足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

がん関連の大物が登場する

2015-03-12 07:03:13 | 投資戦略
NY株は続落。連銀の金融政策についての懸念が尾を引いている。
足元の好調な景況感を背景に関心事は「何時?」と利上げの時期を探る。
いまひとつの悪材料はドル高、ユーロ安である。ユーロは対円では8年ぶりの安値になった。ドル高は米国の輸出企業にはマイナスだが、米国の国内関連にはプラスである。投資家は環境の急激な変化に戸惑いを感じ見送り気分を高めている。
日本の投資家にはドル高はプラスで、ユーロ安にはさほどの大きな関心はない。最近はユーロ圏との取引が増加してきているので、現状のトレンドが継続すると東京市場にとっても他人ごとでは済まされない。
新興市場ではIPO(新規公開)の空白が続き来週17日まではお休みである。月内には14社の公開が集中し、再び新興市場フアンには忙しい時期にはいる。
公開される銘柄には大物はみられないが、注目されるのは4月8日に公開されるサンバイオ(4592・マ)で市場からの吸収資金は300億円超の大物である。
癌の治療薬で先端をいく再生医療である。
2000年代にはいってから、東京市場でも関連銘柄が出たが結局は成長銘柄になったのは皆無であった。免疫機能をもつ物質を投与して癌をたたく製品の開発である。米国での臨床試験はフェーズⅡの後半にはいった。物質は米国の大学で開発されたが、企業化はサンバイオが先駆けた。大日本住友製薬、帝人が資金を出し、米FDA認可の取得に成功すれば内外での販売権をにぎる。この種の癌関連銘柄が株式市場での大きなテーマになる時代にはいる。日本のベンチャー企業の存在観が国際的に高まる意味は大きい。
今週は日本のアールテック・ウエノ(4578)が一部の抗がん剤の臨床試験を中止したことが材料で大きく売られた。この銘柄も日本のベンチャー企業では国際的に注目される技術を持つ。分野は異なるが製品化ではサンバイオより一歩先をいった。一過性の悪材料で売られたが、この種の悪材料は医薬品株にはつきものだ。
投資家には買いのチャンスである。がん関連として注目したい。