AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

悪魔の子供というより赤ゴリラ

2008年11月19日 | ルルイエ異本
クトゥルフ研究の一環として、ケーブルの映画チャンネルでやってた神話体系色濃厚と噂の『ヘルボーイ』を鑑賞してみた。
冒頭の語りからいきなしルドウィク・プリン著の『妖蛆の秘密』からの引用が出てきたので、「これは宇宙的恐怖の深淵が期待できるぞ」と思ってちょっとワクワクしたんですが・・・
なんのことはない、単なるアメコミヒーロー映画でした。それにインディ・ジョーンズとジュラシック・パークの要素が加わった感じですかね。
主人公は旧ソ連の魔術師ラスプーチンに間違って召喚されたヘルボーイという悪魔の子で、米軍に保護され飼い馴らされ魔物退治にこき使われるといった勧善懲悪モノ。まぁデビルマンみたいなもんですかね。
アクションヒーローにありがちなタフガイ気取りの主人公のキャラがいささか鼻につくノリの軽さは、暗黒神話とは全くかけ離れており、宇宙的恐怖も緊張感もユッグゴトフもありません。
制作費はそこそこかかってるみたいで、ヴィジュアル面はかなりしっかりしておりました。キャラクターデザインなんかも、敵役のナチスの殺人マシーンとか結構カッコいいし、ディープ・ワンズの一種か?と思わせる謎の水棲人もなかなかシュール。
確かに“深きものども”を彷彿とさせるモンスターやら、クラマックスで登場する異次元空間から触手を伸ばす邪神どもは、ヨグ=ソトホースなど、暗黒の深淵からの何らかの類を彷彿とさせております。
ギレルモ・デル・トロという方が監督・脚本だそうですが、元々クトゥルフものというより、アメコミ原作の映像化に際し、彼のクトゥルー趣味を遊び心で加えてみました~というノリで作製しはったんやと思えばまぁ納得。続編も近日上映されるみたいです。

デル・トロ監督は現在、『狂気の山脈にて』の映像化に取り組んでいるそうなので、『ヘルボーイ』で培った映像技術を大いに注ぎ込んでもらって、「指輪物語」に負けない壮大なスケールの神話体系モノを大いに期待したいところです。
そして完成の暁には日本でも大々的にキャンペーンを展開し、クトゥルー旋風が再び巻き起こり、全国民が大いなるクトゥルフの足元に跪く日をルルイエの家で夢見ながら待つとしよう。

クトゥルフ・ルルイエ・ハニャモゲー・フタグン・・・



今日の1曲:『Feur Frei』/ Rammstein
コメント
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