足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

石油、ギリシア問題のに懸念は軽減・・・NY株は引けに戻した

2011-06-24 08:06:39 | 株式

ここ2日間、世界の投資環境は大きく動いたことに注目しなければならない。

前日の米連銀FOMCQE2(第2次量的緩和)の6月末での打ち切りが決まった。同時に米国の成長率の見通しをこれまでの+3.0%以上から+2.7%~+2.9%に引き下げた。

問題のギリシアでは首相の信任投票が僅差であったが賛成票が上回った。ギリシア、ポルトガル、アイルランドの国債相場が反発した。

意外性があったのは国際エネルギー機関(IEA)の石油備蓄の放出で原油価格が下落し、金,銅などの国際商品相場が下落した。

連銀が成長率の引き下げしたのはエネルギー価格の上昇、日本の震災、悪天候であったがその中の悪材料の一つは消えた。

昨日のNYダウ平均が一時は234ドル安まで下げたが引けは59ドル安と下落幅を縮めた。

ここにあげた悪材料が世界景気と株価の先行きに不透明感としてのしかかっていたが、そのいくつかの不透明性が消えた。

依然として景気の鈍化という「リスク」があるが、株価が嫌う「不透明性」が薄れてきたことは前向きに評価してよい。

株式相場にフレンドリーなバーナンキ議長がQE2の打ち切りに踏み切った心中には、いま出てきた材料の先行きへの読みがあったのだろう。

世界の投資家の関心が日本の復興へと、これまで以上に高まるだろう。


米FFOMCには新鮮味なし・・・反転相場には影響はしない

2011-06-23 07:43:33 | 株式

1日半という長時間の米連銀のFOMCであったが、政策に関しての新しい動きは皆無であった。

連銀は今年の米国の経済成長率を+3.1%~+3.3%から+2.7%~+2.9%に引き下げた。

米国の自律回復メカニズムは有効には働いており、ここでは新しい追加政策には動かなかったか。問題の景気の減速もエネルギーコスト高、日本の震災などが景気を鈍化させた一連の材料はであることを強調した。

FOMC会合からは全く新鮮な材料はなかった。株価は4日間の続騰に休止符を打ち下落した。NY株は「ウワサで買い、ニュースで売る」という経験則を地で行った。

ただこれで先週来の反騰相場が終わったとはなみない。

相場観には先行きをめぐって様々な見方が出てきたが、確実にいえることは株価の水準の割安性である。

株の益利回り(PERの逆数)が8%になり、長期金利が2.9%と3%を割れていることだ。

株式投資の収益率が8%と債券よりも2.7倍も有利なことである。

東京市場にもこのことが当てはまり、特に時価総額が2000億円以下の銘柄には魅力のある株が多い。この視点で銘柄の発掘に力をいれている。


NY下部は3ヵ月ぶりの連騰・・・太陽光発電・LED関連株が高い

2011-06-22 07:27:09 | 株式

NY株は4日間の連騰になった。ここ3ヵ月では初めての相場展開である。

きっかけがギリシア議会でのパパンドレウ首相の信任投票で信任される可能性が高まったことだ。

相場の中味はハイテク、金融というここ2ヵ月間、相場下落のリード役であった銘柄が買われ、先行きに信頼感が戻ってきたことだ。またNY時間の今夜半に終了する連銀のFOMC後のバーナンキ議長の記者会見に注目が集まる。市場が期待するのは彼が株価にフレンドリーであることだ。どのような発言が聞かれるか、ウォール街には前向きの見方が多い。

テクニカル指標にも底入れを暗示するサインが出てきている。まずS&P500が先週半ばに200日移動平均線の1260を下回らなかったことだ。1265で下げ止まった。

また「買いエネルギー」と「売りエネルギー」の強弱を示すARMS指数が下落に転じて「買いエネルギー」の優勢なことを暗示している。

今週のバロンズ誌の論調も相場が底値圏にきているという記事の掲載が目立った。

日本株が上がり、それに米国株が追随するという注目の若手のファンドマネジャー2人の見方を大きくとりあげた。ポール・ヒッキー(37歳)とジャステイン・ウォルターズ(30)である。20093月の底を的確に予見した実績がある。

彼らは「今回の下落は日本が理由だ。景気の減速は一時的な現象で夏には回復に転じる」と冷静にみる。

米国は若いと感じさせる。

フェローテック(6890)の押し目買いをしたい。昨日はNY市場で同業のGTソラー・インタナショナル(SLOR)が急反発した。太陽光発電とLED関連株だ。

()ARMS指数={騰落指数÷(値上り株売買高÷値下り株売買高)}

  トレーダーの間で注目度が高い指数


ギリシア問題から米FOMCに関心・・・不透明な環境でも珠玉銘柄

2011-06-21 08:08:32 | 株式

先週来、欧米の市場に懸念材料としてのしかかっていたギリシア問題であるが、昨日のウォール街はそれを消化して3日間の続騰になった。ユーロ圏の財務相の会合で7月に予定していた金融支援は先延ばしになったが、市場ではデフォルトという最悪の事態は避けられるという見方が強まった。ただこれからも世界の株価の懸念材料であることには間違いはない。

短期的な関心事は2日間にわたる米連銀FOMCで水曜日の午後2時過ぎからのバーナンキ議長の記者会見である。QE2(2次量的緩和)は打ち切るとして、記者会見で市場の信頼感を引き続き得られるかどうかが関心事である。

4月末までの相場とは異なり米国景気の減速が確実になり、ギリシア問題が第2のリーマンショックにならないかどうかという材料が浮上してきている。

しかし米国の投資家が昨年のような悲感人気に傾いていない最大の理由は株価水準が割安であることだ。最近のある大手ヘッジファンドの5月のレポートのなかでは「株式の益利回りが30年ぶりに高利回債を上回った」ことに注目していた。現在の株価のバリュエーションからすると弱気になってショート・ポジションを引上げる戦略もとれないというわけだ。日本株についても同じことがいえる。

新高値をとる銘柄をみると決算が史上最高を更新する企業である。

昨日はトーカロ(3433)が新高値になったが利回りは2%である。エコ関連というテーマ性もある。不透明な環境下でも珠玉のような株はある。


今週の焦点はバーナンキ議長の記者会見(22日)

2011-06-20 07:41:42 | 株式

今週の世界の投資家の関心事は21~22日の米連銀FOMCである。22日にはバーナンキ議長が記者会見に臨む。前回の5月のFOMCからこれまでの慣例をやぶって記者会見を始めた。

市場との対話を重要視するバーナンキ議長の強い意向が伺える。

特に今回は6月末で切れるQE2(第2次量的緩和)後の金融政策の行方にある。昨年来、6000億ドルの証券を市場から買い上げた。その効果は顕著に現れ株価が上昇したほか、原油をはじめ商品相場も大きく上がり新興国にはインフレをもたせた。

NY株は4月末以来、下落トレンドにある。QE2の打ち切りで米国景気が鈍化するという懸念である。昨年4月にも同じような懸念が市場に出て連銀が動いた。今回も住宅、雇用市場はパットしない。昨年の連想が働いてQE3の出動を期待する声が最近はウォール街から高まってきている。この声にバーナンキ議長がどう応えるかが、今週の最大の材料である。可能性としてはQE3の発動はむずかしくしばらく様子をみることになるだろう。

その場合は東京市場にとっては悪いことばかりではない。QE2は円高をもたらせた。しかQE2の打ち切りで米国金利が反転するようなら円高には歯止めになる。

今週から「パリ航空ショー」が始まる。アジアからの大量発注がいわれている。金属チタン、炭素繊維、エンジンなど関連株には材料になる。