新作出たら必ず購入する数少なきアーティストのひとつPerfumeのフルレンス作品も今回で7作目。
1stが出た当初は存在すら知らなかった(というか知られてなかった)が、あの革新的大ヒットナンバー『ポリリズム』から私もPerfumeの音楽にハマって10年目にあたる。
私もあれから歳とったけど、彼女たちも今年で三十路。
今回のアルバム『Future Pop』。
おとぎの国の森を軽やかに散歩してるかのようなメルヘンチックなイントロダクションからして「ん?ヤスタカ氏また意表を突いてきたな」と思ったが、アルバム一周したときは「え?もう終わり?」と、スレイヤーの『Reign In Blood』のA面を初めて聴いた時のような呆気なさを感じた。
で、そのままやけど「なるほど、確かに未来的でポップな作風やな」と。
今回は3分台のラジオエディットばりのコンパクトな楽曲がほとんどで、いつもの5分超えのナンバーは皆無。トータルタイム42分という、46分カセットテープにも余裕で収まるコンパクトさ。
シングル曲にカップリング曲、CMソング、映画、ドラマの主題歌など、既出の楽曲が大半を占めているが、不思議といつものような詰め込み感はなく、バラエティに富みながらももの凄くバランスの良さが感じられるスッキリとした仕上がり。
いままでで最もおしゃれポップで言葉の羅列遊びが楽しい「Tiny Baby」、なんかのコンクールの出品用に作られたかのような、硬質なデジタルサウンドと和のテイストが融合した格調高いアーティスティックなナンバー「FUSION」、3人のまっすぐな歌とポップなサウンドが痛快な「宝石の雨」など、ヤスタカ氏の相変わらずのおしゃれ感覚が十二分に発揮された楽曲を聴くと安心する。
「FUSION」は映像実験を前提としたdocomoとのコラボ企画用に作られた楽曲。
やはりかしゆかの重低音ヴォイスが耳をひく。
ただ、今回は全体的にズベベベとしたバッキバキ感がかなり抑えられ、音数も以前より少なくなったように思う。
ハジけるというよりハズむリズム。そして今回は音色ひとつひとつがとても美しい。
2曲目の表題曲が一番いつものテクノポップな楽曲かと思われるが、冒頭の美しい旋律のアコギギターのイントロにのっかるかしゆかのしなやかなヴォーカリゼーションからして今までとは違う、歳相応なアダルトさというか、なにか崇高な雰囲気が感じられる。
そして、今回はやけに歌をフィーチャーした楽曲が印象深い。
Perfumeのテクノポップな魅力はかしゆかの天然倍音の声に因るところが大きいと思われるが、今回一番まっすぐな歌い方で加工されがちなのっちの生っぽい歌声にハッとさせられる瞬間が何回かあった。
のっちのソロ歌が冒頭を飾る「Everyday」、そして映画『ちはやふる -結び-』のテーマ曲である「無限未来」がそうである。
特に崇高でウットリするような美しさのイントロ(これ映画のエンディングで流れたら、もの凄く効果的だろうなぁ)からスっと入ってくる「無限未来」の神々しいのっちのVoは秀逸。
いつの間にこんな包容力身につけたん!?
いやいや、ヤスタカ氏は、彼女たちをまた一つ上のレベルに上げた感がある。
んで、今月発売された『Sound & Recording 10月号』の表紙が、この雑誌だからこそ実現したPerfume×中田ヤスタカ氏の初4ショットということで、全く縁のない雑誌だったが思わず購入してしまった。
今回の雑誌での4者初対談。やはりこの両者の関係性は興味深い。
ヤスタカ氏独特の曲作りの考え方、3人との共同作業としてのレコーディングの姿勢。
彼は方向性を決められるのを嫌って、デモをあらかじめレコード会社に聴かせないというスタンスを貫いているそうだ。
やはり業界の常識や慣習にとらわれない人だからこそ、いい作品が作れるのだと。
そして、そういうヤスタカ氏のやり方を受け止め理解している3人の順応性もいい。
特にあ~ちゃんのこの発言には意識の高さを感じないではいられなかった。
「私は一番最初にコレーディングさせてもらているんです。あまり曲を聴き過ぎるとその歌が好きになって、歌い込んじゃうんですよ。そうなると歌心ばっかりのボーカルになってしまう。そうなると怖い・・・・・だから最初に先入観が無い状態で歌わせてもらうようにしているんです」
まぁEDM系の音楽はちょいちょい聴くんだけど、この手のジャンルに関してはかなり疎い方なので、今回の作品に2015年頃から流行り出したという“フューチャー・ベース”なるサウンド形式の要素がフンダンに取り入れてあると言うのだが、それがどんなものなのかネットで調べたり音源を聴いてみたりしたがイマイチよくわからん。
「If you wanna」がそのフューチャー・ベースなる形式の典型らしいが。あるサイトでは「簡単に言うと、スタイリッシュな図太いベース音のデジタルサウンドに女の子のキラキラとしたヴォーカルがのっかったもの」みたいな解説だった。それって、今までのPerfumeとどう違うんや?
ヤスタカ氏が構築したプライベートスタジオ。こういう写真が掲載されるのもサンレコならでは。
伝説の電話ボックス(写真右)。つか今はもうこの中で歌入れしてへんのや。
テーブル型のレトロゲーム機が置いてある。Perfumeが高校生くらいの時にスタジオにレコーディングに来てずっと遊んでたというのはこれか。
ところで、今回のジャケットデサインを見て、真っ先に伝説巨神イデオンを思い浮かべたのは私だけだろうか?
