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一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

初荷は木製サッシと玄関ドアです。

2016年01月07日 | 下大浦の小さな小さな家

新年あけましておめでとうございます
今年も現場の状況を、ただただ坦々とご紹介していきます。

さっそく、[下大浦の小さな小さな家]の現場には初荷が届きました。



木製サッシです。 すご~く重いので5人がかりで取付。
リビングのメインとなる開口部です。 小さい家にはちょっと高価だけれど、ここにはこだわった

フルオープンもできる。 このあと写真左壁にはFIX窓が入りコーナーに視線を開放できる。



この木製サッシは、断熱性能や気密性能が高いのはもちろんですが
やはり素材が[木]でできているっていうのはとにかく気持ちがいい 

いまは、空前の[樹脂サッシ]ブーム。
コストパフォーマンス的に考えれば、もちろん[樹脂サッシ]となります。
しかし、フレーム幅のでかい樹脂が室内から見えるのには、どーも抵抗がある。
また、開きタイプやサイズが限定的で選択範囲が少なく満足できない場合も多い。

特に景観を取入れるためのリビングのサッシなどにはこだわりたい。

限られたサッシのサイズやタイプに合せてプランをたてる事は避け、
プランニングを優先にして、それに合うサッシを探す。もし存在しない場合は作る。
素材もできれば、[リアルな素材]を使いたい。

そんなこんなで、当社では今回のようにオーダー品の木製サッシの場合もあるが
状況によっては、汎用性の高いオールアルミのサッシだって平気で採用します。 

かといって、もちろん結露させたり、寒い思いは絶対にさせません
省エネ性と快適性は犠牲にしない工夫をしっかり施します。

高性能な樹脂サッシさえ使えば、快適で省エネな暮らしができると思ったら、全くの大間違い
窓の位置や大きさを無駄なく最適化しする。それと並行して高性能なサッシを使うべきなのである。

どんな高性能なサッシでも、無駄な大きさだったり、必要としない場所に取り付けたら、
冬は熱損失が大きくなり、夏は不要な熱を取得してしまう。マイナス要素しか生まないのだ。

なんだか[樹脂サッシを採用する事]だけが重要になってしまって、窓の位置やサイズの最適化がいい加減になっているのでは?
建築士としての仕事をちゃんとやってるの? 的な話や家も… う~ん まあ…ね、ね。  
 

話は変えて… 本日は同時に木製の玄関ドアも納品。



こちらもすこぶる高い断熱性能と意匠性を両立。



表面材はウエスタンレッドシダー。
ハンドルがなく、外壁が施工されると枠さえ見えなくなり、フラットでスッキリ 



う~ん、小さいけれど、なかなか楽しみな現場ですな 


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小さい小さい家の建て方。でも手間はかかっています。

2015年12月26日 | 下大浦の小さな小さな家

下大浦の小さな小さな家は、先週のクリスマスの日に上棟となりました。
では、建て方作業をダイジェストでご紹介。

まずは、プレカット材の搬入 地元タツミのテックワン工法です。
ちっちゃい家なので、材料もずいぶん少ないですね~ 



基礎の上に土台を敷きます。耐久性を重視した桧の集成材です。



そして、柱を立てます。柱は補助金がもらえる新潟県産杉の集成材です。



そこに梁をかけていきます。主な梁は補助金がもらえる新潟県産杉の集成材ですが
特に強度が必要な梁は、米松や赤松の集成材にしています。



その梁の間にタルキを落し込み(ここには後で室内側から断熱材を充填します。)

タルキの上に構造用合板を張って水平構面とします。(水平構面は耐力壁と同様に高い耐震性を確保するためにとても重要です。)
耐震等級は3.最高ランク 倒れてはいけない建物 同等です。

ジョイントはテープを貼って気密もとっておきます。


その上に、屋根荷重を支える(本当の)タルキを並べます。(弊社ではめずらしく軒の出があります。)



そのタルキの間に断熱材を充填します。(後で室内側からも断熱材を充填するので付加断熱となります。)



