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一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

低い(^_^;)、スキップフロア&大屋根、でも耐震等級3

2016年10月04日 | 下保内の住宅
下保内の住宅です。
ようやく足場が解体されました。



低い 
平屋並み。もしくはそれ以上に低く見えます。
でもちゃんと2階建てです。

いつもは足場が外れると「うわぁ~」ってなるけど、今回は「ほほぉ~」って感じ
色見も黒一色でギュッと締まって見えます。(これ絶対に植栽が映えるわぁ~)



近くに来ると、焼き杉の質感がよくわかります。いい感じです。
数年して表面の炭化した部分が取れてくると、更にいい感じになります。



道路側の前方は平屋、地盤の低い奥が半地下からの2階建て。 
高低差を活かしたキップフロア&大屋根の構造です。





超開放的な吹き抜けもありますが、こちらもシッカリ耐震等級3をクリア  
もちろん、長期優良住宅です。




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内装用モイス、暖テックス

2016年09月20日 | 下保内の住宅

下保内の住宅現場です。



内装用モイスを張り始めました。 そう、内装用
モイスには、外部(壁下地)に使う耐力面材モイスと、内装仕上げに使う内装用モイスがあります。

耐力面材のモイス


内装用のモイス


ちょっと紛らわしいですが、どっちも同じモイスです。
強度・環境性能・呼吸性能などなど多くの機能を活かし
構造材(耐力壁)としても、仕上材としても、理想的な建材としてそれぞれ商品化されています。

内装用モイスは、ぱっと見は真っ白い壁ですが、よく見ると黒いつぶつぶがあってややグレーががっています。
超マットな質感。テカテカしたビニールクロスとは異なり 光をやさしく反射します。



調湿、消臭、耐火などの機能ももちろん大きなメリットですが、なんといってもこの質感がイイ

現物は写真以上にイイ感じですよ。

クロス貼りより少し高くなりますけど、一部の天井などをシナ合板や構造用合板などにしてコストを落とせば、トントンかな


また、設置予定の薪ストーブも確認してきました。



地元「暖テックス」さんの出来立てホヤホヤのニューモデル。
こだわりのオリジナル品。機能もデザインも優れていて、しかもとってもリーズナブル。(ここ大事
もちろん輸入ストーブも様々取り揃えていて、比較検討しながら選ぶことができます。(ここも大事

いつも通りシンプルで余計な装飾のない室内空間になるので、どんなデザインのストーブでもバッチリ似合います



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焼杉の外壁。理由あって決まる。

2016年09月03日 | 下保内の住宅

下保内の住宅です。
外壁工事に入りました



メインは[焼杉]張り。国産杉板の表面をバーナーであぶり炭化させたものです。



表面の炭化した部分が比較的早く落ちるので、初期の経年変化は早めの外壁。
しかしながら、それを楽しみにして頂いているお客様が多いのも事実。

「新品のピカピカも良いけれど、年月と共に変化していく佇まいが美しい
そう感じて頂けるお客様から頂くご要望です。



私個人的には白い外観が好みだが、何でもかんでも白をおすすめしているわけではない

まず、最初のプレゼンでは、なるべくホワイトモデルで表現し、カタチそのものを見て感じて頂く。
(まずは、おそばにツユをつけずに味わってもらう。みたいに
基本設計さえまとまっていれば、何色でもどんな素材でもそれなりに似合う。

次に「この住まいならこの色この素材が良いのでは。」と、ちゃんと理由のあるものをおすすめする。
もちろん、ご予算や施主様の好みもくみ上げた上で。

すると必然的に外壁が決定されるのだ。

下保内の住宅は、お客様の好みでもあったのだが、焼杉とする事で
ここの高低差のある敷地で、より低く抑えられたプロポーションとなる事を狙った

白いと・・・


焼杉だと・・・


より低く見えるでしょ? どう
(低いというより後退して見えてるんだけど・・・)

絵で観てこれだけ違うと、実際にはもう少し差が出ると思います。(たぶん
実際に作って比べられないけどね





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住宅と自動車。匠の技。

2016年08月27日 | 下保内の住宅


私がブログ更新をサボっている間にも、下保内の住宅工事はサクサクと進んでいます。




断熱工事ちゅー



屋根(このまま天井にもなる)に高性能グラスウールを[充填] 上棟の時に充填した付加断熱と合計で、235㎜になります。(このあと気密シートで覆います)

そこそこの厚みだが、実はそんなに費用をかけないで、もっと厚くもできます。
計算上のスペック(性能)を単純に上げたいのなら、平らな天井にして、その上に断熱材をたっぷり敷き込めばいいのです 簡単です。

でも、当社では単純に厚み増す事よりも、この[充填]する事にこだわります
(というか、隙間を作らない事にこだわります。)

