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ハリルジャパン(145) 日本サッカー、世界的現段階 ⑤  文科系

2017年12月04日 12時22分33秒 | スポーツ
ハリルジャパン(145)日本サッカー、世界的現段階 ⑤最終回  文科系

 今回は最終回です。ハリル流「モダンサッカー」の解説ということになります。

 142回の広島、143回の鹿島、144回の浦和と、三つの異なるチームが世界相手にそれぞれ繰り広げた優秀な戦いをまとめてきて、共通点が多く、大きいことに驚く。そしてその共通点は、ハリルジャパンの例えばオーストラリア戦などとも実によく似ていて、それまでの代表が目差したものと余りにも違うことにも気付くのである。過去の日本代表と比べるとこんな点が違う。

①ボールキープには拘らず、守りを強化している。ただし、この守りという言葉は「ゴール前を固める」などを連想させて不正確であって、現代サッカーではもう、こう訂正すべきであろう

相手のボールを潰し、奪うこと。その必須条件がここで何度も解説してきたコンパクト・ゾーン・プレス・ディフェンス。これは、前中後陣どこにおいても布陣できるものであって、要はこういうこと。相手のボールを奪う分だけ、敵は身方ゴールに近づけず、シュートも少なくなると。なお、相手のボールを奪う技術とはそのまま、身方ゴール前では相手ボールを自由にさせない技術にもなる。

③では、攻撃はというと、こういう内容、表現になる。上記のような組織としてのボール奪取力を点取りにも生かすと。敵陣形が防御体制としては乱れているときなどにチームとしてゾーン・プレスを意識してボールが奪えれば、長短のカウンターが決まりやすいという理論によるものだ。この攻撃的守備は、攻撃とは繋ぎのことだとか、カウンターはリアクションサッカーでロマンがないとかの見方を、古いものにしてしまったと愚考する。原口や金崎のボール奪取からカウンターというスタイルを観ていると、そう思わずには居られない。

④以上のようなチームの勝利パターンは、こんなふうになろう。先ず相手が攻めてくる。潰しが強いから余り身方ゴールには近づけないだけでなく、その潰しが速いカウンターに繋がることが分かって、相手がびびり始める。すると昔の日本のように、横パス、バックパスが多くなって、徒にボールキープ率だけが上がるのみ。つまり身方から観れば、キープ率3割を割っても、シュート数、コーナーキック数ではそれぞれ、相手の4倍、3倍などと、あのオーストラリア戦のような数字が弾き出されるわけだ。こんなゲームを「キープ3割だから弱いチーム、守備型チームである」などと観るのは、古い「繋ぎ型サッカー」の目がもたらす誤りである。古い評価ポイントによる曇った観戦眼ということになる。

⑤では、相手がゴール前を固めて攻めて来ないチームなら、どうするか。こちらが高い位置のコンパクトプレス陣形を採るだけのことだ。この場合は、身方DFのオフサイド・トラップ・ライン・コントロール技術が確かめられるが、鹿島や浦和のそれは、ビラスボアス、スコラーリなど世界に名のある監督らをも驚かせた技術を持っている。
 ただし、この点ではまだ日本代表は発展途上である。それがブラジル戦の前半に露呈された。ブラジル戦の後で大いに論議してベルギー戦では修正されたのだが、今後に向けてとても大きい収穫になった。ゲーム中に選手同士で、その都度、前中後陣形(コンパクト・プレス・ゾーンをどこに形成するか)の意思一致をする方法を確立したのである。「(意思一致をした時には)前からのプレスを信じて、後ろは上げる」というやり方を進歩させたようだ。ドイツ大会、ブラジル大会はこの点で破綻したとも言える。


 以上のような戦いが日本人に合っている理由が色々あるのだが、それは読者諸氏、あれこれと考えてみて下さい。
 ここまで読んで下さった方々、謹んで深謝です。これで終わります。


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ハリルジャパン(144) 日本サッカー、世界的現段階 ④  文科系

