久しぶりにNHK 教育テレビが歌舞伎を放映します。夜九時からです。
演目は【文七元結】で、
旧名【梅丸】が【莟玉】を襲名し、一種の主人公を演じます。
まあ、正式な主人公は、両親の方で、菊五郎と雀右衛門が演じます。この組み合わせのカップルは珍しいです。普通は、菊五郎と、組むのは時蔵です。しかし、ここでだけは、時蔵は、身売りされた娘【莟玉】を引き受ける妓楼のおかみを演じます。お色気があるというのは、雀右衛門よりも時蔵の方だから、これで、いいのでしょう。
雀右衛門が、菊五郎劇団と、組むのも珍しい事で、それは、梅玉へのご祝儀というか、【莟玉】の襲名へのご祝儀というものなのでしょう。梅玉が、菊五郎劇団と、組むので、ここに出演しているのだと、思います。
菊五郎劇団というのは、今の所、歌舞伎界の中で、最も安定したアンサンブルを誇っているカンパニーです。で、娘役は、単純な役回りで、きれいな、人の役なら【右近】、少し年上の、主役級の女方、例えば、一力茶屋の場面の、【おかる】などなら、【菊之助】が演じます。
しかし、ちょっと癖の有る役で、演技力が必要だったら、中村梅枝が、演じます。この梅枝は、３０代から、４０代の女性で、歌舞伎が好きな女性に大変人気があります。
私も実はぞっこんです。今回の演目では、突っころばしの一種で、優男を演じます。ネタバレの一種ですが、【莟玉】と、カップルを組む男を演じます。いいところの坊やの役です。しかし、見せ場は少ないです。
間違えました。主人にかわいがられていた、店員です。手代です。
もしNHKが、本当にいいものを見せたいのなら、似た様な演目ですが、松緑が、髪結い新三を演じた、通称【髪結新三】正式名は、【梅雨小袖黄八丈】の方が、筋も複雑で、出演者全員に、大きな演技力と迫力があって、素晴らしかったです。松緑は、初演として、父親の当たり役を初めて演じたのですが、熱演で、共演者も、力演でした。
今、松緑は不遇です。というのは、吉右衛門が、娘婿の菊之助に、自分の当たり役を譲りたいと思って居て、菊之助に、立ち役（男性の役）を演じる様に勧めているのだと、私は、推察して居て、そのために、同じ劇団にいる松緑は割を食って居るのです。
しかも五年ぐらい前までは、松緑の相手役は梅枝だったのに、最近、菊之助が梅枝を相手役に使って居ます。で、組み合わせが、変わってきています。
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【莟玉】は、人間国宝、【梅玉】の養子です。しかし、２チャンネルとか５チャンネルの投稿によると、梅玉の本当の子供だと、言ううわさもありますが、
一方で、ご本人の弁によれば、両親とも、出版社に勤める編集者だそうです。
私は、どちらのうわさも当たっている様な気がします。親がインテリだというのも当たっているでしょう。というのも【莟玉】はアメリカのオークランドか、どこかで、日本舞踊を披露をしています。
その際、梅玉の弟子で、英語が堪能な梅乃（のはず）が付いて行って、説明とか、着付けとか、後見をした模様です。これは、２０１８年だったので、破格の抜擢です。
もし両親が、歌舞伎座に近い、マガジンハウス社、又は、中央公論社、又は、主婦と生活社に勤務していると、そういう会社の、編集者って、有名大学を出ています。たとえば、東大・外語大・上智大学・早稲田・慶応などの事です。
そうじゃあなくて、春秋社、新潮社、日経BP社の、勤務だと、それは、鎌倉エージェントに近いので、破格の優遇となります。ともかく、編集者というのは、現在の、文化界の、特権者なので、お子様も優遇をされるでしょう。ただ、梅玉が、きちんとした人なので、しつけがよくできていて、傲慢なところはみじんもないおぼっちゃまです。しかし、人生経験が、少ないので、これ程の、優遇に、演技力の上で、応えて行けるのかが、問題です。
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他に、まあ、不遇といっても、良い役者がいっぱいいるので、そういう人達の間で、不満が鬱積すると、歌舞伎界も危ないと、思いますけれど。
この間、同じNHK教育チャンネルの、にっぽんの芸能で、【莟玉】の襲名を特集していました。その時、演目として、狂言から派生した【釣女】を紹介し、莟玉が若くて、美しいカップルを演じ愛之助と雁治郎が、滑稽な役で、醜い方を演じました。その時【莟玉】の相手役を務めたのが中村隼人です。この人も超優遇の人ですが、性格が、いいと、評判で、それが、彼に、優遇を与えている向きもあるでしょう。集中力の高さと繊細さが表情にも出てきている役者です。
私は、本日、何時も道理のものを書き始めましたが、新聞のテレビラテ欄を見て、夜の九時までは、こちらを、優先して、発表することにしました。では、
２０２０－５－３１ 雨宮舜（本名 川崎千恵子）、
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