天井の上に乗せた断熱材。ほんとにきれいに隙間なく敷かれているのでしょうか?
点検やメンテナンスなどで、天井裏を除いた事がある人はわかりますよね

天井上には天井の下地はもちろん、それを吊っている吊り木や梁、ダウンライトの出っ張りや電線などなど様々な障害物がたくさんある。隙間なく断熱材を並べるのは至難の業。


確かに、たくさん断熱材を乗せれば計算上の性能は良くなります。
でも、その断熱材に隙間があったら計算通りの性能は絶対でていません

気密測定すれば、隙間があるかどうかわかります。 でも、これはあくまでも気密層の話
断熱材の隙間は、残念ながら数値には出てきません
どんなに大きな欠損があっても数値では出てこないんです・・・ 

そこで、当社ではなるべく隙間の出来にくい施工方法として、タルキ間に断熱材を充填しています。
(壁面と同じ考えですね。) 
ですので、必然的に屋根のタルキを利用した充填断熱となるケースが多くなります。

もし、天井断熱するなら、桁上などに平らな床を作りその上に断熱材をきれいに並べるか、たっぷりと吹き込みする方法がよさそうです。(厳密に言えば桁上断熱ですけどね)


もちろん計算上の性能も大事です。当然です! しかしその計算通りの性能が実際に出せるか?は、施工の方法や施工する職人の技量にかかってくるのです。

どうしても、わかりやすい[スペック]での競争と、なってしまいがちですが、数値にばかり気を取られていると大事なところが見えなくなってしまいます。


実は、自動車のように完全なオートメーションで作られるような物でも、一部の高性能な車種ではその道を極めた限られた職人いわゆる[匠]によって、エンジンなどが組立てられています。(当然、安い車は作れません

部品も道具も作り方も全く同じだけど、作り手によって大きく差が出るということなのです

住宅と自動車は違うかも知れません。
でも、工場ではなく現場で作る手作りの住宅だからこそ、その差は大きくでると思います


昔の住宅と違い最近の住宅では本格和室がなくなって、大工の匠の技の見せ所がなくなったと言われます
でも、本当は断熱や構造など見えない所にこそ、その技を存分に発揮して頂く必要があるのです





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耐震性と断熱性の両立、等級の違い

2016年08月10日 | 下保内の住宅

下保内の住宅は、上棟後早々に外周部に耐力面材モイスが張られました。
弊社では、外周部にはなるべくスジカイは使わずに面材のみの耐力壁とします。



外周部にスジカイを入れないのは、断熱材を隙間なく充填するためです。
スジカイがある所は、こんな風に断熱材の充填作業を行います→ 充填断熱 筋交い部の施工

実際にやってみると、残念ながら熟練した大工さんでもこんなにきれいに出来ません 

しかも、実際には筋交いがダブル(たすき)にかかっているケースや、スジカイ金物、ホールダン金物などもあり、
本当に隙間なく充填するのは、ほぼ不可能 

そこで、弊社ではなるべく壁の中はスジカイなしのカラッポとし、断熱材がスッキリタップリ充填できる様にしておきます。
(内部間仕切り壁には、不足分と偏芯率を補うためにスジカイが入ります。)



「じゃあ、サトウ工務店は耐震性より断熱を優先させてるの?」
いいえ、とんでもありません 耐震性は手を抜きません。

本物件も耐震等級は最高の3をクリアしています 
新潟では積雪を考慮していますので、積雪のない地域の等級3よりもウンと強い耐力になります
(地震力は建物重量に比例するので。)

耐震性能の等級による違いは、
等級1は、建築基準法の性能
等級2は、等級1の1.25倍
等級3は、等級1の1.50倍

ザックリわかりやすくいうと、
等級1は、普通の住宅
等級2は、長期優良住宅や避難所となる学校校舎
等級3は、地震時に「絶対に倒れてはいけない」消防署や警察署の耐震性能です。

弊社の近年の物件は、ほぼこの「絶対に倒れてはいけない」等級3をクリアしております

これは、優れた耐力壁モイスのおかげもありますが、なんと言ってもプランニングがポイントなのです。
プランが整っていないと、どんなに強い壁や床で補強しても、等級3はおろか等級2のクリアも難しくなります。

そういった意味では、弊社の建物はユニークな間取りだったり、思いっきり開放的だったりするけれど
ものすごーく安定していて合理的な構造を持っているという証拠になります。



「長期優良住宅の等級2をクリアするためには、プランが制限されてつまらない家になるのですすめません
などと言っている建築士は、明らかに設計力不足です。
(ちょっとえらそうに言いすぎかな・・・

[外周部での耐力面材]、[内部間仕切りでのスジカイ]、この使い分けは
耐震性と断熱性を同時に高めるための、一つの工夫です。

他にもいろんな工夫をしていますが、けっこう長い説明が必要となりますので
また機会があればご紹介します。

さて、弊社も明日から夏期休業に入ります。
期間:8/11(木)~16(火) 17(水)からは通常営業となります。

それでは、皆様よい夏休みをお過ごしください





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