2017年12月03日 22時16分13秒 | スポーツ
 さて、今まで15年と16年の世界クラブワールドカップにおける日本勢の戦いを観てきた。今回は先日のアジア予選、ACLの浦和の戦い、準決勝の上海上港戦、決勝のアルヒラル戦である。前者は10月19日、後者は11月27日の拙エントリーから抜粋する。

【 浦和の得点は前半11分、日本側から観て右コーナーキックをラファエルシルバがヘッドで入れたもの。が、ここまでにして既に、このゲームに懸けた浦和の魂がそこら中に現れていた。3分、阿部がエウケソンを吹っ飛ばせば、中国人選手のドリブルなどには浦和側はどんどん突っかけてボールを奪う。180㎝、85キロというサッカー選手には珍しい筋肉の塊・フッキには、槙野、遠藤、阿部、コオロギらがほとんど仕事をさせない。牧野のプレスを嫌ったフッキが下がってくると、時にコオロギまでが付いてくるのには、まー驚いたこと! こうして怖いのはただ、オスカルのみ。
(中略)
 
 さて、勝因はこんなところだろう。
①何よりも、相手を飲んだとさえ言える、「魂入った潰し」。「フッキとエウケソンに上手く渡らないようにしさえすれば、あとの中国選手などは軽いもの」と申し合わせてあったと思うほどのそれだ
②中国人選手は反則以外には何も出来ないという感じさえ観られた。結果として、ただオスカルだけが目立ち、不気味で、上手くボールを受けられないフッキは終始不機嫌、審判に怒りまくると、そんなゲームだったのである。
③シュート数は、8対10程、槙野のバー直撃ヘッドなど浦和の方が良いチャンスが多かった感じで、コーナーはほぼ互角。
(中略)
ゲーム後敵将ビラス・ボアスの言葉も、勝因を明確に語っていた。
「私が聞いた話だと浦和ディフェンスの何人かは日本代表の選手でもあるということで本当に強いディフェンスラインだと今日改めて思いました」
 】

【 ①前半の前半ぐらいまでは、両チームがDFラインを押し上げて、中盤のつぶし合いが熾烈だった。繋ぎに強いヒラル、潰しが強い浦和という様相だったのだから、浦和劣勢と見えて当然である。ただし、30分過ぎからは、ヒラルのペースが落ちてきた。ファールが目立ったから、これが分かる。後から振り返れば、後半にヒラル1人2ファールで退場という事態への伏線が、すでに前半の終わりの方で見られていたことになる。
(中略)

②さて後半の前半、ヒラルが攻めに出るのは必然。ヒラルのホームで1対1の前戦に対して、最低1得点はしなければ敗北だからだ。ヒラルの攻めに対して浦和が粘り強く守るも、20分過ぎには浦和のバイタルエリアが次第に空くようになる。そんな浦和は、ゴール前を固めるブロック守備もやむなくされて、苦しい時間帯が続いた33分。敵選手1人が2ファール目、退場。今までの経過から見て、ここで勝利はほぼ決まった。43分にラファエルのカウンターで、1対0勝利。

③シュート数もコーナーキック数もほぼ同じというのは、第1戦よりも浦和の健闘ぶりを示している。特に、守備・潰しが健闘しており、代表監督ハリルもご満悦という闘い方であった。この守備健闘の典型として、右サイドバックを努めた遠藤について、あるサイトの記事を転載する。こんなに強力な、遠藤を観ると、長澤や槙野と共に、攻撃的守備を新たな看板にしたとも言える浦和の若手代名詞と分かるのである。

『この決勝第2戦で遠藤が見せたプレーや残したデータが素晴らしいものだったことを特筆すべきだろう。大会公式サイトが公開しているデータで、遠藤が残したこのゲームでの“デュエル”の数値は凄まじい。地上戦で15勝3敗、空中戦で7戦全勝。つまり、トータルして25戦を22勝3敗ということなる。これを勝率にすれば88%だ。それだけ、ボール際の争いで強さを発揮し、縦へのフィードや逆サイドからのクロスに対して堅牢な守備を見せた。浦和の右サイドには、恐ろしく強固なカギが掛かっていたことが分かる。
 さらに、自分が受けたファウルは二つだが、犯したファウルはゼロ。激しく相手に体をぶつけながら、そのプレーは非常にフェアなものだったということだ。守備の選手として、これ以上の結果やプレーはないだろう。』

