法体の滝に行くためには、必ず手前の集落「百宅(ももやけ)」を通る。7年後、この村はダムの底に沈む。
でも法体の滝が無くなるという話は聞かない。きっとダム湖を見ながら迂回するんだ。
あらためて百宅集落の場所を見ると、そこは「エデンの園」だった。
周りを山に囲まれた盆地だった。その山が燃えている。もったいないこった。これが見られなくなるなんて。だがその一瞬後には、地獄の積雪が待っている。
そこで暮らす一組のご夫婦。これが最後の1軒だ。移転の手続きのため残っている。他の住民は移転を終え、彼らの墓だけが一つ残った。そして来年は、誰も居なくなる。奥様が育てたダリアと共に。
まずは投票に行って来よう。県内はすべて二者択一の選挙。3区は自民対共産。究極の選択だ。オレが3区だったら、男系男子しか頭にない政党には入れない。消去法による究極の選択。
旅の中間に、西滝沢水辺プラザがある。前に由利牛カレーを食った施設だ。ここの売店の品物には、心奪われる。
で、4点選んで、外のベンチで味見する。特に気に入ったのが「やきもち」。平たくした餅に醤油をかけて焼き、海苔で巻く。これは日本人で嫌いな人は居ないでしょう。団子の遊山で言えば、「みたらし」か「磯辺」。遺伝子に刻まれた伝統の味。
これを錦秋に囲まれた滝の東屋でいただく。小さいが贅沢な気持ち。あれが一番、ホッとする瞬間だったな。