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新聞の片隅に載ったニュースから(149)    大西五郎

2014年05月27日 19時11分35秒 | Weblog
集団的自衛権 元海自トップ「国民の了解取らなくても」 (14.5.27 毎日新聞)

 「どこかの党が民意、民意と言っているが、外交・防衛は皆さんに任せたんです」
 集団的自衛権の行使容認をめぐり、自民党が26日開いた安全保障法制整備推進本部の会合。古庄幸一・元海上幕僚長は、国民は外交・防衛政策を政権党に全権委任したといわんばかりの理屈を語り、こう踏み込んだ。「国民にいちいち了解を取ると言わなくても問題ない。世論調査にうんぬんされる必要はなし」
 自民党の石破茂幹事長は、古庄氏を講師に招いた理由を「オペレーション(運用)するのは現場の自衛官。現場の気持が分かっているのが古庄さんだ」と説明。小泉政権当時の2003~05年、海上自衛隊トップを務めた古庄氏は、政府・自民党が目指す自衛隊の活動範囲の拡大を後押しする発言を続けた。
 例えば、米同時多発テロ(01年9月11日)後、海自がインド洋で展開した給油活動。「カナダの船が意気揚々と『油をくれ』と来て、給油が終わったら作戦エリアに帰る。うちの隊員からは(作戦自体に参加せず)何となく後ろめたい、という気持がひしひしと伝わった」と回想した。
 04年に発生した中国の原子力潜水艦による領海侵犯事件でも、今の法制度の制約で苦慮したと説明。「一番大事な法整備を急いでほしい」と訴えた。

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 海上自衛隊のトップだった古庄氏の「国民にいちいち了解を取る必要はない」という発言は、名古屋高裁での自衛隊のイラク派兵は戦闘行為への参加で憲法に違反するという判決(2008年4月)に対し、航空自衛隊のトップだった田母神俊雄幕僚長(当時)が「そんなの関係ねぇ」と発言したことと共通するものを感じます。
 つまり自衛隊の上層部の人たちは「オレたちは国を守るために頑張っているんだ。何が必要かはオレたちが判断する。国民はオレたちのやることにつべこべ言うな。政府はオレたちが動き易いように法を整備してくれ」という気持を持っているようです。これだと、かつての戦争中の軍指導部の思考、行動と変わりがないことを憂えなければなりません。政治が自衛隊の「軍事事情優先」を押し留めなければなりませんが、自民党は安全保障法制整備の会議の講師に国民の意見など聞く必要はないと主張している元自衛隊のトップを招いています。
 新聞社や放送局の世論調査で、集団的自衛権の行使に賛成する人より反対する人の方が多く、憲法を改正する手続きを踏まずに政府の解釈変更だけで集団的自衛権を行使できるようにしようとしていることに対しては、さらに多く(50~70%)の反対があります(但し読売新聞の世論調査だけが「限定的な集団的自衛権の行使に賛成」が63%、「全面的に行使賛成」が8%)。
 最近のどの新聞の投書欄にも「集団的自衛権テロに逆効果」(23日朝日)「憲法解釈変更は権力の暴走」(25日毎日)「戦禍知らぬ首相を憂う」(27日中日)など集団的自衛権の政府方針に反対する投書が連日寄せられています。だから推進派は国民の声を聞きたくないのでしょう。
 大西 五郎
コメント (2)
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フクシマ甲状腺癌、最近の論争  文科系

2014年05月27日 10時57分20秒 | 国内政治・経済・社会問題
 このブログで最近行われた標記論争の一部をご紹介します。こんな意見、詰問への応対って、今とても大事なことと思います。フクシマのことをきちんと伝え続けているマスコミが、中日新聞、東京新聞しかありません。

『 表現の自由? (アナと雪の女王) 2014-05-23 09:55:04
「原発を減らしたい」という想いはいいと思いますが、福島の被害の大きさを喜ぶかのような心は醜悪ですね。』

『 因果関係? (文科系) 2014-05-23 14:10:31
「福島の被害の大きさを喜ぶかのような心は醜悪ですね」と形容した僕の言辞、証拠を指摘して欲しい。「喜ぶかのような心」といった漠然とした印象非難、レッテル貼りではなく。
「症例が非常に少ない子どもの甲状腺癌は発現率100万人に1人」と言い続けてきて、30万人に90人となっても「フクシマとの因果関係はない」などと述べている「専門家」がいる。この事態こそが今、日本中でこういう論争を招いているはずだが、多さを強調する人は皆「醜悪」になるということでしょうか? 為にする非難に思えますね。』

