ウォール街の反騰が世界の株価を牽引した。
3月にベアースターンズ破綻が起こり、連銀の救済で相場が戻り歩調になった4月以来の相場展開であった。
金融株がまず相場の反騰のきっかけをつくった。
S&P500の時価総額ではハイテクと並んで中心的な存在である。金融株指数は+5.1%の上昇であった。
ダウ平均もエネルギーのシェブロンを除いて29銘柄がブラスになった。
連銀FOMCでは金利据え置きが決まり、反対票は1票に減った。この結果、前回のFOMC(6月)後に出ていた9月に政策転換の予想が大きく減退した。金利先物市場では9月据え置きの確率が68%から75%に上がった。声明文ではインフレ・リスクが言及されたが、今回は裏読みで「引き続き政策の現状維持」というのが大勢を占めた。
それには国際商品相場の下落が大きく影響している。7月にはCRB指数が10%も下落した。下落率は29年ぶりである。エネルギー、穀物、銅などが下げの先導役になった。週末から開かれるオリンピック後の中国の需要減退を先見し始めたのかもしれない。
国際商品相場に特化したヘッジファンドのパフォーマンスが7月は悪化した。7月後半は原油の反落を予想してポジションを落とし、8月に再出動というシナリオを立てていたところが多かったようだが、思惑が外れた。
昨日のS&P500は、過去1年のFOMC後の反騰としては1990年以降では3番目に大きい上昇率になった。2007年9月18日、2008年3月18日に次ぐ上昇率である。
2007年3月はサブプライム問題の表面化、2008年3月はベアースターンズ破綻である。相場上昇がどこまで続くかは別として、今月は戻り相場が展開されるだろう。