足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

有力機関投資家、ヘッジファンドの見方。

2015-10-19 06:17:25 | 投資戦略
米バロンズ誌がアンケート方式で投資についての調査を掲載した。
年2回、年金、大小の投資会社138社(ヘッジファンドを含む)を対象に調査を行ってきった。
今回の調査期間は8~9月の相場の波乱を経験した時期だが、回答を寄せた一人のスティーブン・ドレキサー(ウェルズファーゴの運用者)は「株価の底入れが確認できなかったら、今回は回答ができなかった」と前置きして相場を読んだ。回答者の多くが相場は底入れしたという確信を持ちはじめたようだ。先週の相場の堅調さに示現している。

先行き NY株については超強気2%、強気53%、中立29%で全体の83%が相場には楽観的である。現在の水準は過熱30%、割安16%、適正水準54%と相場の位置は居心地がよいとみている。
6ヵ月後の株価の見通しも強気でNYダウ平均の年末1万7140ドル、来年半ばは1万795ドルとみる(先週末は1万7215ドル)。
有望業種はエネルギー22%、素材21%、消費循環12%、金融9%、ヘルスケア9%、ハイテク7%で、石油・ガスも反騰で一致している。
向う5年間のベストの株式市場はS&P500が56%、ヨーロッパのSTOXX Europe600が22%、日経平均が5%、上海が16%で日本株には大きくは期待できない。
ただ向う12ヵ月をみると有望市場の順位はヨーロッパ、米国、日本となっており、短期的には日本株へも関心は高い。
アンケートの結論として目先、中期にはNY株には強気が増えてきたことが特色。

別の調査レポートが手元に届いた。同時期にロンドンの投資銀行が米国の主要ヘッジファンドの運用者を訪問した。自らが投資してきたヘッジファンドだ。夏場の調整前のポートフォリオはグロス・エクスポジャーが195%であったが、9月末には164%に落とした。ネットポジションは70%から50%に大きく減らした。相場の波乱を乗り切るためでる。ポジションの一部は下落過程では損りした。
しかし最近の相場の戻りではロングを再びロングを増やしはじめたところも出てきた。

これら2つの調査データから8~10月相場動向が見てとれる。

欧米日の相場は底入れから反騰の入り口に立った。
日米とも4半期の決算が個々の株価に反映される人気に移行してきた。

バロンズ誌が任天堂(7974)とグーグル関連企業ナイアンテックの新ゲームの共同開発でて提携したことに注目し、ジェフェリーズ証券のaアナリストのアトゥール・ゴアルの目標値$30.45(円換算3万6000円)での推奨を取り上げた。共同開発中のゲームは任天堂の看板ゲームの人気キャラクター「マリオ」で
開発の成功に応じてマイルストーンを支払う。
今月28日の決算発表時には具体的な計画が出るという観測記事を掲載した。
任天堂についてのウォール街での関心度は東京市場よりも数倍に高い。