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続いてバド・パウエルの関連アルバムを

2013-09-17 | JAZZ
バド・パウエル以降、世に出たジャズ・ピアニストは、長・短音階を構成要素とする枠の中で、コード進行上のアイデアにおいて、多かれ少なかれバド・パウエルの影響を受けた人が殆どです。
そんな中から、今回は「パウエル」をタイトル名にしたアルバムを2枚紹介します。

最初は1924年7月22日生まれのアル・へイグです。
40年代からチャーリー・パーカーのグループに参加し、50年代はスタン・ゲッツとのレコーディングも行っていますが、当時は完全なビ・バップ・スタイルのピアニストで、少なからずバド・パウエルの影響を受けています。
今回紹介するのは、その名も「A PORTRAIT OF BUD POWELL」です。
( INTERPRAY RECORDS IP - 7707 )
   
1. BOUNCING WITH BUD
2. CELIA
3. REETS AND I
4. STRICTLY CONFIDENTIAL
5. I’LL KEEP LOVING YOU
6. DANCE OF INFIDELS
AL HAIG(p) JAMIL NASSER(b) FRANK GANT(ds)  録音 1977年7月11日 NY

このアルバムは、3曲目の「リーツ・アンド・アイ」を除き、全てパウエルが作曲していますが、その3曲目もパウエルが好んで演奏した曲です。
ヘイグの50歳を過ぎてからの演奏であるため、パウエルからの影響は殆ど感じられず、単に題材として使っただけのように思われます。
そして裏面のクレジットからは、自身のプロデュースであることが分かります。
ちなみにこのINTERPLAY RECORDSは、LA在住の妙中俊哉さんが起こしたレーベルで、住所は1449 W. 168th St. Gardena, LA 90247 となっていました。

次は1932年1月22日、東京生まれの藤井英一のアルバムです。
藤井英一は、学習院大学理学部卒業の変わり種で、学生時代からプロとして活躍しています。
卒業後は日本テレビ放送網(株)で、カメラマンをしたり、63年に来日したカウント・ベイシー・オーケストラに作、編曲を提供したり、そのリハーサルではピアノも弾いています。
そんな彼は、抜群の聴覚と高度な演奏技術を持っていて、長期間ネム音楽院のピアノ科の教授を務めていたため、古典から前衛までの音楽奏法を研究し、身に付けています。
今回のアルバム「BLUES FOR POWELL」も、タイトルからしてパウエルの愛奏曲が並んでいますが、レコードでいうA面4曲が、パウエル音楽の理論的、手法的再現となっていて、テーマ部分はわざとパウエルのそっくりさんとして演奏しています。
またB面の5~8曲目は、ビ・バップの音楽技法をそのままに演奏していて、8曲目のブルースは自身のオリジナルです。
( DENON YX - 7517 ND )
   
1. クレオパトラの夢
2. 神の子はみな踊る
3. チェロキー
4. ショーナフ
5. ストライク・アップ・ザ・バンド
6. オン・ア・スロー・ボート・トゥ・チャイナ
7. 身も心も
8. ブルース・フォー・パウエル
藤井英一(p) 稲葉国光(b) 清水 潤(ds)  録音 1977年8月17日&19日 東京

稲葉さんは以前、日野皓正のクインテットでベースを担当していたこともあり、ジャズ・フアンにはお馴染みの人で、ここでもしっかりとしたリズムを刻んでします。
清水さんは、日本のモダン・ジャズの草分け的な一人で、このアルバムではアップテンポもスローも、全てが絶妙なブラッシュワークと共に、スイング感が見事です。
なおこのレコードは、当時デノン(日本コロンビアの音楽部門)が力を入れていたPCM録音となっていて、この「音」も聴きものです。

レコードには藤井さんのオリジナル曲の楽譜と、PCM録音の解説が付いていました。
 

この2枚、偶然にも録音は同じ年の1977年でした。

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