棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

人類の愚行を描いた40年展

2010-07-10 06:57:25 | 山郷の暮し
昨夜は心配されたほど雨も降らず、強い朝日に照らされた花の谷は、ヨクヨク磨かれた宝石のようなきらめきがあります。
都心ではゲリラ豪雨であちこち浸水があるようですね。
皆様のところはいかがでしょう。
展示会の作品を紹介しましょう。
闘魂-守ることの権利--1970年代 25歳前後の製作と思われる。
当時は創作に夢中で、一枚のキャンバスに何度も重ね描きをしていた。
それゆえに当時の作品は以外と残ってはいない。
この作品は地塗りの不手際で、かくも無残な状態になってしまった。
また、住居の移り変わりなどで製作日記を紛失したのは残念だ。

40年過ぎた今この作品を観ると、権力や不条理に強い怒りや反抗が製作の動機と思える。
また、ベトナム戦争が終局を向かえ、巨大な軍事・経済力のあるアメリカに対抗するベトナム解放軍への畏敬の念もあった。
さらに、昭和の「おかげ参り」と称された大阪万博。企業がプロモートした大衆芸術は、既存の芸術観やプロレタリヤ・アートの終焉であった。
私の中である種の挫折感と価値観の変化は、その後の創作活動に少なからず影響をしていった。
それゆえに闘魂--守ることの権利 と題されたのであろうか・・。2010年4月記

りゅう王丸作品展 7月28日-8月1日

2010-07-09 08:57:22 | 山郷の暮し
1 終戦65周年への個展準備  
今年は私と同年の終戦65周年だ ! といっても「年金がもらえますねー」くらいの反応しかない。
美術界やイベントも終戦65周年の節目を迎えて様々な企画があると思ったが、そうでもない。
節目の周期だと思っていたのは私だけのようであるが、私にとって大切な年なのです。
1960年代からはベトナム戦争をはじめ、世界中で紛争が絶え間なく続いた。
お金になりやすい日展系の画壇に属していたわたくしだったが、反戦運動の盛り上がりと共に、安穏とアカデミックな画壇に疑問をいだきはじめたころでもある。
反戦を強く主張した絵を出品するようなり、私をかわいがってくれた大幹部の大先生から「岩淵君 うちの会では君のテーマでは評価されないよ。普通に描きなさい」と忠告を受けた。
ヤットなれた会員であったがフツーーの絵を描くのがいやになり、あっさりと脱会をしてしまった。
人間の愚行の最たるものが戦争であり、やがては自然破壊へと果てしなく続いている。
私は真情としてそれらを告発することをテーマに、折々の社会時評を描いてきた。
そして、終戦65周年には描きためた「人類の愚行-戦争」をテーマにした40年間の作品展示をしょうときめていたのです。

猫のチビクマ

2010-07-08 08:31:51 | 山郷の暮し
13年になる賢犬サクラ。一時は体力も落ち、老いた感じがありましたが最近は色艶もよく、泰然自若とした落ち着きがあります。
マーーお年だから当然かもしれませんが。
散歩時の殺生も少なくなりましたが、代わりにチビクマは殺生の連続。
トカゲ・かえる・スズメ・などなど毎日のこと。そのうちに蛇を運んでくるだろう。
と、PCに向かっている今、でっかいモグラを捕まえてきて、部屋の中で遊んでいます。今日は珍しくつないでいるサクラが、面白くなさそうに見ています。

写真はリスと、まるでなかよくオネンネしているようですが さにあらず。
遊びほうけた末に、死んでしまいました。
取り上げると「トーチャン!! 俺んのだ!!」とばかり、飛びついてきました。
これから私が「夏の使者」と思っている オオムラサキが飛来しますが心配です。

個展準備

2010-07-07 08:46:57 | 山郷の暮し
今日は七夕。星空はあまり期待をもてそうもありません。
七夕の話となるとフット思い浮かぶ名前は小泉八雲。七夕幻想というような題で、中国から伝来した日本の物語を書いていました。
(私のHP-松本歴史絵巻に記載した)
さて、7月28日-8月1日の個展の準備といっても製作するものがないので、特に忙しくもない。
ボチボチ案内状の宛名書きでも始めよう。

