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旧大蔵省「モンスター」に思う  文科系

2008年04月24日 07時51分41秒 | 国内政治・経済・社会問題
23日の毎日新聞の政治コラムにこんな記事があった。「モンスターゆえに」と題され、日銀総裁選出を民主党など参院野党に拒否された元大蔵事務次官・武藤敏郎氏にかかわる記者の思い出を述べている。
まずその書き出しからして、大蔵次官が政治記者に与えている圧倒的な威圧感というものが伝わってくる。
「旧大蔵省担当だったころ、武藤敏郎官房長に何度か説諭された。時あたかも財政金融分離や日銀法改正の論議まっ盛り。役所の司令塔である武藤氏にすれば、門外漢の政治記者が政治家の『大蔵たたき』にあおられ、聞きかじりの議論を書き散らして、とさぞいまいましかったのであろう」

さて、この文章が、次にこう続いていく。
「金融庁創設も日銀の独立強化も反対論を懇々と説かれたが、あまり正面切った物言いに、しばしばあっけにとられた。
たとえば、『大蔵省が金融機関への監督権を失えば、税金を集める税務署職員5万人の再就職先が確保できず、安定的に予算が組めなくなる。国の根幹にかかわるんだ』。確かにそう言った。『主計こそ国家なり』の強烈な自負心に、威圧感すら覚えたものだ」

大蔵省の「国の根幹」が予算を組むことだという命題はよしとしよう。しかしながら、安定的な予算編成の根幹が「税務署職員5万人の再就職先」確保だとは初耳であるし、元主計局長の言葉とは思えないものだ。そもそもこんなことは一体誰が決めたというのか? どこかに書いてあるとでも言うのか? そして、この政治記者も僕と同様にこの言葉を聞きとがめたに違いないのだ。この言葉の直後で「確かにそう言った」とあえて請負っているのであるから。

こうしてこのコラムは次のようなモチーフに発したものとなる。官僚の中で日本全体を最も大所高所から考えているはずの大権力者が、そういえば実は税務署員の再就職に最も熱を入れていたんだったなーと。だからなのだろう、このコラムは、こう結ばれていくことになる。
「首相も与党も経済界も新聞も、こぞって総裁候補に推したのは、その『政治モンスター』ぶりに恐れ入ったからではなかったか。さすれば今回、政治に翻弄されたとの批判は、お門違いというものであろう」

政財界が認める国の最高権力者の1人が本当の大所高所に立っていたならば、これはモンスターとは呼ばれまい。そういう存在が実は、「税務署職員5万人の再就職先」を第一に考え、押し通していたと思い出したからこそ、いかにもモンスターだったと目が点になるというわけだ。こうして、このコラムの題名「モンスターゆえに」が思いつかれたというわけだ。民主党、野党はこの人物を正しくも否決したと、この記者も認めているということになる。

さてここから、僕は考え込んでしまった。
「官僚中の官僚」がこういう人物であって、こういう人物に時の首相が国の財政ばかりか日銀までも委ねようと決めた。とすると、50年単位ほどのこの世界経済大困難真っ只中において、日本全体のことは一体誰が考えているのだ!!? 長期的全体方針がいいかげんな所は、会社でも明日が危ぶまれるはずなのだけれど。
コメント (3)
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名古屋高裁イラク派兵裁判傍聴記              辻公雄

2008年04月24日 00時38分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
★「イラクの平和と護憲のための連絡会 通信02」に辻公雄氏が裁判の傍聴記を載せている。当事者の傍聴記に始めて出会ったので紹介したい。(ネット虫)


名古屋高裁判決傍聴記  辻 公雄
>  
> ◆ 9条は生きている 憲法には力がある!
> ◆ そのことがまざまざと示された日、08年4月17日@名古屋
> ◆ 鳴り止まぬ拍手。歓声、感涙…
> ◆ 各地で運動をともにしてきた皆さんと歴史的瞬間を共有しました
>  
> 春の雨。全国の仲間の期待を集めた判決言い渡しを40分後にひかえ、名古屋高裁前では集会が開かれました。
> 参加者は200人。重なり合う傘……。2年前の7月20日、降りしきる雨の下を200人でパレードした大阪地裁判決(人格権を根拠とした差止請求を棄却とした)の日を思い出させるような光景でした。
>  
> 判決は、第1~5次・6次訴訟、天木直人さん分離訴訟の3件いずれも控訴を棄却した。が、そのあと高田健一裁判長は、依願退官された青山邦夫裁判長(64)にかわって判決理由の要旨」をおよそ20分間にわたって代読しました。
>  
> 「主文だけでなく判決理由も述べてください」。関西では地裁へも高裁へも何度も要請を重ねながら実現しなかったことがいま目の前で行われている。そう実感するだけでも驚きでしたが、読み進められていく内容は、メモをとる手が震え、心が震え、感動がこみあげてるような凄いものでした。「思いもかけなかった」とでも表現するしかないような。
>  
> ……人を殺傷しまたは物を破壊する行為が現に行われている戦闘地域……
> ……補給活動は多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な後方支援……
> ……他国による武力行使と一体化した行動、自らも武力の行使を行った……。
>  
> 私たちがこれまで声にし、文書にし、訴えてきたことがそのまま読みあげられていく…。
> 驚きがとまりません。
>  
> 直後、長いあいだ私たちが望みに望み、求め続けてきた
> 「憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる」
> との言葉が発せられました。耳を疑いました。
> が、同時に15席あった記者席を埋めていた報道人の数人が立ちあがって法廷を後にした。
> その動きで「違憲判決」を確信しました。
>  
> よし!思わず拳を握る。裁判長の声はすでに「平和的生存権について」の内容に移っています。
>  
> ……憲法前文には法規範性があり、9条がそれを国の行為の側から制度として規定し、13条をはじめとする第三章が個別的な人権を規定していることから、平和的生存権は「憲法上の法的な権利」として認められるべきであり、裁判所に救済を求めることができる「具体的権権利性」が肯定される場合がある……。
>  
> ペンをもったまま、ひとり小さく、何度も拍手。 
> けれど法廷はし~んとしています。
> 誰もがおおのおのに感慨をかみしめ、あるいは涙をぬぐっていたからでした。
>  
> 控訴人らは、それぞれの重い人生や経験等に裏打ちされた強い平和への信念や信条を有しているものであり……そこに込められた切実な思いには、平和憲法下の日本国民として共感すべき部分が多く含まれているということができ……。
>  
> 大きな感動がこみあげました。青山裁判長は、みずからを「平和憲法下の日本国民」の立場におき、私たちと同じ「平和憲法下の日本国民」として私たちの思いに共感してくれている。
>  
> なんという人間味にあふれた素晴らしい判決だろう! 声の届かない無念を抱きながら続けてきた3年半の訴訟運動がいちどに報いられた瞬間でした。
> 辻弁護士が口癖のようにおっしゃっていた「人格のにじみ出た、血の通った判決」。
> そういう判決に、いままさにこの場で出会っている。
> 言葉につくせぬ喜びに満たされながら、しみじみと幸いをかみしめました。
>
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