今日は久しぶりに特別な用事もなく、おまけに爽やかな秋晴れとあってこの秋最高の休日だ。こんな日に家でじっとしているのはあまりにもったいないと、朝飯を食べるとすぐにランニングに出る準備に取り掛かる。このところ雑用があったり天気が悪かったりで、長い距離を走るよりも、短めの距離をスピードを上げて走るということを続けてきたので、今日はのんびり長距離を走ってくることにした。
コロナ騒動以来立ち寄っていなかった日本三大桜のひとつ、三春の滝桜まで久しぶりに走ってこようと、意気揚々と出発する。往復すれば約25キロほどの距離だ。3時間以内に帰ってくるのを目標に、秋の空気を肺一杯に感じながら走る。
途中、爪先上がりの急な登りが続く道を、汗だくになって走る。目に汗が入って仕方ないが、目をつぶるようにしてよじ登る。とにかく坂のてっぺんまで是が非でも今日は駆け上がりたいのだ。と、頑張っていたら、足元がもつれて思いっきりこけた。左手のひら、左足の膝をアスファルトに叩きつけ、右ひじと右足ふくらはぎにしこたま擦り傷を作った。幸い車も人もいなかったので、誰にも目撃されなかったが、しばらくは全身が痺れまくった。
これだけ思いっきりこけたのは二度目だ。前回は転んだところを目撃され、おまけに肘と膝から出血したので恥ずかしかったが、今回はとりあえず恥をかくことだけはまぬがれた。とはいえ、これですっかりテンションが下がり、滝桜まで走ってくるつもりが、三春ダムまで走ったところで引き返すことにした。
人間、テンションが上がりすぎると、途端にしくじるようにできているらしい。帰り道は擦り傷に汗が沁みてヒリヒリと痛む中、オリジナル俳句をひねりながら気を紛らわせて走ることにした。
お調子者がずっこける
ついでなので、今日までに作った分も書きつけておくことにする。
なぜか淋しい秋の風
夕空青い雲ひとつ
共に枯れゆく身の周り
虫の音に囲まれている
杉のてっぺんに三日月
星ひとつ街灯ともる