AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

街のあかり

2007年09月02日 | しねしねシネマ
予告通り、アキ・カウリスマキ監督最新作『街のあかり』を京都のミニシアターまで観にいってまいりました。
この日は昼間一回きりの上映だったが見事に寝坊。道は多少の混雑を見せてはいたが、なんとかギリギリ上映時間までには間に合いそうだった。
ただ、8台くらいしか停めれない駐車場が果たして空いているのか?満席にはなっていないだろうか?という不安感をおもくそ抱えながら車を猛スピードで走らせていた。
幸運にも駐車場は1台分だけ空いておりました。普段からここはなんか満車にならないので不思議である。みんな電車で来はるんやなぁ~、感心感心。エコだね。

さて、このフィンランドのアキ・カウリスマキ監督待望の最新作『街のあかり』は、『浮き雲』、『過去のない男』に続く敗者三部作と呼ばれる完結編だが・・・
なんじゃこれ?
敗者三部作の最終章とはいえ、主人公の敗者振りをここまで徹底的に坦々としたストーリー展開で描くか!?
友達も恋人もいない孤独なしがない警備員。このうだつのあがらない男が見事なまでに女に騙され、濡れ衣を着せられ、懲役くらって朽ち果てていく。
『過去のない男』では主人公はもちろん、しわくちゃのヒロインにも、強欲な警備員にもなにかしら人間的な魅力がありましたが、この映画の主人公には全くといっていいところがない。
人間どんなに堕ちても魅力ある者には自然と周りが同調し近寄ってくるが、ダメなヤツはダメなまま騙され利用されて捨てられる。
私自身どちらかというとダメ人間なので、この映画を観ていてなんかヘコみそうになりました。最期もうちょっと救いみたいな要素がないとこれでは辛過ぎる。
しかし何度も比べてすみませんが『過去のない男』があれだけ面白かったのに、なんで今回はこうも・・・なんてゆうか・・・その・・・

やっぱり私みたいな半端モンが柄にもない映画観るもんやないですわ。
この映画のいいところをあげるとすると、主人公が女に「ディスコへ行こう」と誘うのだが(ディスコて!)、着いたところは時代遅れなバンドマンが演奏してるライヴハウスみたいなところ。そのバンドマンの演ってる曲のイントロギターのアヴァンギャルドさが印象深かった。
確かにこの監督特有の音楽趣味のよさ、映像のコントラストの艶やかさなど、そして登場人物の無表情さは相変わらず光ってはいるんですが、ストーリーがあれではもちませんわ。

そんな主人公にも最期まで見守ってくれてる者たちがおりました。グリル屋の女と黒人の子供と犬。
あのグリル屋台のネオンの灯りが彼の唯一の“あかり”だったのかもしれません。彼はその“あかり”に気付かぬままラストを迎えるわけですが・・・ああ、虚しい。
まぁ昨日私にとって駐車場が一台分空いてたのが正に“あかり”でしたね。

オススメ度:★★

今日の1曲:『もっと光を!』/ 人間椅子
コメント (2)
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