暇ついでに、看板は昔のように手描きにしようと決めた。
最近はPCで製作したものばかりで、なんとなく味っケがない。
製作をしていてフット思い出したのが、若い頃の個展の手描き看板のことだ。
初老の紳士が「この看板は終わったらどうしますか。よかったらゆずってほしい。元気があってとってもいい」
といわれ、当然プレゼントをしたことだ。
あとでわかったことだが、地方新聞の論説委員の方だった。
数年前、その方の告別式に参列をした・・・。

りゅう王丸作品展 7月28日-8月1日

2010-07-06 09:16:03 | 山郷の暮し
今回の展示作品を紹介いたしましょう。
まずは青春時代ですが、1960年から70年代にかけては、ベトナム戦争があり、国内では安保闘争から学内紛争と揺れ動いた時代であった。
そんな時代の真っ只中にあった私は、ベトナム戦争えの怒りが精神構造の一角をなし、その後の表現に影響をしている。
そんな青春時代の残っている唯一の作品で、未完の作品ですが今回の「人類の愚行を描いた40年」の最初の作品としました。

マルキチ・ド・サド-悪徳の栄え(渋沢辰彦訳)より、いわゆるサド文学に傾倒したころで人間の不条理を当時の世相とかみ合わせ描いたと思われる。
製作時は1.6×2.5mほどのサイズでしたが、未完成品のままの一部を裁断した。
1970年代前後の他の作品

アカデミックナ画法で描いています

りゅう王丸作品展 7月28日-8月1日

2010-07-05 07:10:54 | 山郷の暮し
終戦65周年 人類の愚行を描いて40年
りゅう王丸作品展 7月28日-8月1日
松本市美術館

今年は終戦65周年になり、同年の私にとっては特別な年とかんじています。
一筋に絵筆を取ってきた40数年の私史のなかで、我が青春時代の1960年代から始まるベトナム戦争は、その後の芸術活動の骨格をなしています。新聞・雑誌・映画・TVなどのメディアから知らされた戦争報道に、俺が出来ることはナンであろうかと苦悶をした日々に、光明をもたらした芸術作品と出会いました。ピカソのゲルニカであり、メキシコの画家シケイロスなどの、強いメッセージを持った一連の作品でした(注・両者を同じ土俵で解釈をしてはいない)。
20代後半、芸術だからこそできる大いなるメッセージと強烈さに、アカデミックな表現主義に疑問を抱き「訴える芸術表現」の模索が始まりました。自らの造形語をもって「人類の愚行」を表現しなければならないと痛感したのです。
戦争・紛争・抑圧・差別・自然破壊などなど、理由はともかくそれらは人類の本性であるかのようです。ならば、其のことを私たち人間の本質であると認識し、強く否定をしていかなくてはならないのです。
逆説的な視点から「人類の愚行」をシリーズとして、時々の社会時評を創作してまいりました。
このたび自選した40年間の作品には、完成度の未熟なものもありますが、熱きメッセージは自らの時代を語る作品だと自負しております。人類はいまだにして戦争の終焉を迎えていません。終戦65周年を向かえ改めて「人間の本質-humanity 平和-peace 希望-hope」を考えるきっかけになっていただければ幸いです。

お猿の温泉

2010-07-04 09:11:57 | 山郷の暮し
昨日の渋温泉には、オッチャン連の予定が連ではなく、二人のオッチャンになってしまいました。
渋温泉はスキーで有名な菅平高原をすぎた、豪雪地帯の温泉卿です。
温度は熱湯にちかく、地獄谷の渓谷には天然記念物の水蒸気が10メートルほど噴出している。
そこより数分山道を登ったところが野猿公園(500円)で、お猿さんたちがお風呂にはいる設備があるらしい。
らしいとは、何時ものことながら手前の露天温泉(500yen )で、熱湯の噴出す天然の大噴水を眺めながら入浴。
お猿さんもやってきます。


