おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

面白そうな人

2021-10-26 11:17:01 | 日記

 親鸞さんの教えを書き残した唯円さんの「歎異抄」を頑張って読み終わった。難しい本なので、一回読んだくらいではとても僕の頭では理解できないのだが、とりあえず一旦横に置いておくことにする。というのも、昨日、ネットで注文していた「良寛の生涯その心」(松本市壽著)が届いたからだ。

 良寛さんの本を本屋に出かけて探してみたが、結局1冊も見つけられなかった。その点ネットでは検索すれば、いろんな関連本が出てくる。おまけに中古本もあるから、近頃はもっぱら中古本ばかりを買っている。どうせ読んでいるうちに、コーヒーをこぼしたり、折り癖がついたりするのだから、よほどオンボロでない限り、中古本で十分だ。図書館の本のほうがよほどボロボロだったり、書き込みがあったりして、残念な本が多い。

 で、今朝も4時に起きて(すっかりルーティンになってきた)コーヒーを飲みながら良寛さんの本を開く。

 まだ頭の50ページを読んだところで、良寛さんが二十歳過ぎになったところまでだが、なかなか面白いそうな人なのである。

 家は出雲崎一帯を仕切る名家であり、そこの長男として生まれた良寛さんは、13歳の頃には寺子屋で書と共に論語やら荘子やら老子を習う。18歳になると、俳句の道楽のあった父親が良寛さんに後を継がせて、自分は隠居生活に入ろうとしていたのだが、良寛さんは家出をしてしまうのである。

 今でも何か悶々とした理想を抱えた若者が、家の跡継ぎとして期待されるというのは反抗したくなるものだが、おそらくそれと同じことが良寛さんにあったのだろう。ただ、未成年は仏門に入るにも親の許可が必要だったため、友人を頼ったり、あちこちの寺に潜り込んだりしていたのだが、ある時実家に近い立派なお寺のお坊さんの仲介により父親と和解し、正式に仏門に入り修行することになる。

 修行ののち、22歳にして大愚良寛の法号を授かり、正式に禅僧となったわけだが、実家へは帰らず、将来を期待された良寛さんはさっさと放浪の旅に出てしまうのである。

 と、今朝はここまで読んだところだが、良寛さんの人気は生きているときから大変なものがあった。が、良寛さんという人は、書家として抜きん出ていたというわけではないし、学者として何か業績があったわけではない。立派なお寺の和尚さんでもなければ、歌は詠んでもずば抜けた詩人だったわけでもない。それなのに、当時江戸からも尋ねてくる人もあったし、夏目漱石はその生き方に理想を見ていたというから、何がそれほど人を惹きつけたのか興味が湧くのである。

 ちなみに生きていた時代は、江戸幕末。良寛さんの死から40年後、時代は明治に突入する。

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