのドラミングも演奏にうまく融合しています。
その中で、「TUNE 2」は4ビートによるスマートな曲で、スティーヴ・レイシーがテーマを吹きそのままアドリブへと進み、テーラーに交代しても4ビートに乗りながらの演奏で、3曲の中では最もオーソドックスな内容です。

なお、セシル・テイラーが各曲の演奏前に、曲目を紹介する声も収録されており、若きテイラーの声が聞けるのも貴重です。

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再発されたコンピレーション盤

2023-03-10 | JAZZ
イタリアのRCA VICTORによる「Passaporto per I´Italia」が再発売されたので、早速聴いてみました。
収録されている12曲の内のお目当ては、ヘレン・メリルとチェット・ベイカーの各2曲ですが、ニール・セダカやポール・アンカ、それにラテンのペレス・プラードの演奏等が収録されています。
(掲載したジャケットは、ファクトリーシールの付いた上から撮っています)

「PASSAPORTO PER L´ITALIA」 DIALP 923
  
A1. Perez Prado E La Sua Orchestra - Arrivederci Roma
A2. Helen Merrill - Nessuno Al Mondo
A3. Paul Anka - Ogni Giorno (Love Me Warm And Tender)
A4. Chet Baker - Il Mio Domani
A5. Neil Sedaka - Esagerata (Little Devil)
A6. Antonio Prieto - Papa
B1. Paul Anka - Voglio Sapere (I'd Like To Know)
B2. Antonio Prieto - Baciami
B3. Neil Sedaka - Un Giorno Inutile (I Must Be Dreaming)
B4. Helen Merrill - Estate
B5. Chet Baker - So Che Ti Perdero
B6. Perez Prado E La Sua Orchestra - Guaglione
録音 1962年

最初に針を落とした1曲目は、懐かしいペレス・プラード楽団が演奏するカンツォーネの「アルヴェデルチ・ローマ」ですが、演奏の途中で発するプラードの「ウォッ-」のかけ声までも入っています。

注目のヘレン・メリルの唄伴はアルマンド・トロヴァヨーリ・オーケストラが、そしてチェット・ベイカーの方はマカロニ・ウエスタンの音楽で有名なエンニオ・モリコーネ・オーケストラが担当していて、豪華極まりなく、しかも2人はイタリア語で歌っています。
また、「So Che Ti Perdero」では、チェット・ベイカーのトランペットの演奏も楽しめました。
この両名のアルバムは、同じ時期のものがイタリアのレコード会社から発売されており、それらも改めて聴き直したらここに載せたいと思います。

なお、ポール・アンカやニール・セダカも懐かしく聴きましたが、ここはジャズ掲載ということで省略します。

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セシル・テイラーの初期のアルバム(JAZZ ADVANCE)

2023-03-05 | JAZZ
セシル・テイラーの誕生日が1929年3月25日、そして亡くなったのが2018年4月5日ということから、これから彼の初期のレコードを順次聞き直していきます。

彼の初期の演奏は、ジャズ・ピアノの伝統的な奏法を踏襲しながらも、革新的なリズム感覚に加え、特異なハーモニーとパーカッシヴなサウンドに特徴があり、今聴いてもユニークですごく新鮮であることから、繰り返し聴いても興味が尽きません。
そこでその1枚目は、最初のリーダー・アルバムです。

「JAZZ ADVANCE」 TRLP 19(GXF-3121)
  
1. BEMSHA SWING
2. CHARGE EM BLUES
3. AZURE
4. SONG
5. YOU´D BE SO NICE TO COME HOME TO
6. RICKICKSAW
CECIL TAYLOR (p) BUELL NEIDLINGER (b) DENNIS CHARLES (ds) STEVE LACY (ss)
録音 1955年12月10日

取り上げている曲の中には、セロニアス・モンクやデューク・エリントンのものが含まれており、モンクの「 BEMSHA SWING」ではテーマ部こそモンク的ですが、アドリブに入ると不協和音を散りばめながら鍵盤を強く叩く奏法へと替わっていきます。
エリントンの「AZURE」では、ビュエル・ナイドレンガーが刻む4ビートの上をピアノが自由気ままに走り回る演奏の対比が刺激的です。
また、スタンダードの「YOU´D BE SO NICE TO COME HOME TO」はゆったりしたテンポによるピアノ・ソロで、最初からテーマのメロディは聞かれず、フリー・インプロヴィゼイションの演奏となっています。
スティーヴ・レイシーが参加した2曲について、「CHARGE ´EM BLUES」では、レイシーのバックで絶妙なバッキングを聞かせるかと思えば、後半ではデニス・チャールズのドラムスとのフォーバースがエキサイティングです。
また「SONG」では、自由なバリエーションの中でテイラーとの対話形式の演奏となっています。
最終曲の「RICKICKSAW」では、鍵盤を打楽器的に叩きつけながらの激しい演奏に終始しており、デニス・チャールスのドラミングもこれに応えるかの如く力強く鳴っています。

なお、この時にレコーディングした「SWEET AND LOVELY」は、オムニバス・レコードからの1枚として、以前このブログで取り挙げています。


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ウエイン・ショーターの訃報を知って

2023-03-03 | JAZZ
ウエイン・ショーターが、3月2日に亡くなったというニュースを知って、彼のブルーノート時代の代表的な2枚のアルバムを聴きました。

「ADAM´S APPLE」 BLUENOTE BST 84232
  
1. ADAM´S APPLE
2. 502 BLUES
3. EL GAUCHO
4. FOOTPRINTS
5. TERU
6. CHIEF CRAZY HORSE
WAYNE SHORTER (ts) HERBIE HANCOCK (p) REGINALD WORKMAN (b)  JOE CHAMBERS (ds)
録音 1966年2月3日、2月24日

