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スティングリッツとクルーグマン   文科系

2012年08月26日 03時49分47秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 24日NHKが、標記二人の「世界経済再生への提言」という1時間番組をやった。深夜24時からBS1において。そこで語られたことはなんのことはない、22日のここに書いた「グローバル資本主義の一肯定論」でも焦点課題としてまとめ、いままでここの経済関連拙稿でも語ってきた分析と全く同じ方向が語られていた。ただこの二人は22日にまとめた武者俊司氏の展望論よりも遙かに深刻に現状を見ている。現世界経済困難の焦点が武者と同じこういう点にあると見ている点も同じであるその上でということだ。
『これは世界的に劇的に増大する供給力と需要創造の弱さのミスマッチだと思うのです』。

 先ず、リーマンショック以降の世界経済の深刻さ、展望のなさを、二人がそろって日本の住宅バブル破裂以降(失われた20年)よりもずっと深刻だと語っていた。この点を、スティングリッツはこう説明する。アメリカやヨーロッパの今よりも住宅バブル破裂以降の日本のほうが格差の幅が小さかったから、それだけ国内需要があったということだと。「スペインでは今、25歳以下で失業者が50%だ!」と力説したクルーグマンも、当時の日本よりも遙かに大きい財政出動と金融緩和が必要だと説くわけである。
 いずれにしても、両者が指摘する最大難問はこういうことだ。これだけ世界に格差があって、これだけ若者の失業率が高ければ、有効需要や景気回復など望むべくもなく、中国やインドでさえももう行き詰まり始めるだろうと。22日のここで見た武者俊司氏の楽観論は「中国などBRICs諸国が成長し続けている間はまだ大丈夫。しかしその後はえらく深刻かも?」というものであったが、そんな「楽観論」さえもう命運が尽きていると、両者は語っていることになる。
 さて何よりも、クリントン政権にも参加していた己の過去を振り返って、スティングリッツがこういう内容の一連のことをを語っているのが、印象的だった。「レーガノミックスから既に、間違っていた」「規制緩和も誤りだった」「そもそも、政治と経済が一体になって格差拡大悪循環を続けてきたことのどん詰まりが今なのだ」。
 マネタリズムとか「供給サイド経済学」とかが全く破綻してしまい、古くケインズ流の「有効需要創出」という発想に帰らなければならないと、そういうようにも読むことができるだろう。


 さて以上に関連して、というよりも以上の内容とまさにダブルので、ここのこんな古い拙稿を自分で読み直していました。以下を、今ここに参加されている皆さんにお一人でも、そして以下の一つでも、お読み願えれば幸いです。以上の問題が、今の世界のどんな対立、困難、深刻な課題などをも、それらを根底のところで左右するほどに重要なものと考えてきたということです。

08年7月26日「今後の世界経済情勢に関わって(1)」
08年7月29日「今後の世界経済情勢に関わって(2)」
08年10月1日「世界政経情勢の今をまとめてみると、『泥棒に追い銭』」
 もう一つ、ここで最初にサブプライム証券化商品問題を扱った面白い本の紹介エントリーがあります。投資会社モルガン・スタンレーの元社員が書いた「フィアスコ」という本です。「大破綻」とでも訳すのでしょうか。
07年1月21日「日本財界が2週間で7500万ドルをパクられた話」
 これらのエントリーの出し方はこうです。右欄外最下段のほうにある年月欄をスクロールして、求める年月をクリックする。すると、欄外最上段の方のカレンダ-がその年月分に替わっているはずだから、そのカレンダーの当該月日をクリックする。するとエントリー本欄がその日のエントリー全部に替わっているはずです。求めるものにスクロールして、お読み願えます。
      
コメント (2)
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