④結論として、こういうのが日本チームの闘い方なのだろう。この戦いの去年の頂点、12月の世界クラブカップ戦で鹿島が南米チャンピオンを負かし、欧州チャンピオン・レアルと90分2対2の激闘を演じたのと同じ闘い方だと観たものだ。ただ、潰しで隙を作らないという意味でこんな危うい死闘は、国代表なら無失点で済むだろうかとは思わされた。代表の攻守の連携は、クラブほどは鍛えられないからである。 】

(あと1回で終わります)
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対戦国決定 1970

2017年12月02日 20時00分44秒 | Weblog
巷ではくじ運良かったとの声が挙がってるが、あまりそうは思わないね~。
H組は3強1弱の組み合わせだからな。2強2弱なら戦い易く良かったと思うが。

セネガルは強いんだよ。ポット3の中ではかなり強い。
リバプールのマネのスピードはプレミアでもかなりのもの。ハイチのFWに千切られた日本DF陣には相当厳しい。
そして、コロンビア、セネガル、ポーランドにしてみれば、この組で確実に勝ち点3を計算出来るのは日本しかない。従って日本戦はなりふり構わず勝ちに来る。

格上チームにボールを預けるスタイルのハリルシステムだと、それぞれに強力FWがいる3チームに70%程度支配されながらの戦いになる。
日本の運命を決めるのは攻撃力になるだろうね。
毎試合最低1点は失点すると考えれば勝つには2点必要になる。
今の攻撃力では短いボール支配の間に2得点出来るような攻撃力は無い。
これを解消するシステムなり選手を考えないと今回は何も痕跡を残せないままロシアを去ることになるだろう。

これがね、2強2弱の組ならばターゲットを絞るのも簡単だったけどね。
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随筆紹介 「連れ合い」    文科系

2017年12月02日 09時49分00秒 | 文芸作品
  随筆  連れ合い  S・Yさんの作品です
      

 再婚して三十余年、三人の子どもらもそこそこ人並みに成人した。
 再婚した夫は悪い人ではない。むしろ人間性はいいと思う。しかし人には相性がある。そうなあのだ。反りが合わないというのはほんとに難しくて説明しにくい。夫婦は長年連れ添うと空気のような存在というが、そうでもない。日々生活するなかで何度も神経を逆なでされるときがある。いいかげんに慣れて、夫との関係性を良くするために私なりに対策を考えたり、努力はしてみた。してみたが、所詮、平行線で歩み寄ることは困難だった。古希を過ぎた夫の性格がいまさら変わるわけでなし、諦めて距離を保ったままの方が互いに楽に生きられるのかもしれない。そうはいっても、夫にはいろいろな意味で感謝はしている。

 しかし近頃つくづく思う。
 先夫とは正反対の、よくもよくもこんなに真逆な人を私は選んだものだと。
 先夫は不器用な人であった。家具や玩具のちょっとした修理や簡単な庭仕事も全く出来なかった。下戸でスポーツも苦手。だが反面、マメな男で人との付き合い方は巧かった。話題が豊富でユニークで口が巧かった。見栄っ張りでもあったが面白い人だった。
 もっとも先夫と知り合ったのは、私がまだ二十歳前のころ。当時、先夫はソ連から北欧、東欧と旅を続け、当時の西ドイツの自動車工場で働いていて、たまたま一時帰国したばかりのころだった。今から半世紀も前のころ、海外に行くことなど珍しかった時代、十代の世間知らずの私が、彼の話す異国や旅の話に圧倒されて夢中になるなどたやすかった。
 なにより彼はおしゃれだった。ブランド好きで、イタリアやパリにいたころのシャツや革ジャンを着ていてファッションにはうるさく、付き合い始めてすぐに私は自分が無理をしているのに気づいた。話を合わせようと背伸びをし過ぎていた。結婚してからも私は彼の言うがままに自分らしさを封じ込め、自信を失くしていった気がする。素朴な田舎娘がそのうち自分好みに変わるだろう、先夫はそう思っていたようだった。結果、十年ほどで別れた。

