今週の世界の投資家の関心事は21~22日の米連銀FOMCである。22日にはバーナンキ議長が記者会見に臨む。前回の5月のFOMCからこれまでの慣例をやぶって記者会見を始めた。
市場との対話を重要視するバーナンキ議長の強い意向が伺える。
特に今回は6月末で切れるQE2(第2次量的緩和)後の金融政策の行方にある。昨年来、6000億ドルの証券を市場から買い上げた。その効果は顕著に現れ株価が上昇したほか、原油をはじめ商品相場も大きく上がり新興国にはインフレをもたせた。
NY株は4月末以来、下落トレンドにある。QE2の打ち切りで米国景気が鈍化するという懸念である。昨年4月にも同じような懸念が市場に出て連銀が動いた。今回も住宅、雇用市場はパットしない。昨年の連想が働いてQE3の出動を期待する声が最近はウォール街から高まってきている。この声にバーナンキ議長がどう応えるかが、今週の最大の材料である。可能性としてはQE3の発動はむずかしくしばらく様子をみることになるだろう。
その場合は東京市場にとっては悪いことばかりではない。QE2は円高をもたらせた。しかQE2の打ち切りで米国金利が反転するようなら円高には歯止めになる。
今週から「パリ航空ショー」が始まる。アジアからの大量発注がいわれている。金属チタン、炭素繊維、エンジンなど関連株には材料になる。