松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

一人孤高の世界をいく、浅田真央。

2016-04-04 15:54:46 | 日記・エッセイ・コラム

 真央ちゃんが復帰すると決めた頃、世界は変わっていた。ロシア勢の台頭がすごかったからだ。真央のトレードマークである3回転半を、いとも軽々と飛んで見せた子もいた。あの黒髪の少女がロシア代表になれないくらい、向こうのレベルは上がったのだろうか。

 今や上位の選手の演技は、サーカスと変わらないぐらいハイレベルなものとなった。しかし見ていて楽しいですか。アメリカのお客さんは、騒ぐのが好きらしいから、拍手と掛け声のテンポに乗って、陽気に滑る選手が調子に乗って、最高のパフォーマンスを魅せていた。

 彼らに芸術性を説いても始まらないと思うが、その昔「芸術点」という項目があった。技術点と芸術点の合計で採点されていた。一応芸術の名はあるが、それは今では、なんでらコンポーネンツとか言って複雑怪奇なものになっている。あえて名残があるとすれば、「技のつなぎ」が採点されることだろう。つまり例えばジャンプに入る前に、ただ加速するためだけに滑るような動作は、技のつなぎとして評価されない。

 一方で真央ちゃんの演技は、ジュニアから上がってきたばかりのガキとは一線を画した艶技とでも書くべき大人の魅力に満ちている。体の向きを変えた「遠心力」を利用した無理のない加速。地面からもらった反発力を使って加速していくスピード感。それがあるから、ゆっくりと優雅に滑っているように見える。その上に、真央ちゃんが表現したいものがある。

 一説によると金メダルの16歳、メドベーデワ選手は真央ちゃんを尊敬しているらしい。ラジオノワも以前から真央ちゃんファンを公言していた。

 ロシアの若手は真央ちゃんが目標らしい。それはロシアのスケートは、大御所タラソワコーチのように、バレエの動きを生かした、芸術性の高いプログラムを一貫して指導してきた成果だろう。

 なーんてことを、今回の真央ちゃんの艶技を見て考えました。

 メドベーデワが日本の放送局と確認してしゃべった日本むけの歌詞は、真央ちゃんの勧めらしい。宮根は、そっぽを向いているラジオノワの心境を知らなかったようだが、「私の方が、先に真央ちゃんファンよ。二人っきりで盛り上がっちゃって」

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