『 事を明確にしよう (文科系) 2014-05-24 11:13:58
 醜悪なのは、むしろこういう人々と思う。
「症例が非常に少ない子どもの甲状腺癌は発現率100万人に1人」と言い続けてきて、30万人に90人となっても「フクシマとの因果関係はない」などと述べている「専門家」。
 そして、こういう人々に正に付和雷同して「少ない、少ない」とか「普通のことだ」とか叫んでいるネトウヨなどの方々。
 よって、『福島の被害の大きさを』強調することは、弱者の味方として今や清らかな行為、表現であるはずだ。なお、この「強調」だけをとりあげて「被害の大きさを喜ぶかのような心は醜悪」と「喜ぶ」という表現を使うのは、詭弁の一種と言えて、大変な誤りである。』

『 Unknown (1970) 2014-05-26 01:06:23
 30万人に90人というのは通常ならば問題にならない良性のものが多く入った数字だよ。90人が悪性ならそれこそ専門医が大騒ぎになりますんで。』

『 違います (文科系)2014-05-26 08:08:23
 違います。癌確定の51人は既に手術済みと発表時に説明がありました。元々甲状腺癌は悪性でなければ手術はしません。つまり、「悪性癌と確定」という意味です。同じく「癌の疑い」も、こうしてその実は「悪性癌の疑い」と説明がついていた。だから問題にする人々が多いのです。
 他方、県立医大がこれだけ患者が出ているのに「事故放射能との関連はまだ見えない」などと世論鎮静を図っていく当初からの方針を貫いているだけ。例えばこんな数字も既に漏れて出ているが、こっちは隠してきた。福島の西から会津、中通り、浜通と分けて、後2者に患者が集中していて、会津はほとんどいないのね。
 この問題で政府と県は、もともとできるだけ隠そうとか、世論沈静化目的という所から出発している。1年半以上続いた(福島県民健康調査検討委員会)秘密会議がその証拠。5月の発表でも君の言う高い数値になる他3県データを敢えて付けたりもね。だから、大飯判決への反応のように国論も二派に割れていく。沈静化に乗る人と、これに抵抗する人と。君は先ず、この国論分断を直視することだ。ついでいずれ誰もが、どっちに立つのか決めねばならない。「被害甚大派」か「風評、風評!派」か。多分中間はあり得なくなっていくはずだ。今までだってそうだったのだから。僕に言わせれば、この国論分裂を作っている張本人こそ、政府・原子力村だ。』

『 傍証と状況証拠 (文科系)2014-05-27 10:31:28
 こんな傍証もある。癌患者は中通りと浜通に集中しているが、その数は両者であまり変わらない。それはこういう理由によるのだろうと言われている。浜通りは避難地が多いが、中通りは避難しなかったから同じぐらいになったのだと。
 あれやこれやで、この癌患者数はもう大問題になって当たり前なのだ。それどころか、今の状況から見れば、この4月から始まる30万人2巡目調査ではさらに急増するはずだ。チェルノブイリは「5年目から出た」のではなく「5年目が発症のピーク」という説もあるからだ。
 また、政府も原発村も再稼働の障害を必死に取り除こうとしてきたのも明白。健康調査委員会に秘密会議が1年半以上も続いていた。つまり、調査結果を隠そうとしてきたし、「大したことない」と世論誘導しようとしていた。「地震によって0.3平方センチの孔が配管に開いた可能性あり」というフクシマ事故仮説、地震原因説が正しければ、全ての原発がこれと同じ地震基準を適用して作ってあるのだから安全ではなくなるのだけど、こちらの仮説は全く検証していないだけでなく、その証拠すらも隠してきた。吉田氏聞き取り文書を公表しないのも隠蔽体質を感じる。官僚たちの行動指針が、自分らと先輩の面子に拘るということ。ここからこんなことになってきたのだとも、僕は観ている。
 こうして、これからますます日本世論二分が激化する。そして、「再稼働反対」派がどんどん増えていく。大飯判決では、司法にも反対派が出たと見て良い。要は、最近言われているように「当面10年程度の経済と国の運命と、どちらが大事か」ということだ。
 今朝の中日新聞にも、こんな記事が出た。「宝永級巨大地震 過去7000年で16回」。この高知大チーム発表の記事中には、こんな説明も入っている。
「東海、東南海、南海地震の三連動で起きたとされる宝永地震(1707年)に匹敵する巨大地震が・・・」
 また、約2000年前に超巨大地震もあって他の証拠地層が消えた可能性もあり、これより多い可能性もあると。この三連動地震は遠くはないということを忘れてはいけないと思う。』
コメント (17)
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