大リーグのボストン・レッドソックスのオーナーが経営するヘッジファンドが7月に月間で18%の損失を出して話題になっている。
ヘッジファンドの名前はJWHグローバル・アナリティックス。商品相場への投資に力をいれてきた。
7月には石油、ニッケル、コーンなどが大幅に下げCRB指数は月間では10%下落し、1980年3月以来、28年ぶりの下落になった。
商品相場に特化したヘッジファンドの資金量はいまや世界では2340億ドル(25兆円)と、ヘッジファンド全体の10%強を占めるようになってきた。
今回の石油相場の高騰に対して、OPECなどは「相場の高騰のカゲにはスペキュレーターが暗躍している」と主張してきたが、その見方が7月の相場の下落が実証した形になった。
商品相場の運用はコンピュータに組みこまれたプログラムによって行われているようだ。
ヘッジファンドの運用の手法は外部からは、なかなか読み取ることはできない。
ヘッジファンドと一緒になって投資銀行、商品業者なども、投機人気を盛り上げてきた。
最近、話題になっている「市場リスク 暴落は必然か」(リチャード・ブックステーバー著・日経BP)に、1988年秋のロシア危機、LTCM破綻の内幕が、それに参加していたインベストメント・バンカーの手で生々しく記述されている。
読みながら、われわれアウトサイダーの知識と情報の乏しさに唖然としたが、資産運用の世界の複雑化と技術の高度化を直視しなければならない。
相場も資金運用も休みなく激変を続けている。
商品相場の世界もその渦中にある。