AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ひろいものおとしもの

2008年09月03日 | ルルイエ異本
クトゥルフ様のお導きか、私が今年に入ってから捜し求めていた幻の書物がとあるブックオフであっさり見つかって(しかも105円で)拍子抜けしました。
その書物とは菊池秀行氏の初クトゥルー神話作品『妖神グルメ』
もちろん今や絶版となっており、1984年朝日ソノラマ文庫から出版されたやつでセラエノ断章ばりの希少本でございます。
いや~今年読んだクトゥルーものでも1、2を争う異色作で、しかもラムレイ作品ばりの読みやすさときたもんだから非常に楽しく読ませていただきました。
とにかくノリが非常にユルくってユーモラス。
妖神クトゥルーは、限りなく飢えていた! このままでは星辰の位置が定まっても復活は危ぶまれる。」 なんていう大いなるクトゥルーが空腹で動けなくなるという発想自体、ぶっとんだ設定ではございませんか!!
そこで邪神復活のための鍵を握るのが、日本の高校生の窮極の料理人、内原富手夫の作り出すイカモノ(というよりゲテモノ)料理だった。
“ないはらふてお”。お察しの通り這い寄る混沌ナイアルラトホテップをもじったものですね。
この少年はクトゥルー眷属邪神をも屈服させる料理の腕前の持ち主なんですが、彼の邪神ハンター的使命感の全くない、とぼけたのほほんキャラがかなりいい味出してます!
クトゥルーに仕える者たちに拉致されたり、凍てつく荒野のレン高原に放り出されたりしますが、周りで何が起ころうが意に返さずされるがままで、常に窮極の料理の事しか考えておりません。
アブドゥラ・アルハズレッドをはじめ、深きものどもを率いるインスマス出身のマーシュ氏、その邪教集団を追跡するC.I.Aを指揮するのはハワード・アーミティッジ博士と、クトゥルーファン馴染みの名前が次々と出てきます。みんなじっちゃんの名に懸けて頑張ってるんだね。
米軍の原子力空母とダゴンが大乱闘を繰り広げたり、マーシュ氏率いるクトゥルー派とオリバー・ウェイトリー率いるヨグ・ソトト派がマフィアばりの抗争を繰り広げたりと、出し惜しみなしのクトゥルーお祭りどんちゃん騒ぎです。
この作品が面白いのは米軍が徹底的にコケにされたり、アメリカの食文化を結構バカにしている描写がみられるところですかね~
クトゥルー神話の教義もタップリ出てきますし、様々なクトゥルー名所も巡り渡っていきますのでガイドブック的な楽しみ方もできるんですよね~
そしてスプーンにクトゥルーが乗ってる表紙もまたいい!!(最近ではソノラマ文庫ネクストから表紙違いが出てますがこいつはかなりイケてない)
本当に久々にいい買物した~って感じでしたね。

ところがなんです!!最近2回目を読んでいたんですが、イオンのトイレにこの希少本を忘れてきちゃったんですよ!!俺のバカバカ!バカ・ソトト!!
そうなんです。私にはトイレ(大)にこもって読書に耽るという習癖があるのでございます。今まで財布を置き忘れたことはありますが、本を忘れたのは今回が初めてです。
サービスセンターに問い合わせてみましたが、本などは届けられてないとのこと。まぁクトゥルー信者はともかく、便所にあった本を誰かが持ち帰るなんてことは考えられませんし、恐らく清掃係がゴミと一緒に捨てたというのが一番考えられる線ですな~あの本の価値も知らずに。
凹むわ~

もし先週の火曜日にイオンのトイレでこの『妖神グルメ』の本を拾ったという奇特な方がいらっしゃったならば、私にご一報願います。もしネコババしようなんて考えを起こされますれば、汝にクトゥルー神の呪いが降りかかるでしょう。
もしくは、この本持ってる方がいらっしゃればどなたか譲ってくれないでしょうか?ダメですか?



今日の1曲:『N.W.O.』/ MINISTRY
コメント (2)
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