AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

マニア向け【18禁】

2008年11月23日 | プログレッシヴ草稿
断っておくが、私はボンデッジのコスチュームを着たり、人を鞭やなんかでいたぶることに至上の悦びを感じるといったような変態趣味はないし、レンタル屋でもごくオーソドックスなジャンルのものしかかりたことがない。
とりわけ痛々しいのとか、流血とかはかなり苦手な方なんです。
でもやっきになって上の写真のようなCDを落札してしまうこの衝動は、一体どうしたことだろうか?

NAKED CITYの音楽に初めて触れたのは、浪人時代に映画監督志望のサブカル男の家に遊びに行った時、ちょうど彼らの91年の2ndアルバム『拷問天国』がそやつの部屋に転がっていたのを聴かせてもらった時でした。
このサブカル男、なんでもこのSMエログロジャケに惹かれて購入したらしいのだが、グラインド・コアはおろか、メタルすら一切聴かない奴だったので、NAKED CITYのこの支離滅裂な音楽性に関しては全く理解できなかったみたいでした。
この男が紐で縛られてる肥満体の写真集とか、異常なものを次々と見せてくるのでそこから一刻も早く退散したかっのだけれど、私はこのNAKED CITYの一種異様な音楽性にひどく惹かれるものを感じており、この男に「気に入ってへんのやったら譲ってくれ」と交渉したのだが、あっさりと断られた。
「この変態野郎めが!」と思いながらも、私の嗜好の奥底にも抗い難いネラネラとした変態性が燻ぶっていることを否定することができませんでした。

NAKED CITYはサックスプレイヤーのジョン・ゾーンを中心に、ビル・フリゼル(G)、フレッド・フリス(B)、ウェイン・ホービッツ(Key)、ジョーイ・バロン(Ds)の5人から成る超絶技巧ユニット。
後に購入したイヤーエイク企画のコンピレーションCDに収録されていた“OSAKA BONDAGE”は私にとって衝撃的な1曲だった。



音楽の基盤にあるのは映像を観てもらったらわかるように、即興性の強いフリージャズだ。会場もなんかのジャズフェスティバルでのライヴのようだけど客の反応は大丈夫かと心配になってくる。ここではジョンは日本のグラインド・コアバンドSOBのTシャツを着て阿鼻叫喚めいたサックスと、それにトチ狂ったようなわめき声を担当していますが、レコーディングではこのわめき声をボアダムスのVo山塚アイがゲストで担当しているんですよね。
ジョーイのサディスティックなブラストに鞭打たれて至極の悦楽に浸るかのように、山塚アイの悶絶スクリームがばかばかしいまでの変態性を見事に演出しております。
恐ろしいまでの即興性と正確無比なテクニック、そこにグッシャグシャのグラインド・コアをブレンドしてしまうというこの変態的音楽性は、最高級のゲルマニウムジュエリーブレスレットで、ケツを血の滲むほど折檻されたような痛快さがある。
26分とトータルは短いが、その間にこのNAKED CITYの全42曲もある極上の音の責苦に絶え得る者はどれだけいようか?また、今まで知らなかった嗜好が呼び覚まされ、クセになってしまう倒錯者がどれだけ出てくるか?非常に興味深いところである。

表ジャケットは、あまりにも生々しい変態エロ写真で、私の人格、或いは性癖を疑われかねないので今回は自粛させていただきました。
歌詞カード内部には真っ裸で逆さ吊りにされた○○の写真やらの他、日本最大のエログロ漫画家である丸尾末広先生の、これまたエログロノンセンスを極めたイラスト(非常ニキモチガワルイ)が掲載されていて、何から何までとっても変態している作品です。



今日の1曲:『SACK OF SHIT』/ NAKED CITY
コメント
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