足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株は好景気指標を気にした・・・押し目は歓迎

2015-03-07 06:55:20 | 投資戦略
雇用統計で2月の雇用増が29万5000人と事前の238,000人を大きく上回り、株価は大幅安になった。イエレン連銀議長はかねて「景気の先行きに確信が持てたときには利下する」と繰り返してきたが、市場ではこの発言を想起し大幅安になった。市場でささやかれてきた6月の利上げ説が有力になってきたと相場はみて3指数とも大幅安になった。
ドル相場は上昇し、円、ユーロが下落した。
NYダウ平均は7年目の上昇相場にはいり、ナスダック指数が15年ぶりに史上最高値を目前にしているので、投資家の高値警戒感が高まるのは当然である。
連銀の転換点を探るかぎはインフレと足元の景気指標で、必ずしも全てが好調なわけではない。足元の景気指標のなかに企業収益の鈍化、指標のまだら模様があり絶好調というわけでない。
ここで金融政策の転換が行わたしても政策正常化へのスタート台で強いアメリカへの回帰とみるのが正しい。
われわれを元気づけるのは最近の外人投資家の日本株買いの強さである。
仮説だが今回は米ナスダック指数の史上最高値への復帰が日本株上昇の原動力になっているとみる。
東京市場は1989年に資産バブルの天井、米ナスダック指数は2000年のITバブルの天井をそれぞれ経験した。それから日本は26年、米は15年を経過した。その間、日米とも金融不安を経験したのは同じで、日経平均はNYダウ平均の従属変数になり下がった。
ナスダック指数の最高値の奪回は秒読みの段階にはいったし、東京市場も日経平均2万円台回復が見えてきた。
両国ともここ15~26年で株式市場は大きく変貌した。
米国はITバブル、リーマンショックという2度の洗礼をうけ国力は一段と強固なものになった。
東京市場では経営陣がグローバルスタンダードに目覚め島国から飛び出す足掛りをつかんだ。
この2つの事実にいち早く投資に生かしたのが米国投資家である。かれらの脳裏には東京市場の次の目標値は1989年の3万8915円が意識されはじめた。
われわれは最近、米ナスダック市場の動きに大きな関心をもち、そこから日本株投資のヒントを求めてきた。成果に確信が持てるよになってきた。
些細な話だが最近の米国のバイオ株を追いかけて、S&P500で昨年第4四半期の1株当り売上の成長率ビッグ10のなかにエンドウ・インターナショナル(ENDP)という聞きなれない医薬品株が顔を出しウォール街での人気株になっている。日本人の名前の「遠藤」に関係があるのかもしれない。スペシャリティ医薬品分野の成長企業である。

余談だがナスダック指数を押し上げる最近の技術革新には日本株の有望株をみるヒントが多いことを痛感する昨今である。


先にも書いたが日本新薬(4516)、参天製薬(4536)、小野薬品(4528)の関西医薬品株のトリオのことを再度コメントしておこう。
25日移動平均線は日本新薬+10.86%、参天製薬は8.2%、小野薬品が+17.2%と常識的には過熱ゾーンにはいってきた。しかし人気は衰える兆しはない。
日本新薬は米アクテリオン社と組んでの肺高血治療薬、小野薬品はブリストル・マイヤーズと共同開発している抗がん剤、参天製薬は米メルクから海外の眼科領域の販売網の買収という、業績にすぐ顕在化する成長材料があり、いずれも大きな飛躍の戸口に立った。大手製薬企業の手掛けないニッチな分野で生き延びてきたが、世界市場を相手にした窓を開くことは確実だ。
それだけにテクニカル分析という通念だけで株価の投資タイミングをみるのは間違いである。
相場の方向性に関係なく、ことしは一段と株価の位置を変えるとみて投資することを勧めたい。
いずれの銘柄も数十年にわたってみてきたが、いまほど強い関心を持つ時期は初めてである。