昨日のNY株の上昇を支えた一つの材料は原油相場の大幅下落であった。
1日の下落幅の$6.59は1991年1月17日以来で史上第2番目であった。当時は現在の大統領の父親のジョージ・ブシュ大統領が、イラクのクェート侵攻に対して多国籍軍を指揮して戦争に加わったときである。
イラク侵攻で石油価格が上昇していたが、ブシュは米国戦略備蓄から、石油を放出することを決めた。石油が上がるとみて投機していた向きが慌てて売却に出た。
原油相場には大きな振幅がみられるようになってきた。
木曜日(21日)には1日で$5.62とやはり史上第2位の上昇を記録した。
このような動きをみていると。これまで上昇の口火を切ってきた投機筋の間での意見が割れてきたことは確かである。
来週の世界の株価をみる上では大きな注目材料である。
いまひとつはウォール街で第2のベアースターンズになるという噂の絶えなかった大手投資銀行に、韓国の政府系銀行の韓国産業銀行(KDB)が、資金の注入の意向を示した。リーマンの株価は5%急騰した。
先週はヘッジファンドのジョージ・ソロスがリーマンの持ち株を大幅に増やしたことが明らかになった。
それにしても1997年にはアジアの金融危機で韓国の銀行、保険、証券の大半が欧米の金融機関の傘下にはいったが、10年後には、まったく逆の現象が起こってきた。世界の株価は1998年に大底いれした。
今回の金融危機の主役はまったく異なるが、収拾へのプロセスは似ている。終幕へ確実に進み始めた。