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内部告発硬骨漢を潰す国?   文科系

2016年12月09日 07時32分10秒 | 国内政治・経済・社会問題
 中日新聞本日朝刊に、極めて腹立たしいお話が載っていたので、ご紹介したい。25面の内部告発者問題「特報」から、そのほんの一部、一つの独立したお話。


 2002年1月に起こった雪印食品の牛肉偽装事件を告発した(取引)会社社長がその後こんな目にあってきたという。なお、雪印食品はその後解散ともあった。

『水谷さんは、輸入牛肉を国産牛肉の箱に詰め替え、虚偽の在庫証明書を作成するよう雪印食品の社員から指示された問題を公表した。だが、公益通報をした側だったのに、国土交通省から在庫証明書の改ざんで営業停止処分を受け、同年十一月に自主廃業した。
「悪事を働いている食品会社は他にもあり、雪印食品は氷山の一角だった。告発の後で、うちは警戒されて、取引先の三分の二が、波のようにさーっと引いていった。それが廃業の最大の原因」と振り返る。
 水谷さんはカンパによって〇四年に営業を再開したが、一四年に再び廃業に追い込まれた。現在、再起のために活動中』

 それにしても、上の国土交通省の遣り口! 雪印食品の解散はともかく、告発した側のこの下請社長を「国土交通省から在庫証明書の改ざんで営業停止処分を受け、同年十一月に自主廃業」に追い込んでしまったとは! アメリカ映画などでは、内部告発者には「司法取引」が適応される。それをしないで、強制されて嫌々やっていたからこそ告発内容となったその在庫証明書改ざんで営業停止!

 国の制度が奨励する行為を取った硬骨漢を罰する国土交通省! 国が率先してこれでは、その国が内部告発などするなと大音声しているも同じことになる。 いや、これよりももっと悪い。この制度への逆行を国自身が勧めているに等しいのであって、「逆行奨励という、真っ赤な嘘の制度」。これって、一体何なんだ? 驚き桃の木山椒の木。
コメント (3)
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随筆紹介 「睡眠・免疫細胞の時代」   文科系

2016年12月09日 06時08分17秒 | 文芸作品
 「睡眠・免疫細胞の時代」  H・Sさんの作品です

 人の外見はその人の細胞年齢と同じだと大まかに考えてよい、女子大で栄養学の教鞭をとりアンチエイジングを研究している医者が言う。実年齢八十歳のAさんが誰が見ても六十歳に見えるのなら、Aさんの細胞年齢は六十歳で、若い体の持ち主だということになる。逆に実年齢六十歳のBさんの風貌が八十歳の人に見えるのなら、Bさんの細胞年齢は八十歳。ずいぶんご老体ということだ。細胞年齢はその人の体の若さを測るための目安と考えてよい。
 細胞年齢は、生活習慣をかえることで若い方に導く事は可能だと、彼は明言する。
 若さを保つ術は、免疫細胞を活発に働かせて老化を遅らせることに尽きる。免疫細胞が疲労した体細胞を修復するのに一番力を発揮するのが、午後十時から午前五時の七時間だ。この時間に合わせて睡眠をとり効率よく免疫細胞に働いてもらうことだと、力説する。

 持論どうりのことを実行しているためか、この医者の外観はどう見ても四十歳前半だ。栄養学の講義を受けるようになって五年になるが、初めて出会った日と容貌は少しも変っていない。頭髪は黒々ふさふさ、顔色よく、体格頑丈、スタイルは抜群だ。ごく最近、
「私、何歳に見えますか」と、様々な年齢構成の四十名の聴講生に彼が質問してきた。
「四十三歳ぐらいでしょう」
「還暦、すぎておりますよ」との答えだ。一同、顔を見合わせた。
 長年自分の研究でうち建てた学説を証明した見本が目の前に提示されるのだから、これは納得せざるを得ない。

 栄養状態も良くなり、運動習慣を身につけた皆様は病気から少しでも遠ざかる生活を手に入れてきた。次は、健康で活躍する時間をすこしでも延ばし、輝くような若さを保つため、質の良い睡眠を心がけ、眠ることを一大事に考える生活を実行してほしいと彼は説く。
 どうやら、睡眠の時代が到来したようだ。

 講義の後、七十七歳の私は自分の姿を鏡に映した。顔には縦横斜め十字に皺が寄り、年相応に背中が曲がり、老けた容貌の全身像がその中にあった。まだまだ元気で出歩きたい。そんな若さは、免疫細胞に元気に働いてもらわないと手に入れられない。
 わたしは十時から床に就くが、寝つきが悪いのでいつも十二時頃まで眠れない。午前三時には目が覚めてしまう。こんな厄介な癖はどう修正すればいいのだ。大いに悩むところとなった。
 彼が提言、実行していることはあくまで仮説ではあるが、試してみる価値はある。
 不眠症が治るかもしれないよ。
 体も頭も疲れて眠くなる時間を午後十時に設定し、五時間ぐらい深い眠りが取れればそれでよい。年とともに動作も鈍くなっている。六時起床を三十分早めた。暑くて外に出れないので部屋の中でこまめに動き回っている。風呂の中で体の屈伸運動の回数をふやした。テレビをやめ読書をすることにした。これを一月ほど続けた。午後九時には眠さが押し寄せ、十時には寝つけるようになった。「この調子」と声援を送り、「睡眠の時代だ。休もう、休もう」と、自分に囁いている。
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