AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6218:特殊装置

2023年03月12日 | ノンジャンル

 リディーマーは「救い主」という意味合いである。そのせいであろうか、そのスピーカーの造形はどこかしら宗教的な儀式に用いられる神具のような神秘的な雰囲気を纏っている。

 リディーマーは左右のサテライトスピーカーとウーファー部で構成された3D方式を採用している。この3D方式が基本であるが、長年このスピーカーを愛用されているサンフラワーさんのお宅では、その応用編である2×2方式が導入されていた。基本型である3D方式にさらにウーファーを1基追加したのが2×2方式である。

 その接続方法がかなり複雑で、当初の接続方法から、リディーマーの開発者に確認した接続方法に変更するとぐっと質感が変化したとのことであった。

 二つのサテライトスピーカーと二つのウーファーがとても広くしかも天井が吹き抜けになっているリビングルームにセッティングされている。

 今日はお互いの仕事の合間を縫って、サンフラワーさんのお宅でのミニOFF会であった。

 リディーマーそのものがとても希少価値の高いスピーカーであるが、2×2方式のリディーマーとなるとさらにその希少価値は上がるであろう。

 まずかかったのはベートーベンのピアノソナタ。ピアニストはクラウディオ・アラウ。CDプレーヤーはCEC CH5000R。プリメインアンプはオーラデザイン VA-50。この一風変わった組み合わせは、このスピーカーの開発者の推奨の組合せである。

 もともと空間表現が素晴らしいスピーカーであったが、2×2方式に発展した効果であろうか、音の実体感、音の厚みが相当に向上していた。実際のコンサートホールで聴いているような感覚がとても気持ち良い。

 リディーマーはスピーカーが鳴っているという感覚がなく、空間そのものが鳴っているという鳴り方なので、センター位置に拘る必要性は全くなく、スピーカー位置から相当後方、センターから1,2、メートル右側にずれた位置に置かれたリクライニングチェアに座って聴くと、とても気持ちよく音楽に浸れる。

 天井が吹き抜けである効果もあるのであろう、コンサートホールの広さ、高さ、奥行きが相当にリアルに表現されていて、改めて驚いた。

 クラシックを中心としてCDとレコードを聴かせていただいた。短い時間であったが、その音の質感はとても自然で透明感溢れるもので、広い空間表現と生演奏に近い音の実体感が心に響いた。

 リディーマーのセッティングはしっかりとした方程式があるようで、セッティングがぴたっと決まると、自然で広大な空間表現が達成される。応用編である2×2方式にするとその見事な空間表現に音の厚みが加わり、実体感がぐっとアップするようである。

 リディーマーは、その外観がスピーカーと言うよりも、何かしらのオブジェのような雰囲気がある。そして、その音の出方がスピーカーの存在を全く感じさせないこともあり、オーディオ機器がそこにあるという感覚が希薄である。

 オーディオ機器というよりも、広い空間に音楽を発生させる特殊な装置のような存在感があるリディーマー。その存在感は唯一無二であると言ってもいいであろう。発売から30年が経過した「特殊装置」であるが、その存在価値は依然高いままである。

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