NY株は小休止・・・注目点は決算発表

NYダウ平均の小波乱は続いている。引けはプラスで終わったが高値1万6885ドル、安値1万6790ドルの間を往来した。
相場が完全に底入れしたかどうかの見方が分かれる。
機関投資家の間で信頼感の高いストラティジスと（ウェルスメネジメント・キャピタル）は「まだ底入れしていない」と慎重論だ。今回の相場の調整局面入りを的確に予想した。
またバロンズ誌のウェブ版に寄稿したバイロン・ウィン（ブラックロック副会長）は「8月を契機にして世界には変化が出た。中国経済の減速だが、今後の世界は米国、欧州、日本の景気が支える」として年末にかけて株価は回復基調を予想した。

市場が気にするのは米連銀の金融政策の転換だが、この日も債券投資の第1人者ビル・グロスの「金利ゼロでは米国の長期的な繁栄はない」と主張した。米国経済のバックボーンは消費と投資だが、ゼロ金利下では経済の原動力の柱の民間投資と公共投資は増加しないーと主張する。民間の資金は格付けの低いジャンク債に殺到しているのを嘆く。資本主義の経済循環が停滞している。足元の雇用市場の現状の回復で先行きは問題ないとみる。
焦点は8月にはじまった中国経済の鈍化で、それが世界経済のGDPの40％をしめる中国、新興国にどのような影響をもたらせるかである。

イエレン連銀議長が率いる中央銀行は世界のどの分析チームよりも精緻なデータをもつだけに、その政策の行方がやはりカギをにぎる。
市場のセンチメントをCNNMoneyの「恐怖＆貪欲」指数でみると昨日は30と前日の32と大きな変化はない。相場は小休止するところか？

NY市場では今週のアルコア（AA）の発表を皮切りに第3四半期の決算発表が本格化する。企業収益は前年比ではマイナスになるが、個々の企業ベースでの好決算に期待したいところ。昨日はペプシコ（PEP）の決算内容に好反応して株価が上がった。