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月の沙漠

2013-09-22 | JAZZ
童謡として歌われている「月の沙漠」の詞は、大正から昭和初期にかけて叙情的な挿絵画家として人気を博した加藤まさをが、講談社発行の雑誌『少女倶楽部』1923年(大正12年)3月号に発表した、詩と挿画からなる作品です。
これに作曲家の佐々木すぐるが曲を付け、童謡として有名になりました。
「砂漠」でなく「沙漠」の「沙」には「すなはま」の意味があり、学生時代に結核を患った加藤が、保養のために訪れた御宿海岸(千葉県)の風景から発想したとされています。
この曲もジャズ化したアルバムがあり、「Desert Moonlight」として演奏されていますので、これを取り上げてみました。

最初はリー・モーガンのリーダー・アルバムです。
「THE RUMPROLLER」 BLUE NOTE ST - 84199
   
1. THE RUMPROLLER
2. DESERT MOONLIGHT (月の沙漠)
3. ECLIPSO
4. EDDA
5. THE LADY
LEE MORGAN(tp) JOE HENDERSON(ts) RONNIE MATHEWS(p) VICTOR SPROLES(b) 
BILLY HIGGINS(ds)  録音 1965年4月21日

リー・モーガンは1956年の衝撃的なデビューから、愛人に射殺される1972年までのおよそ16年間で、ブルー・ノート・レーベルを中心に、数多くの録音を残しています。
このアルバムは、ジャズ・ロック・ムーヴメントの幕を開けた「ザ・サイドワインダー」(1963年12月21日録音)の影に隠れて地味なアルバムですが、フロントの2管は、ザ・サイドワインダーと同じメンバーで、息もあっています。
トランペットとテナー・サックスは共にBフラットの移調楽器で、同じ譜面を演奏することができますが、実際上はテナーサックスの方が1オクターブ下の音程となっていてサウンドの収まりも良く、2管の場合はこの組み合わせが最も多いです。
ここで演奏されている月の沙漠は、テーマをモーガンが担当し、2管の「ハモリ」も決まっています。
相方のジョー・ヘンは新主流派と言われた内の一人ですが、独特のフレーズでハード・バッパーのリー・モーガンを鼓舞しています。
そして、ベテラン・ドラマーのビリー・ヒギンズのサポートが、この曲を一層引き立てています。
ちなみにこのデザート・ムーンライト、LPジャケットの裏解説ではモーガンが名付けたとしています。

次はフレディ・ハバードと、ウッデイ・ショウの2管に、アルトサックスが加わったセクステットのアルバムです。
「DOUBLE TAKE」 BLUE NOTE BT - 85121
  
1. SANDOU
2. BOPERATION
3. LAMENT FOR BOOKER
4. HUB・TONES
5. DESERT MOONLIGHT (月の沙漠)
6. JUST A BALLAD FOR WOODY
7. LOTUS BLOSSOM
FREDDIE HUBBARD(tp,flh) WOODY SHAW(tp) KENNY GARRETT(as,fl) 
MULGREW MILLER(p) CECIL McBEE(b) CARL ALLEN(ds)  録音 1985年11月21~22日

トランペットの2人は、ジャケットの配置と同じく左チャンネルがフレディ、右チャンネルがウッデイとなっています。
月の沙漠は、トランペットでテーマが演奏され、メロディをウッデイが担当し、フレディはオブリガードを付けながらバックに回っています。
なおアルトサックスは、アドリブの部分にしか登場せず、すっきりした内容になっています。
テーマと中間部の挿入部分は、リー・モーガンのアルバムと全く同一のメロディとなっていますが、こちらの方が少し早い軽快なテンポで演奏されていました。
ちなみに両方の演奏時間を計ってみたところ、上が9分6秒、下が7分59秒でした。

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