防風透湿シートを貼って通気層もつくっておきます。



最後に野地板を張って大工工事完了。あとは板金屋さんにタッチ



当日のうちにルーフィングを張り、翌日には板金屋根が施工され、サクサクと工程を進めてもらいました。
これで雨が降ろうが、雪が降ろうが、一安心 



軒先が薄くシャープで軽やかな美しい屋根になる予定です 


こんな感じ 



これが今年最後のブログかな・・・ 
今年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたしますね。

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普通じゃない? まじめに考えるほどユニークに

2015年12月19日 | 下大浦の小さな小さな家

「下大浦の小さな小さな家」は来週に上棟予定です。
雨ばかりで基礎工事が遅れていましたが、何とか予定通りに進められそうです。





パースで見てもホントちぃっちゃいです。 
延べ床面積12坪は弊社では今までで最小。
でも、この小ささがなんかとってもいい感じ・・・


更に、ご契約済みの他の物件も2つほどチラ見せ。










どちらもユニークなカタチ。どこがどうなっているのか… 普通のカタチじゃないですね。
でも、どちらも奇をてらってデザインしたものではなく 
プライバシーを確保しながら良好な日差しを取入れる工夫をした結果なんです。

省エネ性を計算する上で、暖房期間にどのくらい日射熱を室内に取り込めるか?が性能を上げる一つの大きな要因になっています。
地域や方位、庇など細かく計算して、省エネ性を確認します。

すると当然、南に開口部があった方が有利ですので、普通に大きな窓を惜しみなく南面にドンドンと配置します。
計算上は、冬期は日差しが入り室内が暖かくなるので光熱費は○○円お得になります。といったうれしい結果が・・・

しかし・・・ 本当に計算どおり日射を取得できるでしょうか? 

新潟の貴重な冬期のお天気の良い昼間に、日差しが取り込まれ・・ 
あれれ~? ひょっとしてカーテンは閉まってませんか?
平日の留守宅でもカーテンは開けてありますか?
お休みのくつろいでいる日、日射があればカーテンを開けていますか?

通りや隣家が気になり、カーテンやブラインドを軽~く閉める。
こういう生活が普通じゃないですか? 
いや軽~くならいいですが、ガッチリ閉めている家も少なくないのでは?
というか、網戸も付いて遮蔽してるし… 
庇で雨が当たらずに、ガラスもめっちゃ汚れてるじゃん… 

といった具合に机上の計算と、現実ではギャップがあります。
いくら緻密な計算をしても「絵に描いた餅」となるケースも少なくありません。
どんなに高性能なサッシやガラスを採用しても、使い方一つでその性能は帳消しになります。 
数字とにらめっこばかりしていたら、見えなくなってしまう部分がたくさんできるのです。

その土地でその立地でどうやったら日射取得とプライバシーの確保を両立できるか?
どうしたら生活しやすいか? または心地良いか?などなど
数字では表せないたくさんの事を、一生懸命にまじめに検討する必要があります。

立地条件は住宅が100棟あれば100棟違います。その条件、その個性を活かす工夫をする必要があるのです。
ですから、一棟一棟の住まいが独自で個性的な住まいになるのは必然だと思います。
ですから、まじめに考えれば考えるほど、ユニークなカタチになってしまいます。

にしても・・・ 上の物件はちょっと個性的過ぎでしょうかね・・・
これらのユニークな物件は、これから順次着工となります。
お・た・の・し・み・に 

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小さな小さな住まい、倒れてはいけない建物

2015年12月02日 | 下大浦の小さな小さな家

新しい物件が着工!



先週地鎮祭を行い、本日からは地盤改良。





すごく小さな住まいです 。な・なんと12坪 

住まいというより「小屋」のようなボリューム。

実際に、長期優良住宅は75㎡(約23坪)以上、フラット35でも70㎡(約21坪)以上、の規模でなければ対象にならない。

それに対して、本物件は40㎡(約12坪)とあまりにも小さい。 長期優良住宅の性能基準は簡単にクリアしているが、大きさが足りずに認定は取れない。

まるで、「すごく相撲が強いのに新弟子検査で身長が足りずに不合格になった」 気分 

耐震等級は最高ランクの3をクリア。建築基準法の実に1.5倍。警察署や消防署などの防災拠点となる「倒れてはいけない建物」の基準に相当します。

お風呂もトイレもキッチンも寝室もあるのに、「小さい」という理由だけで、住宅として扱ってもらえない・・・ 

この住まいには、木製サッシ、薪ストーブ、トップライト、そして外壁には久々に「焼き杉」を採用。 仕様も「小屋っぽい」でしょ

とってもとっても小さいけれど、とってもとっても楽しみな現場です。


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