ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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われわれも種をまきましょう。

2011-11-02 20:27:24 | 日記

10月28日(金)に野田総理の所信表明演説が行われました。内容をみますと、国家公務員の給与を引き下げる臨時特例法案については「その早期成立が欠かせない」と表明されたのに対し、国家公務員制度改革については「関連法案の成立を図る」との、やや抑制された表現にとどまっています。「同時成立」に関する言及はなく、「谷」さんや「大将」さんが懸念されておられるとおり、菅内閣との“温度差”を感じてしまいます。

その他にも、「出先機関の原則廃止に向けた改革を進める」とも述べられており、われわれにとっては、非常に厳しい内容であったと言えます。

ところで、演説の結びに、総理は一篇の詩を持ち出しました。合唱曲にもなっているという「花の冠」という詩。この詩を引用して、総理は「『希望の種』をまきましょう」と議場で訴えられました。詩の作者は仙台在住の大越桂(おおごえ かつら)さんということでしたが、恥ずかしながら、この所信表明演説まで全く存知あげなかったものですから、ネット等で調べてみました。

彼女は819グラムという未熟児で生まれ、双子のお姉さんは出産時に死亡。御本人も重度の脳性マヒであり、また、未熟児網膜症で強度の弱視とのこと。加えて13歳の時には肺炎等が原因で気管切開を余儀なくされ、声まで失っています。一体、これは、“何重苦”と呼べばよいのでしょうか。

しかし、彼女は、その後、養護学校の教諭から字を習い、筆談というコミュニケーション手段を獲得。やがて、詩の創作まで始めるのです。自由に文字が書けるようになったとき、彼女は「自由になったと思った。肉体は声もなくして動けないけれど、心が自由になったと思った」そうです。健常者であるわれわれには、なかなか想像しづらいですが、自分の意思を自由に伝えられないことの苦しさ、そして、言葉によって思いを伝えることができることの素晴らしさを、あらためて考えさせられました。

前述の「花の冠」は東日本大震災発生後に創られたものですが、数年前に創られた作品に「ことばのことば」という題名の詩があります。その一節には、こういう記述があります。

ことばはうまれて育って生きる 大切に大切に だいじにだいじにやさしくすれば みんなの心に種をまき ちゃんと芽を出し実をつける (中略) ことばはずっと生きている ことばはずっと生きていく

本部役員だけでなく、皆さん一様に、今年の情勢の厳しさを感じておられると思いますが、われわれは言葉という伝達手段を持っています。国際的にみて国家公務員に協約締結権が付与されていないことのほうが不合理であることや、内示期間が短いなかで広域異動が行われている国家公務員にとって宿舎の設置は必要な福利厚生であることなど、「正論」を発信していく必要があります。

奇しくも、来週9日(水)には、懸案である「同時成立」を目指し、国会議員への要請行動を含む「国公連合2011年秋季中央行動」が配置されています。全国の組合員の皆様には、また、御負担をおかけすることになりますが、「言葉はずっと生きていく」と念じていただいて、各議員の「心への種まき」に御協力いただきたいと思います。

【ふく福】