 今の夫は先夫とは真逆だけに、驚くほど器用で、たいがいの壊れた物は直してしまう。だがプロの業者に任せたいことまでも手を出すのが困りもの。センスがないのだが、頑固で気短なので聞く耳をもたない。口数も少なくて人付き合いも上手くはないが、スポーツは万能である。酒が入ると饒舌になる。真っ正直な人だ。(だから、やりにくい)ファッションやブランドにも一切興味がなく、流行にも左右されず(だから、ダサイ)なにかポリシーがあるのかな?と思うほどにかたくなで、冗談も通じない。(だから、つまらない)
 必然的に今の夫は私の服装や行動にもまったく興味がないので、私は毎日自由奔放だ。先夫の顔色を窺いながらビクビクと暮らしていたころに比べたら、天と地ほどの差だ。

 二人の連れ合いは共に生い立ちが貧しかった。
 先夫はそれゆえに一流やブランドに固執していたような気がする。今の夫は何事にも見栄を張ることなく、あるがままを受け入れるというのは私も見習いたいところだ。そして残念なことに二人の連れ合いは共にイケメンではないのは一致している。
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ハリルジャパン(143)日本サッカー、世界的現段階 ③  文科系

2017年12月02日 09時40分46秒 | スポーツ
 今回は、昨年のクラブワールドカップにおける鹿島の準優勝を取り上げたい。これはアジア勢では初の快挙である。

『 Jリーグの鹿島アントラーズが、世界各大陸チャンピオンクラブ大会(クラブワールドカップ)で歴史的1勝を挙げた。アジア代表がどうしても崩せなかった西欧、南米の一角、南米チャンピオン、コロンビア・メデジン市のアトレティコ・ナシオナルを3対0で破って、この両地域以外から決勝戦に進んだチーム、国に仲間入りした。
 去年の広島がやはり、南米代表のアルゼンチンはリーベル・プレート相手に優勢だったのに0対1で惜敗するまで、次第に「勝てるかも知れない」と思い始めてきた僕だったから、ついにという感じだ。
 前半は、準々決勝のアフリカ代表戦と同じで、明らかに押されていた。相手は脚も速いなど身体能力も個人技術も高く、そもそもシュート力が凄くって、正にゴールに向かってダイレクトなサッカー。対する鹿島の特長は、組織的守備の一語に尽きる。ゴール前が特に堅かったし、中盤などでも組織的ボール奪取力が光ったので、メデジンは中盤のボール回しなどで焦り始めていたように見えた。その焦りが単調な攻撃・特にシュートを生んだのではなかったか。凄いシュート力だが、攻撃にもう一工夫必要だという感じがしたもの。33分のPK得点は、敵ゴール前でDFの1人がマークした日本選手について行けず反則を犯したことによってもたらされたもの。PK場面からはちょっと遅れてのビデオによるPK判定と、とても興味深いシーンを観られた。

 後半もメデジンが攻めたが、攻め疲れという感じから後半20分過ぎの僕のノートにはこう書いてある。
「メデジンに疲れも出て来たのか、ゴール前のボール受け走りが少なくなるなど、得点への組織的意欲が減ってきた?」
 後はもう、攻め焦る敵に、鹿島のカウンターだけというサッカーでは良くある場面の連続だ。鹿島のカウンターに敵が振り切られている感じが増えて、38分には2対0、直後に3対0。まー、あれだけ攻めて得点できなければ、そりゃ疲れるだろうというゲームになった。ただ、勝った鹿島だが、準決勝のアフリカ代表戦でも前半は確かシュートはゼロで敵シュートは無数に浴びていた。「守備組織」に自信があって「守備から入って、相手攻撃がよく見えるチーム」と評することもできるはずだ。一つの面白い戦い方を築き上げたなという感じがした。

「組織能力対個人能力」、サッカーでは特にある対戦をこう評することが多いが、まさにそんな闘いだった。個人の技術技能、体力などの劣位を、組織力でカバー出来たという典型的なゲームということだろう。』(2016年12月15日の当ブログ、拙エントリーから)