今日の1曲:『無限未来』/ Perfume
1stが出た当初は存在すら知らなかった(というか知られてなかった)が、あの革新的大ヒットナンバー『ポリリズム』から私もPerfumeの音楽にハマって10年目にあたる。
私もあれから歳とったけど、彼女たちも今年で三十路。
今回のアルバム『Future Pop』。
おとぎの国の森を軽やかに散歩してるかのようなメルヘンチックなイントロダクションからして「ん?ヤスタカ氏また意表を突いてきたな」と思ったが、アルバム一周したときは「え?もう終わり?」と、スレイヤーの『Reign In Blood』のA面を初めて聴いた時のような呆気なさを感じた。
で、そのままやけど「なるほど、確かに未来的でポップな作風やな」と。
今回は3分台のラジオエディットばりのコンパクトな楽曲がほとんどで、いつもの5分超えのナンバーは皆無。トータルタイム42分という、46分カセットテープにも余裕で収まるコンパクトさ。
シングル曲にカップリング曲、CMソング、映画、ドラマの主題歌など、既出の楽曲が大半を占めているが、不思議といつものような詰め込み感はなく、バラエティに富みながらももの凄くバランスの良さが感じられるスッキリとした仕上がり。
いままでで最もおしゃれポップで言葉の羅列遊びが楽しい「Tiny Baby」、なんかのコンクールの出品用に作られたかのような、硬質なデジタルサウンドと和のテイストが融合した格調高いアーティスティックなナンバー「FUSION」、3人のまっすぐな歌とポップなサウンドが痛快な「宝石の雨」など、ヤスタカ氏の相変わらずのおしゃれ感覚が十二分に発揮された楽曲を聴くと安心する。
「FUSION」は映像実験を前提としたdocomoとのコラボ企画用に作られた楽曲。
やはりかしゆかの重低音ヴォイスが耳をひく。
ただ、今回は全体的にズベベベとしたバッキバキ感がかなり抑えられ、音数も以前より少なくなったように思う。
ハジけるというよりハズむリズム。そして今回は音色ひとつひとつがとても美しい。
2曲目の表題曲が一番いつものテクノポップな楽曲かと思われるが、冒頭の美しい旋律のアコギギターのイントロにのっかるかしゆかのしなやかなヴォーカリゼーションからして今までとは違う、歳相応なアダルトさというか、なにか崇高な雰囲気が感じられる。
そして、今回はやけに歌をフィーチャーした楽曲が印象深い。
Perfumeのテクノポップな魅力はかしゆかの天然倍音の声に因るところが大きいと思われるが、今回一番まっすぐな歌い方で加工されがちなのっちの生っぽい歌声にハッとさせられる瞬間が何回かあった。
のっちのソロ歌が冒頭を飾る「Everyday」、そして映画『ちはやふる -結び-』のテーマ曲である「無限未来」がそうである。
特に崇高でウットリするような美しさのイントロ(これ映画のエンディングで流れたら、もの凄く効果的だろうなぁ)からスっと入ってくる「無限未来」の神々しいのっちのVoは秀逸。
いつの間にこんな包容力身につけたん!?
いやいや、ヤスタカ氏は、彼女たちをまた一つ上のレベルに上げた感がある。
んで、今月発売された『Sound & Recording 10月号』の表紙が、この雑誌だからこそ実現したPerfume×中田ヤスタカ氏の初4ショットということで、全く縁のない雑誌だったが思わず購入してしまった。
今回の雑誌での4者初対談。やはりこの両者の関係性は興味深い。
ヤスタカ氏独特の曲作りの考え方、3人との共同作業としてのレコーディングの姿勢。
彼は方向性を決められるのを嫌って、デモをあらかじめレコード会社に聴かせないというスタンスを貫いているそうだ。
やはり業界の常識や慣習にとらわれない人だからこそ、いい作品が作れるのだと。
そして、そういうヤスタカ氏のやり方を受け止め理解している3人の順応性もいい。
特にあ~ちゃんのこの発言には意識の高さを感じないではいられなかった。
「私は一番最初にコレーディングさせてもらているんです。あまり曲を聴き過ぎるとその歌が好きになって、歌い込んじゃうんですよ。そうなると歌心ばっかりのボーカルになってしまう。そうなると怖い・・・・・だから最初に先入観が無い状態で歌わせてもらうようにしているんです」
まぁEDM系の音楽はちょいちょい聴くんだけど、この手のジャンルに関してはかなり疎い方なので、今回の作品に2015年頃から流行り出したという“フューチャー・ベース”なるサウンド形式の要素がフンダンに取り入れてあると言うのだが、それがどんなものなのかネットで調べたり音源を聴いてみたりしたがイマイチよくわからん。
「If you wanna」がそのフューチャー・ベースなる形式の典型らしいが。あるサイトでは「簡単に言うと、スタイリッシュな図太いベース音のデジタルサウンドに女の子のキラキラとしたヴォーカルがのっかったもの」みたいな解説だった。それって、今までのPerfumeとどう違うんや?
ヤスタカ氏が構築したプライベートスタジオ。こういう写真が掲載されるのもサンレコならでは。
伝説の電話ボックス(写真右)。つか今はもうこの中で歌入れしてへんのや。
テーブル型のレトロゲーム機が置いてある。Perfumeが高校生くらいの時にスタジオにレコーディングに来てずっと遊んでたというのはこれか。
ところで、今回のジャケットデサインを見て、真っ先に伝説巨神イデオンを思い浮かべたのは私だけだろうか?
今日の1曲:『無限未来』/ Perfume
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