棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

砂絵マンダラ-3

2011-08-13 08:27:34 | 山郷の暮し
マンダラを「壊す」という行為はなにも砂絵マンダラにかぎったことではなかった。
インド・ネパールの儀式などは土間に直接マンダラを描き、供養物などを捧げた後などをよく見た。
食い物や花などでなんとも汚らしい後だが、人々は気にもせずに踏み歩く。
そのことをすっかり忘れ、「壊す」という行為になにか特別な意味を感じていた。つまり、数日かけて製作した砂マンダラを跡形も無く消し去る。
これは大変なことだと、特別な精神的な意味や教理を見出そうとしていたのであった。
今回の展示の総監督である国立民族博物館の館長立川武蔵さんが解説をしていたので「壊す」と言うことについて個人的に訊ねた。
答えは明快。前記したごとく砂マンダラやプジャーなどで土間に描くマンダラ全てが、一時その場に降臨していただく場所のせっていであり、
お帰りになった後は、ただの空家である。
これをいつまでも保持すること事態、空観念をもととする仏教ーー密教 にとって矛盾をしてしまうことになる。
プジャーにおけるマンダラは「芸術作品」ではないのである。この当たり前のことを私はいつしか見失っていた。
といっても、迷ったり道草をしているわけではないが「壊す」ということの解釈で相違があったといえる.
では、この法事をなんと称しているのか問い忘れてしまった。
日本においては『破壇』と称し、荼毘が終了すると蓋をするそうだ。そして後始末をするのだろう。
かたずけ掃除程度の見方でいいのか分からないが、結局はそおいうことであろうか・・。

ryusun

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