 なお、レアルとの決勝戦は、短いがこんな評になった。
『レアルとのゲームはやはり、メデジンとのゲームと同様に「組織的守備」が光った。前回にもこう書かせて頂いたところだ。
「守備から入り、相手攻撃がよく見えるチーム」、一つの面白い戦い方を築き上げたなという感じだ。
 レアルの鹿島評も、こういうもの。
「守備がよい。攻守の切り替えも早い。本当によく走る」

 この走りが落ちてきた時に負けたのである。柴崎がそう語っているが、逆に言えば90分走り回されたから、延長戦に入って走れなくなった時に失点と、そんなゲームだったのだ。メデジンにしても、世界最高の個人を集めたレアルにしても、個人能力でいえば数段上のチーム。それを、組織の見事さ、特に組織的走りで対等に戦ったという典型的なゲームと言えよう。この1勝と「90分は同点」との2ゲームは、アジアにとって限りない自信になるはずであって、今後の世界戦がますます楽しみになったと言える。』(2016年12月22日のエントリーから)

 なお、以上の闘いに臨むに当たって、鹿島の方針はこう言うものだったと、石井監督は語っている。
『自分たちからボールを奪いに行く守備の形や、攻撃では相手陣内で自分たちがボールを動かす時間を長くすることです』
『まずは相手の攻撃力を削ぐことと、自分たちがボールを持ったときに、しっかり相手陣内で動かしてスキを狙って攻撃することがポイントだと考えました』


(あと2回続く)
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川崎、優勝を期待  文科系

2017年12月01日 19時37分55秒 | スポーツ
 明日、川崎の優勝へと期待したい。その訳は、この通り。
 
 今のJリーグは、正に激動の時期。言い換えれば、下克上の時期。
 一昨年までの強者広島が見る影もなく、Jでは不振の浦和が一発勝負のACLで日本勢9年ぶりの優勝。長く強者であったガンバが古いやり方で勝てず、それぞれ名監督を得たセレッソと磐田とが急上昇。こんな面白い見物はないという時期である。
 これら全てが、世界的に見てドングリの背比べというのではなく、世界水準の戦いであるのは、以下のように明らか。去年のクラブワールドカップ鹿島準優勝、先日演じられたACL浦和優勝!

 そんないま、さて明日は、1位の鹿島が磐田と、2位の川崎が大宮と当たる。後者は川崎の勝ちだが、前者では磐田が勝つと切望したい。これでもって、この大下克上に画竜点睛が付されるというもの。そうなれば、1、2位が逆転。早くも名監督の気配を放ち始めた名波監督が、この難敵相手に現在の全知全能を振り絞って勝つ道を見つけると確信するのである。

 日本サッカーには今、激動がうねっている。若い優秀な監督を輩出してきたからだ。そろそろ外国の監督の力を借りる必要もないほどに。鹿島はすでに何人も日本人監督候補を育てた模様だし、ペトロビッチの後の堀は見事で、風間の後の鬼木も見事。セレッソのユン監督も日本で育ったようなもので、これで川崎優勝ならば、新人鬼木監督に大きな箔が付くというもの。日本人監督たちによる下克上が、これによってさらに激しくなる理屈だ。

 日本のサッカーが世界的なショートカウンター全盛、それに必要なデュエルの強化という新戦略とともに、音を立てて向上、発展している。
 
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ハリルジャパン(142)日本サッカー、世界的現段階 ②  文科系

2017年12月01日 08時49分52秒 | スポーツ
 以下のように書いて、連載を予告したその2回目である。
『標記のご大層な題名でものを考えられる時代が日本にもやってきた。これには、2つの場面があって、一つが、W杯を頂点とした日本代表の海外代表との対戦、今一つが、日本代表クラブの世界との対戦。・・・・後者については、そろそろ大きなことが言える時代が来たのだと、そこを強調したい』
 ここから先ず、第一に問題提起をしたここから今回を出発する。
『 ①この10年、日本クラブはアジア・クラブ内部でもどう弱くなっていたのか。そして、ここ数年そこをどう克服できたのか』

