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あれまさんへ、実践概念を巡って   文科系

2016年12月11日 11時52分46秒 | その他
 昨日のエントリーに、あれまこれまさんから大事なコメントがあった。彼がここで指摘した「実践」という概念は、青年マルクスの思想を彼の哲学的出生地・青年ヘーゲル学派から旅立たせた当のものと言いうるキー概念。さらには、旧社会主義国が潰れた原因をめぐる旧左翼の誤りの解明とか、人類史における自然成長性と目的意識性との正しい関係把握とかをも左右するようなもの。当面重要と思い付く範囲で、きちんとお応えしようと考えて、エントリーに替えることにした。

『 自然過程ではなく (あれまこれま)2016-12-11 02:20:41
 益川さんや文科系さんのいうところはわかります。
 確かに人類史は大まかには悲惨の減少として経過しています。しかし、これとて、そのために尽力してきた人々の営為を抜きにしては語れません。
 つまり歴史的過程は自然史的過程とは異なり人為を介在するのです。したがって、戦争を始めとする悲惨の減少を当為として実践する人々の営みを抜きにして事態を楽観することはできません。
 私が懸念するのは、トランプ現象に見られる世界史的な狭隘価値観の蔓延です。ヨーロッパでの排除の論理の拡大、わが政権に於いての危険な綱渡り的対外対内政策などがそれに相当します。
 要するに、100年、200年の時代が浄化作用をもたらすという楽観論はさておき、いまここでのアゲインストの営為を抜きにしては、人類の悲惨は決してなくならないということです。
 つまり、平和も民主主義も、常に来たるべきものとして、それを志向する人々の営為に支えられているということです。』


 あれまさん、何よりも先ずご応答に深謝。それも、重要すぎて、しかも実践概念が持つ広い守備領域から言って、軽々には触れられないような。今日は、次の範囲のお応えに留めておきます。

① 言われるところは、基本的に大賛成だというだけではなく、万人が賛成するはずだとも申し上げたい。つまり、人間の明日は人間自身の「実践」が作るもの。「アゲインストの営為」も「それを志向する人々の営為」も僕だけではなく左右どんな人も否定しないはずです。

 ただそういう「実践」の理解について、誤りやすい3点程を述べておきたいと思います。
② まず「実践」概念を、なんというか「(狭い意味の)行動的なもの」とだけ解することは誤りだと言いたい。普通の人々自身が行う政治論争なども含んだ理解が不可欠かと思います。このことは例えば、従来型の社会主義革命というものの理解だけ取ってみても分かるはずだ。この革命は、人類史これまでの国家権力移行が自然成長的に起こったのとは違って、イデオロギー闘争に勝って国家権力を握ってしか成されないものと論じられてきたはずです。普通選挙制度が世界に広がってからは、この思想闘争の重要さがなお進んだのだし、先進国革命はここで躓いてきたとさえ言えるはずだ。

③ ②をもたらすような思想的欠陥として、実践概念そのものの理解で、従来の主流唯物論哲学では誤りがあったと愚考しています。その理論で動いていたはずの旧社会主義国家がなぜ潰れたか、この正しい総括に関わってくる重要問題だと考えています。これについては今は、問題提起に留めておくしかありません。
 いわゆる土台と上部構造の関係理解に誤りがあったと考えています。土台の規定性に偏り、上部構造の独自性と言われてきたものの正しい把握がなかったかと。ここからは、「目的意識性」や「指導」も、つまり政党の実践が必然的に歪んでくるものと考えてきました。

④ ③末尾の「誤り」は、こういうものだったと見てきました。土台偏重が左翼の政治論争を狭いものにした、と。文化軽視とか、政治経済偏重とかをもたらしたと述べても良いと思います。


 今日は、これくらいで失礼します。
コメント (2)
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