目先は引き続きNY株の動向が最大の関心事である。
NY株は、ここ5週間の連続安になったが、月間では昨年8月以来の下落率になった。この時は連銀のバーナンキ議長が危機感をもち第2次の量的緩和策の検討に動いた。
先週の雇用統計が事前の予想を大きく上回ったことが相場の下落に決定的な打撃を与えた。市場のセンチメントは弱気に大きく傾いている。
世界最大のプライベート・エクイティの投資顧問会社ブラック・ストーンのバイロン・ウィン副会長は「買いのチャンスを探すときにきた。景気は短期的な弱気指標で判断するべきではない。企業業績は好調の域を超え、“非常に好調”だ。“いまでもS&P500は1500まで上がるとみているのか?”と最近はよくきかれるが、もちろん“イエス”だ」と語っている。
彼は現在、ソロスが運用するカンタム・エンドウメントの役員であり、無二の親友でもある。
年末には毎年「予想外の出来事10」をまとめ、話題を提供してきた。
ヨーロッパでは週末からギリシアへの支援問題に進展がみられる。ヨーロッパ中央銀行、IMF、EUが動き抜本的な対策を検討している。
一方、商品市場では底入れ感が出てきた。ここ2週間、商品関連のETFへの資金流入が純増になった。特に銅への強気がでてきている。中国での在庫の減少がいわれており、農産物では小麦、綿花への強気がみられる。新興国からの需要のほか、天候不順も材料である。
世界の景気の動きを占う明るい材料である。
日本では企業の震災対策が前進しサプライチエーン問題も解決の方向に進んでいる。
2011年3月期に決算発表時に見通し発表を見送った企業の正式な発表も散見されるようになってきた。経営者に先行きにつての確信がでてきた証明であもある。
東京市場でも底流には相場の地固めが進んでいる。