これはウエイン・ショーターのブルーノートでの7枚目となるアルバムで、ワン・ホーンというシンプルな編成ですが、バックを務めるメンバーが、ハービー・ハンコック以下ベストな組み合わせとなっていて、いずれの演奏も充実した内容となっています。
この録音当時は、マイルス・デイビスのグループに参加していて彼のグループにも大きな影響を与えていましたが、このアルバムではそのサウンドは封印され、生ショーターのファンタスティックな演奏が堪能できます。
タイトルにもなっている「ADAM´S APPLE」は、リズミックでありながら不思議な雰囲気を持った曲で、ショーターとハンコックの対比をなすソロが魅力的であり、彼の作品の中で多くのプレイヤーが取り上げている「FOOTPRINTS」は、レジー・ワークマンのベーズ・パターンに乗って、ゆったりしたテンポの中で全員が素晴らしいソロを繰り広げています。
また、日本人の名前のようなタイトルの「TERU」は、ゆったりしたテンポで、幻想的でなんとも言えない雰囲気を持っています。


「SUPER NOVA」 BLUENOTE BST 84332
  
1. SUPER NOVA
2. SWEE-PEA
3. DINDI (*)
4. WATER BABIES
5. CAPRICORN
6. MORE THAN HUMAN
WAYNE SHORTER (ss) JOHN McLAUGHLIN (g) SONNY SHARROCK (g) WALTER BOOKER (g)*
MIROSLAV VITOUS (b) JACK DeJOHNETTE (ds, p) CHICK COREA (ds, vib)
AIRTO MOREIRA (perc) MARIA BOOKER (vo)*
録音 1969年8月29日、9月2日

フュージョン、ロックの台頭の時代の中において、このアルバムのプロデューサーは、アルフレッド・ライオンではなくデユーク・ピアソンが担当しています。
ウエイン・ショーターは、全曲ソプラノ・サックスで通し、混沌とした中にもミステリアスな雰囲気を持ったプレイを展開しており、チック・コリアがピアノを弾かずドラムスで参加しています。

タイトル曲の「SUPER NOVA」は混沌とした演奏ですが、その中でショーターの火を吹くような激しいプレイが印象に残るし、マイルス盤の「ウォーター・ベイビーズ」に収録されている「WATER BABIES」「CAPRICORN」「SWEE-PEA」については、いずれもメロディックで美しく、それに対応するリズム陣の対比が見事で、マイルス・サウンドとは一線を引いた演奏となっていて、これらは全6曲を通して一気に聴くアルバムのようです。

マイルスの時代から、これまで長い間聴いてきたウエイン・ショーターに関する多くの演奏、
享年89歳、ご冥福をお祈りいたします。

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ブライアン・ブロンバーグのベース・プレイ(CD)

2023-03-01 | JAZZ (CD)
かって、キング・レコードが「低音シリーズ」として発売したブライアン・ブロンバーグのベースが堪能できる「2枚+1」のアルバムです。

1枚目は、曲によってソロ、デュオ、トリオとなっていて、共演者はランディ・ウォルドマン (P) 、ディヴィッド・ブロンバーグ (ds) です。
スティーヴ・キューンの作曲による1曲目の「THE SAGA OF HARRISON CRABFEAHERS」を最初に聴いた時は、その驚異のテクニックと低音の響きに圧倒されましたが、これを聴く度に今でもその時の記憶が蘇ります。
収録されている11曲の内、トリオが5曲、デュオが2曲、ソロが4曲となっていて、トリオの中で印象に残るのは最初の1曲と、オーソドックスなピアノ・トリオで演奏が進行し、後半でベースをまるでギターを弾くように扱う「I LIVE YIOU」です。
また、デュオの中ではブロンバーグのオリジナルである「GOODBYE」や、「酒とバラの日々」におけるランディ・ウォルドロンによる美しいピアノ演奏が堪能できます。
そしてソロは、ビートルズの「COME TOGETHER」を始めどれも素晴らしいのですが、アメリカ国歌をソロで演奏するという大胆極まりないことを演っています。

「WOOD」 KICJ 414
 


下は第2段として発売された全曲ベース・ソロで固めたアルバムで、プレイは更に進化し、ビートルズからツェッペリンまでを完璧なテクニックで圧倒する演奏集です。

「HANDS」 KICJ 559
 

2曲目の「CUTE」は、メロディの合いの手の部分をベースの胴を叩いて1人2役をこなしていたり、ビートルズの3曲をメドレーにしたプレイでは、メロディ、リズム、ハーモニーが完璧な演奏となっています。
一方で、「カーニヴァルの朝」や、「IN A SENTIMENTAL MOOD」においては、メロディを大切にして美しい響きでベースを鳴らしており、ジャコ・パストリア名曲である「TEAN TOWN」や、ツェッペリンの「BLACK DOG」においては、飛び跳ねるようなピチピチとしていてビートの利いたハードな演奏となっています。
それにしても全13曲をベース・ソロだけで連続して聴き通すには、忍耐とエネルギーが必要です。


なお、ブライアン・ブロンバーグが、アラン・ブロードベンドのトリオで演奏している下記のアルバムは、選曲、演奏、3人のバランス共に良く、ブロンバーグのプレイに触発されてスリルも増しており、お勧めの1枚です。

「YOU AND NIGHT AND MUSIC」 KICJ 434
 

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