 07年浦和、08年のガンバ優勝後、最近まで日本がアジアACLで相対的に弱くなったのは何故か。06年W杯初戦を観れば、日本が肉弾戦に弱いのは素人でも分かった。以降の日本はアジアでも特に韓国のこの肉弾戦でやられるなど、以下のような国に優勝をさらわれていった。韓国4回、中国2回、豪州とカタール各1回。なお近年中国にやられたのは、金に飽かして世界的な監督、名選手を掻き集め始めたからである。それが、15年広島と16年鹿島の世界クラブW杯での大活躍、今年の浦和のACL優勝と、日本大復活を遂げてきたのだった。

 今回は、15年の広島の活躍を観てみよう。
まず、準々決勝のアフリカチャンピオン、マゼンベ戦を、僕はこう観た。
『 さて、アフリカ代表クラブ・マゼンベ戦である。
 前半の20分くらいまでのマゼンベは、攻めた、攻めた! 得意の基礎体力、凄まじいスピードに物を言わせて、これでもかという勢いだった。身体のスピードばかりではない。パスも速いし、判断も速く、ボールを回す技術もあった。
 対する広島は、この20分をどう戦ったか。ゲーム前から公約していたようにただ一言、「闘いに負けない」。これである。ちなみに、日本チームが外国とやる場合、代表戦でも実はここで負けた。アジアチャンピオンズリーグでも、初めて出る日本チームなどはまず例外なく、ここで躓いた。特に、相手からボールを奪う、あるいは、奪われない、そういう1対1局面で勝ちきることが外国勢とやる場合の肝腎のこと。広島をこれを見事にやってみせた。

 前半20分を過ぎ、25分ほどになってくると、広島のこの点が少しずつゲームを優位に変え始めたのである。なによりも、マゼンベよりも選手1人1人の視野がちょっと広いのである。相手の動きを見定め、1対1の闘いになりそうな局面において、広島の方が少しずつ位置取り・出足がよくなって、言わば相手を見切り始めていく。広い視野に裏付けられた精緻な組織技術と言ったところだろう。ワンタッチパスが多用され始めたのが何よりのこの証拠で、そう思ってみていたら44分に1点。右コーナーキックから速いニアへのクロスをフリック・ヘッド。と言っても、ほとんどコースを変えないストレートなファーへのパスになった。これに走り込んだ1人がゴール前でちょこんと合わせた。
 後半に入っても11分、右コーナーキックを中央の高いヘディング得点。33分には3対0である。』(2015年12月14日当ブログ拙エントリーより)

 次がこの広島の準決勝、南米チャンピオン、アルゼンチンのリーベルプレート戦の観戦記。
『 リーベルの監督の顔が、後半は真っ青だった。「危ない!」と感じたのだろう。前半でさえリーベルが押していたのに、30分までで広島から5本のシュートを浴び、前半シュート数は広島の9、リーベル6だった。しかも広島に、極めて危険な、際どいシュートが多かった。リーベル保持率は6割もあったのに。
 後半のリーベルは焦っていて、プレーも粗くなる。27分右FKからの得点だって、キーパー林のミスに近い。混戦競り合いでパンチにすれば何ともなかったものを、キャッチしようとして誤ったものと観た。

 しかし、負けは負け。けども、広島の闘いは健闘などという域を超えていた。保持率は気にしないが、いざという時の押し上げ密集布陣、強い球際のボール奪取からショートカウンターへという戦い方。広島は、この世界最先端の戦い方に凄い自信を持ったに違いない。
 まずキーパー林は、「自分のキャッチミスで負けた」とすっかり萎れていた。そうだろう、アルゼンチンと言うよりも南米の雄に勝つチャンスを、自分が壊したと言えるのだから。
 また、アルゼンチン人記者たちがこう述べていたのも、このゲームに限っては外交辞令なんかじゃ全くない。
「全てにおいて、広島が上だった」
「負けたのは最後の鋭さが、ほんのちょっと欠けていただけ」
 ボール保持率とか、「繋いで攻勢」とかには目もくれず、ゴールに直結していくその周辺の危険度、鋭さだけでゲームを観る、南米らしい批評だと読んだものだった。』(2015年12月18日、当ブログ拙エントリーより)

(続く)
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