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ザックジャパン(43)香川真司1,2戦を観て  文科系

2012年08月28日 12時09分57秒 | スポーツ
 1,2戦の先発メンバーをみるといろんな事が分かる。何よりも興味深いのは4-2-3-1の前4人で2戦とも先発が香川だけということだ。さらに、香川がかわった時間は2戦目の残り22分間だけである。ボランチ・クレバリーとDF3人は2戦とも先発だが、あと1人の2戦先発組バレンシアは、サイドバックにも使われている。つまり、他の前3人は香川との相性を確かめる目的で取っ替え引っ替えという使い方ということだろう。第1戦がナニ、ウェルベック、ルーニー。第2戦が、バレンシア、ヤング、ファンペルシー。
 香川の調子だが、第2戦は1戦よりも明らかに悪かった。特に第2戦前半は他の選手がドリブルなどでボールを持ちすぎたから、組織サッカーにならず、香川の良さが生きなかったと観た。ヤングやバレンシアは今後難しいのではないか。それでいてファギーは第2戦後のテレビ談話で香川をこう評しているからである。
『いいプレーヤーだ。いつも動いていて、効率的なサッカーをする。ボールも無駄にしない』
 こうして、余程調子を崩さない限り、香川の先発はドルトムント入団時のように決まったも同然だと思う。とても頭の良い選手だということだろう。ファギーが新たに取り入れようとしているパスサッカーでは「いつも動いていて、効率的なサッカーをする。ボールも無駄にしない」とほめる香川の特徴は、他の選手よりもずばぬけている。「高速で走りながら止める、蹴る、動くの技術」で、「モノが違う」とファギーも観ているということだ。

 さて、あの大監督ファギーがこれほどまでに買う香川の、長所とは上記のようなものだが、もう少し具体的に観てみよう。「サッカー時評」別冊6号で、マンU公式プログラム記者がこんな見事な表現をしている。
【ドルトムントの超ハイテンポな試合を見てもわかる通り、彼は尋常ではないスピードを持っている。ブンデスリーガの屈強なDFたちを相手にしても、いとも簡単に裏を取っていた。
 そしてまた、そのスピードを生かしたなかで高い技術を発揮できる。最近イングランドのメディアはしばしば彼をアンドレア・イニエスタに例えるが、このスペイン代表のように中央の狭いスペースにスピードを落とすことなく侵入でき、かつ正確にボールを受けることが可能だ】
 以上の記述にちなんで僕が真っ先に思い出す場面が以下だ。

 2010年9月、ワールドカップ直後の新ジャパンによる強豪パラグァイ戦のことだ。南アワールドカップで日本が敗れたばかりのこのチームを鮮やかに切り裂いて見せた香川に、そして憲剛の恐るべきスルーパスに体が震えた。なんせ相手ディフェンダーはいつもブラジル、アルゼンチンとやっている連中であって、その4~5人を二人だけで突き崩した得点なのである。
 敵陣に3分の1ほど入った左寄りの香川が、中央あたりにいた憲剛に斜め前横パス。と同時に全速力で右前方敵密集の中へ突っ込んでいく。ちょっとためを作った憲剛は、密集を突き抜けかけた香川に振り向きざまの高速スルー。香川、全速力でワントラップから、シュート、得点。
「香川とはよく話し合っている。すると、二人だけであの人数が破れちゃうんですよね」
 これは、憲剛の言葉。全速力下での正確なトラップやパス。広い視野からくる速い状況判断。彼が自信を持っている日本人離れしたゴール前の冷静さも、全速力下のプレーが落ちついてできるところから来るのだと思った。こういう高速プレーは、メッシにも匹敵していくのではないだろうか。メッシのドリブルスピードは真似できないとしても。

 ドルトムントの名手、ある同僚が香川を評した言葉は広く知られている。
「まるで天使のようにプレーする」
 なんとも上手く表したものだ。おおむね飛ぶように速く、敵を前にした時などはボールと戯れるように、ふわり、ひらり、ふんわり。そんなやりかたで、172センチ63キロという童顔優男が、185大男たちに触れられもせず飛び回る様はまさに「天使」。スポーツの醍醐味のひとつだろう。が、サッカーでのこんなプレーは文字通り至難の技。何人もの敵味方の中で全速力で動きながら、全て瞬きの間、一瞬のプレーだから。
コメント (1)
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