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チャールス・ロイドのドリーム・ウィーヴァー

2013-09-08 | JAZZ
チャールス・ロイド CHARLES LLOYD (1938年3月15日~ )  テネシー州メンフィス生まれ

チャールス・ロイドの音楽活動は、9歳でサキソフォンを手に入れたことから始まりますが、南カリフォルニア大学(USC)で音楽学位を取得し、その間にオーネット・コールマンや、エリック・ドルフィーにも出会っています。
そして未だ現役で活躍中ですが、演奏家として彼に転記をもたらした重要な人物が数多くいます。
最初は故郷メンフィスで教えを乞うた、ピアニストのフィニアス・ニューボーンJr.。
次は西海岸で出会ったドラマーのチコ・ハミルトン。
ここではエリック・ドルフィー (as、fl) の後任として、チコのバンドに迎えられ、音楽監督を務めています。
その後、ユーゼフ・ラティーフ (ts、fl) の後任として、キャノンボール・アダレイ (as) のセクステットに加わったところで、著名なプロデューサーであるジョージ・アヴァキャンの目に留まります。
ロイドは1964年~1965年の間にコロムビアから3枚のアルバムを発表した後、キャノンボールのバンドから独立し、自己のカルテットを結成、1965年夏以降、ジョージ・アヴァキャンのマネージャー兼プロデュースにより、アトランテック・レコードに次々と録音を開始していきます。

なおロイド・カルテットで重要な位置を占めるキース・ジャレット (1945年5月8日生) ですが、彼はボストンのバークリー音楽院を中退し、ヴィレッジ・ヴァンガードのジャム・セッションでピアノを弾いていたところを、アート・ブレイキーから誘われてバンドに加わります。

そのブレイキーのバンドでの、キースを捉えた1枚です。
 

しかし4か月で退団し、そこでロイドに声を掛けたとされています。
またこの2人は、1960年代の混沌とした時代の中で、共に西海岸にいた時期があり、社会の風潮に不満を抱きながらも情熱を持ったミュージシャン達が、サンフランシスコのフィルモア通りに出て、ジャム・セッションの中で腕を磨き合っていた旧知の仲でもありました。

キースがロイドのバンドを去った後の1970年代は、ジャズの一線から離れ、ロック・ミュージシャンのアルバムにも参加しますが、80年代にミシェル・ペトルトアーニ (p) と出会ったことが転機となり、再びジャズ界に復帰しています。
そして今度はペトルチアーニがバンドを離れ、暫らくの休憩の後に、元々チャールス・ロイドのファンだったという、ECMプロデューサーのマンフレッド・アイヒヤーに誘われて、さらに多くのアルバムが生まれることになります。
そのECMでは、社会の雑踏から抜け出し、自然への回帰による精神性の強いものが多くなってきています。

本題に入る前に、1964年7月のキャノンボール・アダレイ・セクステットの西海岸でのライブと、1965年5月のコロンビアでの2作目のアルバムを紹介します。
左側のアルバムでは、テナーサックス奏者の顔が写っていませんが、恐らくチャールス・ロイドでしょう。
    

またキース・ジャレットは、チャールス・ロイド・カルテット在団中の1967年5月に、アトランテック・レコード傍系のヴォルテクス・レーベルから、ロイドと同じくジョージ・アヴァキャンのプロデュースで、ピアノ・トリオでの初レコーディングを行っています。
アルバム・タイトルは「人生の2つの扉」で、メンバーはロイド・カルテットの同僚ではなく、オーネット・コールマンのベーシストであるチャーリー・ヘイデンと、ビル・エバンス・トリオのドラマーのポール・モチアンという、いずれも個性的な実力者でした。
このアルバムの中では、オーネット・コールマン的な展開も垣間見れます。
   


前置きが長くなりましたが、今回チャールス・ロイドの「ドリーム・ウィーヴァー」を取り上げたのは、アトランテック・レコードの最初の録音で、私の愛聴盤の1枚でもあるのですが、当初から聴いていたステレオ盤に加え、最近モノラル盤を入手する機会があり、ジャケットを比較してみたら、表側のレイアウトが異なっていて面白いと思ったからです。
( 残念なことに、モノラル・ジャケットは左上にパンチ・ホールが開いています )
そしていつもこだわる「音」についてですが、ステレオ盤の方のが、音に輝きがあり良かったです。
その2枚のLPを並べてみました。
「DREAM WEAVER」 ATLANTIC 1459 (SD - 1459)
    

   
1. AUTUMN SEQUENCE
 a) AUTUMN PRELUDE
 b) AUTUMN LEAVES
 c) AUTUMN ECHO
2. DREAM WEAVER
 a) MEDITATION
 b) DERVISH DANCE
3. BIRD FLIGHT
4. LOVE SHIP
5. SOMBRERO SAM
CHARLES LLOYD(ts,fl) KEITH JARRETT(p) CECIL McBEE(b) JACK DE JOHNETTE(ds)
録音 1966年3月29日

このアルバムは、十分な準備を経て録音されただけあって、ロイドの考えが十分練られた内容となっていて、それ以前のものとは全く異なったサウンドとなっています。
発売直後から大きな反響を呼び、この奏法がジョン・コルトレーンの次を担うサックス奏者だと言われた時期もありました。
アトランティック時代のチャールス・ロイド・カルテットの活動期間は僅か2年半程ですが、このレーベルへの録音は全部で8枚あります。
その8枚は1960年代後半の音楽として、ロック、ゴスペル、フリーなどが入り混じったサウンドであり、ここではハード・バップと言われる「音」を聴くことはできません。

古いSJ誌にロイド・カルテットの4人が載っている写真がありました。
今でこそキースとデジョネットは超大物ですが、ロイドのグループに参加した当時は無名のミュージシャンでした。 
それにしても「皆さん若い!」です。
ベーシストは左側の写真がセシル・マクビー、右側がロン・マクレアです。
  

またこのメンバーでの1968年のスタジオ演奏が、アナログ・テープの時代に放映されています。
ここではピアノの中に手を入れて弦をかき回したり、ソプラノ・サックスを吹くキースの姿も捉えられていました。
   

コメント
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