足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株に安心感が戻る

2015-10-09 06:19:34 | 投資戦略
NY市場には先行き安心感が戻ってきた感じ。
NYダウ平均は8月以来はじめて1万7000ドル台を回復し、S&P500は2,000ポイントに乗った。
CNNMoneyの「Fear&Greed」(恐怖&欲望)指数も42ポイントと安心感が高まった。

きっかけは米連銀の9月のFOMC議事録の公開である。政策転換を見送った理由として
中国の景気の鈍化が金融市場に波及してきたことを認めた。ハト派的な見解を好感し、政策転換が年末以降に先延ばしになると判断した。
懸念された上海市場は+2.97%になった。欧州ではドイツ株が上昇したほか、新興諸国株にも安定感がみられる。
 
今回の市場のかく乱要因になったのはコンピュータによる高速回転売買(HFT)とヘッジファンドの動向である。前者は売買動向のかく乱要因になったし、後者はバイオとハイテクへの集中投資という運用面での読み間違いである。HFT問題は今後も相場の波乱要因になるが、ヘッジファンドはポートフォリオの集中投資を反省し運用のバランス化を進めている。

次の焦点は米連銀の動向だが、中国問題とNY株の動向がカギ。利上げの可能性は来年に持ち越される可能性が高まってきた。
昨日は日本の景気の足踏みを気にされた。8月の機械受注が減少し、内閣府が2ヵ月連続で基調判断を下げた。これまで日銀は消費の堅調を強調し、一段の緩和を見送ってきたが、米連銀のハト派的な行動に合流するかどうかが注目点だ。

個々の株価はテクニカル面で整理が進む。
相場の回復基調の確認には相場のリード役の出現が必要である。