異常な気候であった8月も終わる。
一足先に株式市場は8月の立会を終えた。
日経平均は-2.3%、TOPIXは-2.8%であった。一方,NY市場をみるとNYダウ平均は+1.4%、S&P500は+1.1%、ナスダックは+1.8%であった。
今回の世界的な株安の震源地であったNY市場はプラスであったのに、東京市場の元気がない。
ウォール街では7月にベアーマーケツト入りしたが、その直接の材料は住宅公社2社の経営不安であった。今月の株価の動きをみると、ファニメィが-40.5%、フレディマックが-45%であった。国有化の話が株価の人気を揺さぶっているが、問題の解決には別の選択肢がとられるだろう。
住宅公社2社より一足先に問題となったモノライン(債券発行の保証会社)の株価の立ち直りが目ざましい。代表的なMBIAの株価が今月は2.7倍になった。
これまでサブプライム関連で大きな利益をだしたヘッジファンドが「買い」に転じてきたのか?
最近はヘッジファンドの中には大きく売り込まれたデリバティブや債券に専門に投資する運用者が、活気づいてきた。英語ではディストレス証券への投資という。
ヘッジファンドの運用の一つの分野である。この種の商品に投資するヘッジファンドへの資金の流入が増加を始めた。
これまではサブプライム関連の商品を「ショート」(空売り)してきたのが、一転、売り込まれた商品をショッピング(物色)し始めた。
運用の戦略は180度の転換である。ヘッジファンドの運用の世界の柔軟性に注目される。したたかなヘッジファンドのお家芸である。
注目したい現象である。
来週はファーストリテイリング(9983)に注目。8月の月次の売上の好調が、2008年8月期の決算の動向を暗示する。
8月の月次決算は9月2日に公表される。