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旅先で大論争  文科系

2014年03月07日 05時50分14秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 今日のバスの中、ある方と大論争。議題は、トルコは今現在宿泊してこれを書いているコンヤという都市の近くにあるチャタル・ホユックという古代「都市」の位置づけをめぐって。二人共が初めて勉強したこの「都市」は、世界四大文明(それぞれ差があるが、紀元前3000~3800年ほどにできた)よりもはるかに古い紀元前7000年ほどにできたもので、農耕、牧畜など高度な文明があって、3000~8000人の「都市」を形成していたとのこと。支配階層など身分の存在を示すものは未発見ということでした。なお、この遺跡自身の発見が1958年だそうで、全容解明は遥か先の話とのこと。四大文明までの歴史がより細かく解明できる人類学上でも最重要遺跡の一つとして、2012年に世界文化遺産になったばかりだそうです。

 さて、農耕・牧畜と大規模共同体の形成が最古四大文明の最大成立要因であることは二人が一致した意見なのですが、その後にできた身分・階層、国家、宗教がないからここは文明とは言えないというようなことを彼が語ったところから論争が始まったのでした。対して僕は、こういう性格の「都市」がこんな昔にあったとすると、このチャタル・ホユックは人類史を塗り替えるような、世界4大文明と比肩できるような大発見だと強調したことになりましょうか。人類文明形成史経過は意見が一致しても、奴隷制度、支配機構、宗教などを重く見るか否かという意見の違いに過ぎないのかもしれません。「四大文明はこれらすべてがあったところに意味がある」というがごとき彼の主張が、僕にはこう見えて仕方なかったのでした。農耕・牧畜・大規模共同体の形成の歴史的意義を軽視していると。だから、この都市発見の意義を軽視していると見えたわけでした。

 些細なことかも知れませんが、意外に大事なことだと思います。後で電子手帳のブリタニカを見てみたらこんなことが書いてありましたから、どうも昔から考古学の論争になっていたことのようです。文明ということでは、「(農耕牧畜を前提とした)都市の形成、文字の発見」だけでもひとつのエポックと見る意見、ここに文字の発見さえなくともひとつのエポックと見る意見、そして本日の彼のように四大文明(の新要素)を特別視する意見のあいだの論争のようなのです。

 何となく分かるような気がしませんか?こんなことを思い出していました。ご存知の方もいらっしゃるでしょう。ドーソンとかいう人が「現生人類のような頭脳がなければ人間とは言えない」ということで、ひとつの「人類の頭骨化石」を発表したところから始まった考古学史の大事件がありました。その実質は、猿の下顎骨に人間の頭蓋骨を引っ付けた偽造化石なのでしたが。本日のこの論争の結論的事実はこういうことでしょう。古代四大文明のみが後世に及ぼした要素と同等に、このチャタル・ホユック遺跡のみが、今のところは、古代四大文明につながった要素の価値は評価されうるものだと。

 以上全て、四大文明と後世の関係よりは、オーストラロピテクスと四大文明の関係の方に興味がある僕としての視点にすぎないのかも知れません。

コメント (5)
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