スカッ!!とした空ではありませんでしたが、我が家とはまた違う緑の変化に見入っていました。
下の部分は噴出した蒸気

今日は温泉だーー

2010-07-03 08:09:17 | 山郷の暮し
昨夜からシトシトと振っていた雨も上がり、立ち上る霧はしだいに明るさを増していきます。
先日ダライ・ラマの講演を拝聴に行った酒飲みオッチャン連と、これからお猿の温泉で有名な渋温泉に行きます。
私は後部座席でもっぱらノドを潤す係りでゴンス。
闇に消える美術品より
「闇に消える美術品」について書かれた本のことですが、小説ではないので粗筋というわけにはいきません。
読んでいただくのが一番で、窃盗やブラックマーケットのことばかりでなく、ナニヨリも盗品にあった文化財の解説が豊かで、へたな解説書よりもおもしろい。
ジャーナリストが書いたものだけに、美術品販売の闇ルートと収集家との見えない糸との結びつきなど、推測ではない記事は迫力くがあります。
巨万をつぎ込むコレクターは欧米・日本でしたが、これからは中国が加わってくることと、読んでいておもいました。
決して表に出せない世界の文化遺産を、大邸宅に秘密裏に収まった「箱入り娘」あらゆる種類の権力者の財源にかわる美術品なのです。

闇に消えた美術品

2010-07-02 08:05:09 | 山郷の暮し
昨日に続き、ただ今読んでいる本「闇に消えた美術品」の続きです。
われわれの記憶に新しい美術館の被害は、アフガニスタン・カブール美術館の破壊と略奪である。
これらは、たまたま砲弾の誤射などという代物でなく、最初から美術品窃盗を軍隊がおこなったのだという。
ムジャヒディン(聖戦士)の略奪は公認であり、絶対権力者の聖職者の館に運ばれ、その先は不明だがほとんどが海外のコレクターに渡っている。彼らの唱える神の意思よりもドルの威力だろう。

それらは日本と他人事どころか、ガンダーラ美術を初め、古代文化解明に欠かせない、古銭などが好きな日本のコレクター(業者)とつながっているらしい。
アンコールワットにしても軍隊の略奪の歴史であり、今なおつづいている。かの地の骨董屋によって見てください。
首だけ・または胴体のみの物がゴロゴロしている。ただしそれが本物か偽者かは別ですが・・・。
蛇足ながら、購入したとしても飛行場で没収され、再び店舗に並ぶ。

密売ルートが確立されているようで、この本によると販売ルート・購入者に日本が必ず登場してくることだ。
美術品が国に増えることはある種の国力ともいえるが、ロンダリングされ、有名なオークションにかけられ国際問題になる。
表に出せないブラックマーケットのものでは、国辱的なことだと感じる。

ただ今読んでいる本から

2010-07-01 07:38:05 | 山郷の暮し
 闇に消える美術品
7月です。梅雨もそろそろ上がってほしい。
今月の下旬は松本市美術館で「人間の愚行を描いた40年--りゅう王丸作品展」7月28--8月1日
準備はバッチリで、ボチボチと案内状の宛名書きです。
今読んでいる本 闇に消える美術品 を紹介いたしましょう。
国際的窃盗団・文化財荒らし・ブラックマーケットなどを詳細に報告されている本です。
著者はル・モンドの文化欄担当者。

海外では美術館荒らしが組織的におこなわれ、市場移動とともに一桁ずつ価格がつりあがってゆくことになる。
ポアロ並の複雑な推理で捜査をしたのに、解決は数年後。ふたを開けてみれば、実に簡単な方法であったことなど。
また、世間のあまりにもの騒ぎにおじけずいた泥棒のカーチャンが、名作を燃やしてしまい、永遠に消えてしまったことなど・・。
面白い内容ですがケッコウしんどい本ですが、ご紹介していきます。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本