野性のウサギやシカやイノシシ、それからアナグマにも、九州にいたときには山登りに出かけて出会ったことはある。が、福島に来てみると、どうやら福島のほうがより野生動物には住みやすいと見え、リスは何度か目撃したし、先日の大雪の日には、畑の上でこっちをじっと見つめるウサギと出会った。ハクビシンの子供が、真っ黒いトトを親と間違えたのか、ピーピー鳴きながら寄って来て、親のハクビシンがもう一匹の子供と一緒に、心配そうに見守っていたこともあった。裏磐梯ではニホンカモシカと恐怖のご対面をした。
今朝はいつもより少しだけ早く家を出たら、雑木林の横をスタスタと走って行くタヌキと遭遇した。タヌキとは去年の冬に1度遭遇しているが、そのときは夕暮れの薄暗い時間に、草むらから半分顔を出してこちらをうかがっていたので、全身を見たわけではない。今回はすぐ近くで、ずんぐりした胴体についた短い足をちょこちょこ動かして走る姿を見ることができ、大感激である。早起きは三文の得だと言うのは、昔の人のたいした知恵なのだ。
リスに関して、テレビで観ていたら、「ニホンリス」やら「エゾリス」やら種類がいろいろいるのがわかったので、きっとタヌキも「ニホンタヌキ」やら「セイヨウタヌキ」やらいるんだろうと調べてみることにした。
面白いことに、日本では森林でも都市部でも見かけることができるタヌキは、極東だけに棲息する極めて珍しい動物なんだそうだ。今でこそ毛皮を採る目的で海外にも連れていかれ、そこで分布を広げているらしいが、実は日本的な生き物なのである。
ちなみに、「ホンドタヌキ」と「エゾタヌキ」が日本には棲息しているらしいが、僕の見たのはきっとホンドタヌキのほうだろう。「ムジナ」、「マミ」、「アナッポ」、「アナホリ」、「カイネホリ」、「ダンザ」、「トンチボー」、「ハチムジナ」、「バンブク」、「ボーズ」、「マメダ」、「ヨモノ」。これはみなタヌキの地域における呼び方なんだそうだ。中にはアナグマとの区別がきちんとついていないものもあるが、これだけ名前を持つというのは、いかに人間と密接に関わって来たかの証明だとも言える。
にも関わらず、野性のタヌキをほとんど見ないとしたら、この国の環境はかなりおかしなことになっているのだろう。
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