足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

任天堂の急落をどうみるか?

2007-11-05 18:02:31 | 株式

任天堂(7974)が大きく下げた。3,300円安(-4.62%)の68200円。

相場全体の悪地合いの影響を受けたが、今週発売の週間朝日(1116日号)の特集で“DS「脳トレ」は本当に効果があるか?脳科学者から異論が続出”という記事も悪材料視され、下落に拍車をかけた。

週刊誌では「脳トレ」のゲームは任天堂の宣伝のように「脳の活性化」という表現には、一種のまやかしがあると、ほかの大学の学者の言葉を取り上げている。

また開発に協力した東北大学の川島教授の“僕は「脳が働く」ことを保証しただけ。「脳が良くなる」とは次元が違う”(同誌)を紹介している。

「脳トレ」は任天堂のDSの超人気ソフトであり、日本でブームをつくったあと、いま欧米で人気に火がついてきているだけに、業績に与える影響を市場は気にした。

朝日新聞の714日付の土曜日版の「be on Saturday」では、川島教授を時の人として取り上げたが、その記事とはまったく違った週刊誌の問題提起の記事だ。

読後感は、「脳トレ」をまるで薬のよう扱い“効く”“効かない”を問題にしているような記事だ。

DSがゲーム業界に与えた衝撃は遊びの中に教育、健康、実用を組み入れ、ゲーム機器の効用の幅を広げたことである。

市場全体が弱気人気の時の記事だけに、任天堂の株価へ大きな影響を与えたが、同社株の評価とは別次元の材料だ。下落場面が続けば、投資の視点ではチャンスとみる。

具体的な株価評価は別の機会で論じるつもりだ。


バロンズ誌の投資セミナー

2007-11-03 17:24:54 | 株式

先月末、ニューヨークでバロンズ誌が画が催して投資セミナーが開かれた。有料であるが内外から300人の投資家や運用者が集まった。

講師の意見が一致したのは、「米ドルはアジア通貨に対しては引き続き下落トレンドをたどるが、来年のどこかでユーロに対しては底入れとみる」見方。

特に講師としてスイスから参加したフェリックス・ズーロッフ(ズーロッフ・アセット・アネジメント)が確信ある態度で強調した。

彼は1998年のLTCM破綻時に、これまでのロング・オンリーの運用から、ヘッジファンドを新設するというタイミングのよい行動をとった。そして今年4月にも3本目のヘッジファンド(クロウナス・ファンド)をスタートした。サブプライム問題の渦中でもうまく泳ぎ、「2008~2010年は21世紀の第一回目の相場のクライマックスがくる」と、中期的には強気である。

目先は商品相場で砂糖に注目し、新興諸国を中心に需要が大きくふえるとみる。また金の相場にも強気で$850超えは時間の問題とみているようだ。

われわれは、かねて彼の相場観には注目している。

先週の「トリトンスクエア通信」ではミクシィ(2121・マ)に注目した。ウォール街のグーグル人気にいちばんあやかるのは東京市場ではこの株とみた。

119日に中間決算の発表がある。第1四半期のときとは異なり、株価をとりまく環境は様変わりになってきた。


マザーズ指数が強い

2007-11-02 17:06:00 | 株式

前日のウォール街での暴落の影響で東京市場でも株価は下げた。

しかしそんな中で新興市場のマザーズ指数が反発した。インターネット関連の銘柄が多いが、最近のウォール街でのハイテク、ネット株人気の影響が出ている。

さすがにグローバル化と情報化の時代でウォール街の人気が瞬時に市場に伝わる。

最近、ウォール街で注目されているのはIT企業の巨人マイクロソフト(MSFT)の人気の復活である。株価は2001年以来の高値に進んだ。

きっかけは最近、発表した第3四半期の業績である。売上は+27%増えて1376000万ドル(15800億円)になった。アナリストの事前の予想を10億ドル(1150億円)も上回るという大ぶりな増額修正である。

市場がみていたよりPCの売上が世界的に増加してきた。それに最近はグーグルに対抗してインターネットのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)の分野で地盤固めを急いでいる。最近は24000万ドル(276億円)を投じてSNSの画像分野でのトップであるフエイス・ブックに資本参加した。

グーグルは対抗して検索エンジン、ネット広告だけではなく、マイクロソフトのPCソフトの分野に切り込みを図る。最近はDocsというワープロ用のソフトに力をいれている。次いで携帯電話の基幹ソフトであるOSにも乗り出す。マイクロソフトの牙城である。

このように両社の戦いが、ハイテク業界の技術革新を促し始めたことを、ウォール街は感じ取っている。

マザーズ市場の復活は世界的に始まろとしている技術革新を感じとりはじめたのかも知れない。


グーグルが$700超えた・・・株式投資のヒント

2007-11-01 21:11:57 | 株式
グーグル(GOOG)の株価が$700を超えた。
株価の目標値のコンセンサスは$730であったので、それを達成するのは時間の問題である。
時価総額は2200億ドル(25兆3000億円)になった。ハイテクの代表格のシスコ・システムズの時価総額2016億ドル(23兆1000億円)を上回った。東京市場の最大の時価総額であるトヨタ自の21兆円をもしのいだ。
ここ6週間半で株価の上昇で時価総額は550億ドル(6兆3000億円)ふえたが、設立が4年先輩のヤフーの時価総額が420億ドル(4兆8300億円)。
世界の市場で、もっとも合理的な株価形成が行われているのがニューヨーク市場とみているが、6週間強でいまひとつヤフーが誕生した勘定になる。
「株価の価値を判断するのを何に求めるか?」と自問自答したくなる。
NY市場では株価が$100を超えると、経営者は株式分割を考え、市場での人気を狙うのが普通だ。しかしグーグルの経営陣の頭の中には株式分割などはまったくない。
そういえばウォーレン・バフェットのバークシァ・ハザウェイ(BRKA)の株価は1株が$132,500(1523万円)である。グーグルの創業者は公開時に「経営はバフェットに学ぶ。現場から上がってきた数字に手心を加えることは絶対にしない」と語っていたのを思い出す。
株価はどこまで上がるのか?
デビッド・ガリティ(ダイナサー証券アナリスト)は「目標値は$985」とレポートし注目を集めている。
グーグルはSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)と携帯電話を戦略部門に置いた。インターネットの技術革新は無限であることを教えてくれた。
東京市場での成長株投資のヒントがある。