豊栄の住宅では、充填断熱の工事が行われています。
以前に外部側の付加断熱工事をご紹介しましたが、今度はその室内側に断熱材を充填しています。
高性能グラスウールのアクリアが、壁にトータルで21cm分の厚みで充填されます。
そして、天井には同様にアクリアを使って屋根タルキ間に充填しています。 トータルで35cm分の厚みです。
これだけの↓ 厚みになります 見るからに暖かそうですね。
一般的には、天井の上に敷き込む(乗せる)方法が簡単なので、その方法がとても普及しておりますが、実際に現場を見た事がある方はお分かりかと思いますが、天井上から見ると結構な隙間ができます。
断熱材と断熱材が隙間なくピッタリ寄り添うわけでもなく、ましてや天井の下地、吊り木がありますので下からはくっ付いて見えても、上から見ると驚くほどの隙間ができているのです。
例えば・・・ 下からは↓ 一見きれいに敷き込まれている様にも見えますが・・・
天井上に上がってみると・・・ こんな感じ 断熱材と断熱材の間には相当な隙間ができています。
(特別に悪い施工例の写真を使っているわけではありません。残念ながら、天井断熱ではほとんどの現場がこんな感じになっています。)
これでは計算通りの断熱性能は出ません。 特に繊維系断熱材の様に厚みのある断熱材を使う場合は、表面だけでなく厚み分全てが隙間なく施工されているかどうか注意しなければなりません。
そもそも繊維系断熱材は、柱や間柱やの間に充填される事を前程として、住宅のグリッドである455㍉(1.5尺)より幅を狭くした395㍉や430㍉のサイズが流通しています。
つまり、木材間に充填する工法ではない天井敷き込み工法の場合は、住宅のグリッドに合わせて455㍉ピッチで断熱材を敷きこむと、455-430=25 25㍉は少なくとも隙間ができる事になってしまうのです。
もちろん、これらを考慮して天井下地や断熱の敷き込み方法を改良して対応もできます。 しかし、そもそも天井に張るボードは910?1820㍉サイズ。すると455㍉か303㍉グリッドの下地が必要になってきますので、やはり395や430サイズの断熱材で隙間なく施工する事がとても難しいのです。
では、どうすれば良いか?
壁と同様に455㍉ピッチに間柱、もしくはそれに代わるタルキなどの木地を入れておけば、その間に隙間なくきれいに充填が可能となります。 (もちろん、天井上にブロアーして吹込む工法でも隙間はできにくいです。)
断熱性能は計算で簡単に出てきますが、施工方法によっては計算どおりの性能が発揮されません。 それではいくら良い断熱材に高い予算をかけても意味がなく、とてももったいない事になってしまいます。
これから住まいを検討される方は、レベルの高い設計力はもちろんのこと、監理や施工の能力の高い建築会社を探す事がとても大切になってきます。